猫にお酒(アルコール)を与えてはいけない理由
猫はお酒を分解できないから
猫の身体は私たち人間とは大きく異なります。猫の肝臓はお酒のアルコールを分解することができません。私たち人間が美味しく食べられるものでも猫にとっては有害であることもあるのです。特に分解されずに体内に残ったお酒アルコールは有毒物質そのものです。ですから猫にはお酒をほんの少量でも与えてはいけないのです。
猫がお酒(アルコール)を誤飲してしまった時の対処法
猫がお酒を飲んだらすぐに病院へ
猫が飲んでしまったお酒の量にもよりますが、ちょっと舐めてしまった程度であれば、眠くなるくらいで済むことが多いそうですが、様子が少しでもおかしいと感じたらすぐに獣医に診せるようにしてください。
猫がお酒を飲んだ時無理に吐かせてはいけない
猫の口に手を入れ、無理矢理吐かせるなどは、嘔吐物による窒息を招く可能性もあります。素人判断での応急処置は行わず、まずは獣医に電話をして事情を説明するようにしましょう。どうしても夜間に診てくれる獣医が見つからない場合、アルコールは体温を低下させるので、毛布などでくるんで保温して安静にさせてください。
猫がお酒(アルコール)を飲んでしまった時の症状
- 嘔吐
- 下痢
- 震え
- 呼吸数の低下
- 意識障害
- 昏睡状態
- 心肺停止
猫が酒を飲むと命に関わる可能性も…
アルコールは中枢神経に作用して、私たち人間が酔っ払ったときのような症状を引き起こします。軽度の場合は嘔吐、下痢だけで済むこともありますが、重症の場合には呼吸数が低下し、昏睡状態になり、そのまま命を落としてしまうのです。
たとえ命は助かったとしても、後に内臓に掛かったダメージが病気を促進したり、寿命を縮める場合もあります。
猫にとって致死量になるお酒の分量
- 体重1kgあたり5.6mlで致死量
- 体重が3kgであれば大さじスプーン1杯で致死量
- アルコール度数10%の場合:50mlで致死量
猫の身体は人間に比べると圧倒的に小さい上に、その肝臓はアルコールを分解することができないので、ほんのちょっとが致命的です。
具体的には体重1kgあたり5.6mlで重篤な症状が出ます。
お酒の度数
- ビール:4~6度
- 日本酒、14~16度
- ワイン:10~15度
- 焼酎:25度
- ウイスキー:38~42度
- ブランデー:38~42度
小さじ1杯で5ml、大さじ1杯で15mlですから、体重が3kgの猫であれば、スプーン1杯のアルコールを摂取しただけでもかなり危険であるということです。もちろんお酒の種類や度数によって差はありますが、アルコール度数10%のお酒の場合、50mlで致死量に値します。
平均的なお酒の度数は、ビール:4~6度、日本酒、14~16度、ワイン:10~15度、焼酎:25度、ウイスキー:38~42度、ブランデー:38~42度、となっています。ほとんどお酒の度数は10%より高くなっています。
この数字はあくまで致死量です。これ以下であれば飲んでも問題がないという訳では決してありません。
猫がお酒(アルコール)を摂取してしまう原因
- 消毒液
- 殺菌スプレー
- アルコール成分入りウェットティッシュ
- お酒が体にかかり、舐めてしまう など
アルコールを含む殺菌スプレーなど
「アルコール=お酒」というイメージがありますが、アルコールはお酒以外にも消毒液などにも使用されています。室内の殺菌スプレーやウェットティッシュにもアルコール成分が入っていますから、猫の手の届かないところに保管するなどの注意が必要です。
アルコールで消毒した患部を舐める
また、猫は体が濡れることを嫌い、濡れた部分を舐める習性があります。怪我をした部分に消毒する際にもエリザベスカラーを使用して、アルコールが口に入るのを防いでください。
飼い主がお酒をおいしそうに飲んでいるから
猫は「お酒が美味しい」と思っているわけではありません。猫は好奇心の強い動物であるため、飼い主さんの食べているものや飲んでいるものに興味を抱くのです。お酒の種類によっては、甘い香りがするものもありますよね。ワインや甘いカクテルを愛猫が盗み飲みしてしまったという話をよく耳にします。匂いを嗅ぐだけであまり興味を示さない猫のほうが多いようですが、実際に口にしてしまう猫ちゃんもいますので十分に注意しましょう。
猫のお酒(アルコール)の誤飲を防ぐ方法
まず、猫のいる部屋でお酒を飲むときには、お酒の入ったグラスを残して席を立たないように心がけてください。猫は好奇心から、飼い主さんが食べているものに興味を示し、アルコールを飲んでしまうこともあります。また、よくあるのが、うっかりお酒をこぼしてしまい布巾を取りに行っている間にこぼれたお酒を猫が飲んでしまったというケースです。お酒を飲むときにはこぼさないよう注意することはもちろんのこと、近くに布巾を置いておく方がいいですね。
そして、もう一つ。万が一、猫がお酒を飲んでしまった場合にはすぐに病院へ連れて行くことになると思いますが、私たちがお酒を飲む時間帯はたいてい夜の場合が多いですよね。ですから、あらかじめ夜間でも診察してくれる動物病院を調べておくことも大切です。
猫がどうしてもお酒(アルコール)を欲しがる場合
ビールや日本酒などを執拗に欲しがる猫は比較的少ないようですが、甘い香りのするワインやカクテルはその香りにつられて、おねだりしに来ることもあるようです。毎日という訳にはいきませんが、特別な日には愛猫と乾杯して晩酌に付き合ってもらうのもいいですね。
しかし、たまにだからといって人間用のお酒を猫に飲ませる訳にはいきませんので、猫専用のワインで乾杯しましょう!
もちろん、ノンアルコール、保存料不使用でまたたび入り。9割の猫ちゃんが飲まないというなか、飲まなくてもいいから愛猫と乾杯したい!という愛猫家らしい声によって製品化された商品です。
まとめ
人間にとって、お酒などアルコールは飲み方や量を考えて飲めば、健康を害するものではありません。ただ、猫にとっては猛毒になりかねないものです。猫にお酒は与えない、猫の手の届かないところに保管する、飲むときもグラスを放置しないなど、今一度、習慣を見直してみるといいですね。
その他、猫が食べていいもの・悪いもの
今回紹介した食材以外にも、人間には安全でも、与え方や量によっては猫にとって有害な食べ物が数多くあります。場合によっては命に関わるような食材もあるため、飼い主さんは正しい知識を身につけておくことが必要です。万が一のことが起こってしまわないよう、「猫が食べていいもの・悪いもの」を事前にチェックしておきましょう。
30代 女性 みみちゃんママ
また、お掃除用のスプレーやウェットシートも動物用のアルコールフリーの物があり、高価な物ではないのでそういったペット用品を使うのは常識だと思います。我が家ではお掃除にはオレンジエックスというオレンジ洗浄成分の洗剤をつかったり、アルコールフリーのシートを使っています。
でも、日常生活の中で人間用に使っているウェットティッシュや、飲んでいる途中のビール缶を舐めてしまって、うっかり与えてしまう事もゼロではないと思うので、より気をつけようと思いました。
女性 yuki
朝おきて気が付いた時にグラスを下げていましたが、猫が誤飲する心配がないと思い込んでいたからです。この記事を読み、すぐに主人に知らせ毎晩グラスを必ず下げると約束をさせました。
1Kgあたり5.6mlで重篤な症状が出るとのことですが、我が家の猫は3キロなので、大匙1杯分のアルコールを口にしてしまうと大変なことになってしまうのですね。アルコールは体温を低下させるということもあり、これから冬になるのであっというまに低体温症になってしまう可能性が高いということがわかりました。
これからは十分に気を付けようと思います。
40代 男性 トラ
また、ウェットティッシュや消毒液は盲点でした。テーブルを拭くときや、冬場の手の消毒にアルコールを使用することがあるので、猫の口に入らないように工夫する必要がありそうです。調べてみると、掃除に関しては比較的害の少ない重曹や、クエン酸を使用するのがいいようですね。手のアルコール消毒に関しては、ジェルタイプの物を選ぶことで飛散を防ぐことができそうです。
人間と猫にとって害になるものは大きく異なることから、日常生活で何気なくやっていることが猫にとって害になっている可能性もありますね。しっかりと勉強し、習慣を見直してみようと思います。
女性 ケロキ
猫が出入りできる部屋を限定するなど、アルコールに近づかないようにすることが必要だと思います。アルコールがあるときは目を離さないようにするなことも大切ですね。
アルコールウェットティッシュは盲点でした。我が家では猫が触れられない場所にあり、猫も成長していたずらをすることはなくなりましたが、子猫だったら遊び道具にしていた可能性もありますね。もしものことを考えて夜間の動物病院を探そうと思いました。
20代 女性 ゆず