きちんとキャットフードを保存しないと…?
キャットフードは開封した直後から酸化が始まります。さらに時期や環境によっては虫がわいたり、カビが生えたりすることもあります。
そんなフードを猫ちゃんに食べさせるわけにはいきませんよね。キャットフードの品質や風味が劣化すると、どうなるのでしょうか?
酸化する
フードを放置しておくと、酸素と結合して酸化が始まり、物質本来の性質と風味が変化してしまいます。また、キャットフードの中で最も酸化が問題となる成分は脂肪です。
脂肪が酸化して作られた過酸化脂質は毒とも言えるもので、大量に食べると消化管を傷つけ、嘔吐や下痢を引き起こすこともあります。アレルギーや腎障害を引き起こすとも言われています。過酸化脂質は人では、動脈硬化や癌、認知症などの病気のもとになること可能性があるとも考えられています。
酸化は老化を早めるという話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。酸化したキャットフードにはデメリットがいくつもあります。なるべく早めに食べきってしまうか、賢く保存して品質を保ちましょう。
食中毒になる可能性がある
缶詰などのウェットフードや、手作り食は水分が多く、特に傷みやすいです。ボツリヌス菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、カンピロバクター菌、病原性大腸菌など様々な菌に増殖し、猫ちゃんが食中毒を起こす危険性があります。
食中毒が起きた場合、腹痛、嘔吐、下痢、発熱など様々な症状が現れます。体力のない子猫や高齢の猫ちゃんの場合、特に重症化する恐れもあるので、より気を付ける必要があります。高温多湿な夏場だけでなく、涼しい時期でも起こる可能性があるので注意が必要です。
キャットフードの保存に気を付けるだけでなく、お皿などもきちんと洗って清潔にしましょう。
虫がわく、寄ってくる
キャットフードをきちんと保存しないと虫がわくことがあります。
コバエなどが部屋に飛んでいると不潔に感じますし、ゴキブリなども極力出くわしたくないものです。虫によっては病原菌などを運んでくることもあり、もちろん衛生的ではありません。猫ちゃんがそれらの虫を追いかけて食べてしまうのも避けたいところです。
特に暑い季節の置き餌には注意が必要です。一度虫が寄りついてしまったものは、もったいないかもしれませんが捨てるようにしましょう。
臭う
フードを開封し、時間が経つと主に脂肪分の酸化によってキャットフードのにおいがきつくなることがあります。
味や風味が変わると猫ちゃんの食いつきが悪くなり、お部屋の中で異臭の原因になることもあります。
湿気る
ドライフードが湿気てしまうと、カリカリの食感がなくなり、食いつきが悪くなる猫ちゃんも多いようです。私が飼っている愛猫2匹も、開封してしばらく経ったドライフードより、開封したてのドライフードの方が良く食べてくれます。
キャットフードおすすめの保存方法
ジップロックなどの保存容器で保存する
カリカリのドライフードの適切な保存方法は、直射日光や高温多湿を避け、酸素と触れ合わないようにできるだけ密閉することです。ドライフードの袋を手軽にクリップや輪ゴムなどで留めている方も多いと思いますが、やはりそれでは隙間ができてしまいます。
おすすめはジップロックなどの密閉できる保存バッグに小分けしたり、しっかりとした保存容器に入れたりすることです。
保存袋のチャックを閉める際は、なるべく空気が入らないように気を付けます。急いでいるときなど、ついしっかりと蓋や封を閉じないこともあると思いますが、普段からきちんと密閉して保存することを意識しましょう。
真空状態でフードを保存する
真空状態で保存するとさらにドライフードが長持ちします。フードと酸素が触れ合わないからです。手軽に真空状態にできる保存袋やフードストッカーも売られているので、それらを活用するのも良いと思います。
湿気防止剤を入れる
「脱酸素剤」や「乾燥剤(シリカゲル)」を利用し、フードの酸化や湿気を防ぐこともできます。ペットフードストッカーやジップロックなどと併用すると、完璧とはいきませんが、手軽にフードの劣化対策ができます。誤って猫ちゃんが食べてしまわないように注意が必要です。
一度開封したフードは早めに使いきる
また、パッケージに記載されている賞味期限は未開封の場合の期限です。開封後は賞味期限以内であっても、早めに食べきるようにしましょう。フードストッカーなどの容器も、定期的に洗うなどして清潔に保つことが大事です。
おすすめのフード保存容器
ドライフードの保存におすすめの商品をいくつか紹介させていただきます!
オリジナルフードストッカー【密閉・密封・計量カップ付】 サクラペットフード
商品情報
・湿気やニオイ漏れの防止になり、フードを与える目安になる計量カップも付属
・ドライフード小粒サイズ(8mm粒)約1kgが収納
ピンクとブラックのデザインが可愛いフードストッカー。残りの量が一目でわかり、便利な計量カップ付き。
セラーメイト 取手付密封びん 1L 日本製
見た目もオシャレな保存瓶。ガラス製なので匂い移りなども少ないのが良いですね。
1Lから4Lまで容量が選べ、小ぶりなものはおやつ入れにもおすすめです。インテリア性も高いので、リビングなどに置いておいても違和感がありません。
OXO 保存容器 密閉 プラスチック 5.2L ポップコンテナ
密閉度の高い保存容器。サイズの種類が豊富で、ワンタッチで開閉が可能。ペットフードの保存に愛用している飼い主さんが多いようです。
フレッシュ&キープ 真空 フード ポンプ Aセット
商品情報
・サイズ:(約)ハンドルポンプ/45×33×145mm
・ハンドルポンプ重量:(約)40g
・原産国:中国
簡単に真空パックが作れるポンプと専用保存袋のセット。
大袋のキャットフードなどを小分けするのに便利です。袋は洗って繰り返し使うことができます。冷凍にも対応しているので、人間用の食材の保存にも使えます。
ドギーマン フレッシュキーポット
商品情報
・本体サイズ (幅X奥行X高さ) :20×20×19cm
・本体重量:362g
・原産国:台湾(台湾省/中華民国)
付属のポンプで簡単に真空保存ができるフードストッカーです。約1~1.2kgのドライフードの保存ができます。
小分けタイプ おいしさ長持ち ペットフードに強力脱酸素剤 10個入り×5袋
ドライフードに一緒に入れておくだけで品質保持に役立ちます。酸化対策に◎
猫のウェットフードは冷蔵庫保存する
ドライフードと同じく、直射日光や高温多湿の場所は避けて保管しましょう。開封した缶詰やパウチなどのウェットフードは、ドライフードに比べると腐りやすく、保存できる期間は短いです。
残ったウェットフードの保存方法
毎回食べきるのが理想ですが、残ったものはそのまま放置せず、冷蔵保存します。
乾燥や細菌の混入などを防ぐためにきっちりとラップをかけて、保存容器に移したりしてから冷蔵庫に入れましょう。保存期間の目安は1日です。時間が経つとカビなどが生えやすいので、時間の経ったものは破棄してください。
ウェットフードだけではなく、ドライフードを長期間保存したい場合にも、小分けにして冷蔵保存するのもおすすめです。
冷凍庫で保存するときのポイント
より長期間保存したい場合には、ウェットフードをラップなどで小分けし、冷凍保存することもできます。しかし、味や風味などが劣るため、猫ちゃんが美味しくないと感じることもあるかもしれません。
冷凍保存する場合は、与える際に電子レンジで少しずつ解凍しましょう。熱くなりすぎて猫ちゃんが火傷しないように気を付けてくださいね!
手作り食は冷凍保存がおすすめ
ここ数年、ペットの食事を手作りする方も増えています。アレルギーや安全性など考慮し、手作り食を与えている飼い主さんもいらっしゃると思います。しかし、やはり毎食作るのは大変なので、一度に何食分かをまとめて作り置きしている飼い主さんが多いようです。
市販のキャットフードと違い保存料などを使わないので、もちろん長持ちはしません。保存期限は人間の食事と変わらないと思っていいと思います。
そこでおすすめなのが冷凍保存です。ラップに包んだり、小さな保存容器に1食分ずつ分けたりして冷凍しましょう。また、手作り食を大きめの氷が作れるサイズの製氷皿に流し込んで冷凍する方法もおすすめです。食材などにもよりますが、冷凍での手作り食の保存期間は1~2週間ほどです。
製氷皿 フタ付きアイストレー シリコン 14個 取り出しやすい 4点セット
商品情報
・本体サイズ:252*99*29mm
・氷サイズ:29*38*20mm
・ふた付き
製氷皿はふた付きのものがおすすめです。使いたい分だけ取り出して解凍します。1個1個とり出しやすいシリコン製。
アーネスト シリコン小分け 保存カップ 2個セット
商品情報
・サイズ:(約)容器/幅225*奥行110*高さ40mm
・シリコーンカップ大/幅95*奥行50*高さ30mm
・シリコーンカップ小/幅50*奥行50*高さ30mm
・重量:約440g(セット)
小分けされたシリコン製のカップに手作り食を入れ冷凍保存できます。与えたい分だけ取り出し、そのまま電子レンジで温めることができ便利です。
小分けタイプのフードを購入する
毎日与える物だからと、お得な大袋入りのキャットフードを買っている飼い主さんも多いかと思います。きちんと保存して食べきることができれば問題はありませんが、それが難しい場合は小分けタイプのキャットフードをおすすめします。
少し割高に感じるかもしれませんが1食分や数食分ずつ小分けされたタイプだと、いつでも開封したての美味しいキャットフードを与えることができます。湿気てしまったものより、カリカリしたキャットフードの方が猫ちゃんの食いつきもよくなることが多いようです。
賞味期間の長いキャットフードは危険!?
酸化防止剤や保存料に注意!
市販されているキャットフードは品質を長持ちさせるために、酸化防止剤や、保存料などが使用されていることがあります。これらの添加物は、猫の肝臓や腎臓などに負担をかけたり、発がん性があったりすることなどが指摘されています。
保存期間の長いフードは便利ではありますが、愛猫の健康を考えると、不自然に賞味期間の長いものは避けたいと思う方もいるでしょう。最近では、天然由来の保存料が使用されているプレミアムフードなども増えています。
《参考》
わんちゃんホンポ ロイヤルカナンは犬種や病気に特化しているプレミアムフード!
まとめ
いかがでしたか?今回はキャットフードの保存に関する情報をお伝えしました。
暑い夏場などは、あっという間にフードが劣化してしまいますが、ちょっとした工夫で愛猫の毎日のごはんをより美味しく安全に保つことができます。猫ちゃんの健康と、飼い主さんのお役に立てれば幸いです!
全てのドライフードには酸化防止剤が使われていて、さらに保存料も使用しているフードもあります。ドライフードを常温で長期間保存できるのは、これらの添加物とドライフードそのものの水分が非常に少ないおかげです。しかし、ペットフードに使われている添加物について心配される飼い主さんも多いと思います。酸化防止剤には合成のものと天然由来成分のものがあり、合成の酸化防止剤について、ペットフードへの使用は安全だとする考えと危険だとする考えの両方が存在しています。
例としてBHAと没食子酸プロピルの科学的データについては、以下の記事を参考にして下さい。このようなデータや説明は、合成の酸化防止剤をペットフードに使うことを肯定するものですが、だからと言ってこれらの化合物が絶対に安全だと証明されたわけでもありません。脂肪分を多く含みながら常温で長期間保存されるドライフードに酸化防止剤は欠かせません。
合成の酸化防止剤のメリットは、天然のものより安定した効果が長続きし、より安くドライフードを製造できることです。天然のもののメリットは多くの飼い主さんが安心してペットに与えられることですが、製造コストは合成のものを使った場合より高くなります。
それぞれメリットとデメリットがあり、現在は合成の酸化防止剤や保存料を使用していないフードも多くありますので、飼い主さんがご自身の考えやペットフードに対する予算、開封してから使い切るまでの期間などを考慮し、納得できるものを選ぶのが良いと思います。