猫にカツオを与えてもいい?
「猫にカツオを与えてもいいの?」という疑問の答えからいうと「適量であればカツオを与えても良い」と言われています。
では、カツオにはどのような成分が含まれているのでしょうか?
ここで「カツオに含まれる成分と猫への効果」について、簡単にご紹介させていただきます。
カツオはビタミンB12や鉄分など体に良い成分が豊富に含まれる!
春と秋、1年に2度の旬の季節があるカツオですが、カツオは魚の中でも特に「ビタミンB12」が豊富に含まれています。カツオに多く含まれる「ビタミンB12」とは、自律神経などの神経機能の正常化や睡眠リズムを整える効果があると言われています。
またカツオに含まれている「豊富な鉄分」は、「レバー」に匹敵するほどの貧血予防効果があるほか、中性脂肪を正常に保たせる働きのある「EPA(エイコサペンタエン酸)」や、脳や神経を発達させる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」などが含まれています。
猫にカツオを与える時の注意点5つ
カツオには体の健康を保つ効果のある成分が豊富に含まれており、カツオの成分自体には問題がないと言えますね。しかし、猫に生のカツオを与える時は以下の注意点5つがあります。
- 注意点1.生カツオには寄生虫がいるので注意が必要!
- 注意点2.猫が黄色脂肪症になる可能性もある
- 注意点3.実は、猫がカツオアレルギーになることも…
- 注意点4.カツオに含まれるヒスタミンが引き起こす食中毒の危険性
- 注意点5.ビタミンB1欠乏症になる恐れがある
これは、生のカツオだけでなく「ぶり」や「まぐろ」などの魚を生で与える際の注意点と言われています。では、猫にカツオを与える時の注意点5つをそれぞれ確認していきましょう!。
注意点1.生カツオには寄生虫がいるので注意が必要!
魚に寄生する「アニサキス」という寄生虫を、知っている飼い主さんも多いのではないでしょうか?
アニサキスが寄生する代表的な魚では、サバ、イワシ、「カツオ」、タラ、イカ、サンマ、アジ、ホッケなどの魚介類の内臓に寄生するとされていますが、魚の鮮度が落ちると内臓から筋肉に移動するため、これを「生の状態」で食べてしまうことで、体内にアニサキスの幼虫が入る原因になります。
また、アニサキス寄生虫は体内に入ると「胃壁や腸壁」に食いつくため、食中毒(アニサキス症)を引き起こします。
人間の場合では、この時に「激しい腹痛、吐き気、嘔吐」などの症状が現れますが、犬や猫にも同様の症状を引き起こす可能性があります。このため、カツオを生で与える際には注意が必要と言えるんですね。
注意点2.猫が黄色脂肪症になる可能性もある
猫に生のカツオを与える場合、「少量」を与えるのであれば問題のないのですが、生のカツオを与えすぎてしまうと猫が黄色脂肪症(イエローファット)と呼ばれる病気になる可能性もあります。
黄色脂肪症(イエローファット)とは、主に「まぐろ、カツオ、ぶり、サンマ」などの青魚に含まれている「不飽和脂肪酸」を過剰に摂取することで、皮下脂肪が酸化してしまい炎症を引き起こす病気と言われています。
黄色脂肪症(イエローファット)の症状とは以下のものがあります。
- 下腹部にしこりができる
- しこりの痛み、発熱
- 歩き方がぎこちなくなる歩行異常
- 下腹部やしこりを触られるのを嫌がる
- 毛艶が悪くなる
- 猫の脂肪が黄色く変色して見える
黄色脂肪症(イエローファット)を予防するためには、カツオなどの魚ばかりを与え過ぎないよう、猫にバランスの良い食事を与えることが大切です。
注意点3.実は、猫がカツオアレルギーになることも…
実は、猫たちは「カツオ」を含めて魚に対するアレルギーを持っている個体もいるようです。
万が一、猫がカツオを食べたあとに以下のような症状が現れたら「カツオアレルギー」かも知れません。
- 嘔吐下痢
- 湿疹
- 発熱
- 抜け毛や湿疹
- 外耳炎
などが挙げられます。
ですが、「猫といえばカツオ」!魚好き!というイメージが強いので、「飼い猫がカツオアレルギー」ということに、飼い主さんが気付きにくいとも言われています。
カツオなどの魚を与えたあとに様子がおかしい…、ということがあれば、一度かかりつけの獣医師に相談してみましょう。
注意点4.カツオに含まれるヒスタミンが引き起こす食中毒の危険性
カツオやまぐろ、サンマなどの赤身魚は、ヒスタミンという物質を多く含んでおり、このヒスタミンを含む魚を常温で放置するなど不適切な管理によってヒスタミン産生菌が繁殖します。
しかし、ヒスタミン産生菌は熱処理をしても調理過程で除去できないため、これを口にすることにより食中毒症状が引き起こります。
- 嘔吐下痢
- 舌や顔の腫れ
- じんましん
などの症状が猫に現れた場合は、ヒスタミン食中毒に陥っている可能性があります。
猫にカツオを与えたあとに異常を感じたらすぐに獣医師に相談するようにしましょう!
注意点5.ビタミンB1欠乏症になる恐れがある
カツオなどの生の青魚には「チアミーゼ」という成分が含まれていますが、このチアミーゼには「ビタミンB1」を破壊する成分が含まれています。これにより、ビタミンB1欠乏症になる恐れがあるということです。ビタミンB1 欠乏症の症状は以下のようなものがあります。
- 運動障害
- 意識障害
- 歩行失調
- 心臓失調やけいれん
などが挙げられますが、日常でバランスの良い食事をしていれば基本的に問題ないと言えます。ですが…飼い主さんが、飼い猫が好むからと「カツオなどの生の魚を過剰に与え過ぎている」とビタミンB1欠乏症になってしまうということですね。
ビタミンB1欠乏症は、日常生活に影響を及ぼす症状が多いのでカツオの与え過ぎには十分注意しましょう。
猫にカツオを与える方法
カツオには体の健康を保つ効果のある成分が豊富に含まれていますが、猫にカツオを与えすぎるのは危険ということが分かりましたね。もちろん、カツオを与える量に気を付けてあげれば与えても大丈夫とも言えます。
では、「正しく猫にカツオを与える方法はあるのでしょうか?」ここで、猫にカツオを与える方法を詳しく見ていきましょう!
かつおの与える量
実は、猫にカツオを与えても問題ない量は今のところ明確には分かっていません。
猫たちは完全肉食動物であるため、本来ならカツオなどの魚を食べる体の構造をしていないとされています。
このため、どのくらいの量のカツオを食べて、どのような症状が出るのか個体の体質によって違うんですね。ただカツオを与える目安としては、たまに少量(1、2切れ)のみをご褒美程度に与えることが重要です。毎日継続的にカツオを与えることやカツオのみを大量に与えるようなことはしないように注意しましょう!
かつおぶし
「猫用のかつおぶし」ならパッケージに記載されている「適切な給餌量」を守れば与えても問題はありません。しかし、「人用のかつおぶし」には大量の塩が使われているため飼い猫に与え続けていると腎臓病の原因になってしまいます。
猫に「かつおぶし」を与えたい場合は、必ず猫用のかつおぶしを与えるようにしましょう。
かつおのたたき
炙りものである「かつおのたたき」は寄生虫も死滅しているため、生のカツオの刺身に比べて安全で「おやつ程度に少量」を猫に与えてあげるのは問題ないと言われています。
カツオの刺身はできるだけ調理してから与える方が良い!
カツオの刺身は寄生虫などの不安な点もあるため、生で与えるよりも加熱した方が安全にカツオを与えることができます。
また、どうしても生のカツオを与えたいときは、新鮮な刺身用を少量(1、2切れ)与えるようにしましょう。そして、生のカツオの調理方法は「茹でる、焼く」などの寄生虫を死滅させるためのしっかり熱を通す調理方法がおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?猫が大好きなイメージがある「カツオ」ですが、意外なことにメリットもデメリットもあることが分かりました。ですが、与え方や与える量などを飼い主さんがうまく調節してあげることでメリットだけを残すことができるような気がしますね。
- 生のカツオより火を通したもの(カツオのたたきなど)
- たまに少量を与える(1、2切れ)程度
- 毎日与えることは絶対に避ける
以上を注意点は、カツオを与える際に守ってあげる必要があります。
カツオが大好き!という猫も多くいるので、飼い主さんが上手にカツオを与えてあげる事が大切ですね。