猫はカツオを食べても大丈夫?

結論からお伝えするとカツオは猫に与えても問題ない食材です。良質なタンパク質を含み、猫が好む香りも強いため、食欲が落ちている時や特別なご褒美として活用できます。
ただし、生のカツオは与えないようにしましょう。生の魚には猫の健康を害する成分や寄生虫が含まれているリスクがあるため、必ず加熱処理を行ったものを与える必要があります。
人間用の刺身やタタキであっても、猫に与える場合は火を通すことが大前提です。安全な調理法を守れば、カツオは猫にとって美味しい食事の一部となります。
カツオの栄養素と猫への健康効果

カツオは単に美味しいだけでなく、猫の体を作るために役立つ多くの栄養素を含んでいます。筋肉の維持から血液の健康まで、それぞれの成分がどのような効果をもたらすのかを解説します。
良質な動物性タンパク質
カツオには豊富な動物性タンパク質が含まれています。肉食動物である猫にとって、タンパク質は筋肉や血液、皮膚や被毛を作るために欠かせない最も重要な栄養素です。
ベンガルのような筋肉質の維持が大切な猫種にとっても、良質なタンパク源は健康的な体作りの基礎となります。
DHA・EPA(オメガ3脂肪酸)
カツオなどの青魚には、不飽和脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれています。
これらは血液をサラサラにする効果や、皮膚や被毛の健康を保つ抗炎症作用が期待されています。また、脳の働きや神経系の健康維持にも役立つと言われている成分です。
タウリン
タウリンは猫の体内で十分に合成することができず、食事から摂取しなければならない必須アミノ酸の一つです。
「総合栄養食」と記載されたキャットフードを食べていれば不足することはありませんが、カツオの血合い部分には特にタウリンが多く含まれており、猫の心臓機能の維持や、網膜の健康を守り視力を維持するために重要な役割を果たします。
鉄分・ビタミンB12
カツオは鉄分やビタミンB12も豊富です。これらは血液中のヘモグロビンを作り、酸素を全身に運ぶために必要不可欠な栄養素です。
貧血の予防に役立つため、活発に動き回るアメリカンショートヘアのような猫種や、シニア期の猫の健康サポートとしても注目される栄養素です。
猫にカツオを与える際の注意点

カツオは栄養豊富な食材ですが、与え方を間違えると深刻な病気や中毒症状を引き起こす可能性があります。猫の健康を守るために、飼い主が必ず知っておくべきリスクについて解説します。
チアミン欠乏症に注意
生の魚介類には「チアミナーゼ」という酵素が含まれており、猫の体内にあるビタミンB1(チアミン)を分解してしまいます。
継続的に多量に摂取することでビタミンB1が欠乏すると、食欲不振やふらつき、重篤な場合は痙攣など神経症状を引き起こす「チアミン欠乏症」になる恐れがあります。
この酵素は加熱することで失活するため、必ず火を通してから与えてください。
ヒスタミン食中毒に注意
カツオなどの青魚は、常温で放置するなど鮮度が落ちると、菌の働きでアミノ酸の一種がヒスタミンという物質に変化します。
ヒスタミンが増殖した魚を食べると、加熱しても毒性は消えず、嘔吐や下痢、舌の腫れといった食中毒症状を起こすことがあります。
猫に与える際は、人間が生で食べられるほど新鮮なものを使い、速やかに調理して与えることが重要です。
黄色脂肪症に注意
カツオに含まれる不飽和脂肪酸は体に良い反面、過剰に摂取すると体内のビタミンEを大量に消費し、脂肪が酸化して炎症を起こす「黄色脂肪症(イエローファット)」の原因となります。
腹部にしこりができたり、触られるのを嫌がったりする痛みが生じます。毎日カツオばかりを与え続ける偏った食事は避け、あくまでトッピングやおやつ程度に留める必要があります。
アニサキス寄生虫に注意
生の魚にはアニサキスという寄生虫が付着している可能性があります。猫がアニサキスに感染すると、激しい胃痛や嘔吐を引き起こします。
アニサキスは加熱調理によって死滅します。刺身用の柵であっても、万が一のリスクを避けるために、中心部までしっかりと火を通すことが推奨されます。
アレルギーに注意
どんな食材でもアレルギーのリスクはゼロではありません。初めてカツオを与える際は、ごく少量からスタートし、猫の様子を観察してください。
食後に皮膚を執拗に掻く、下痢や嘔吐をするなどの症状が見られた場合は、すぐに与えるのを中止し、かかりつけの動物病院へ相談しましょう。
猫にカツオを食べさせる際の与え方・調理法

猫にカツオを与える際は、人間用の味付けを避け、素材そのものを安全に調理することが鉄則です。ここでは、猫に適した具体的な調理方法と与え方を紹介します。
必ず加熱して与える
前述の通り、チアミン欠乏症や寄生虫のリスクを排除するため、加熱は必須です。
表面だけでなく、中心部まで色が変わり、熱が通っていることを確認してください。
茹でて与える
最も基本的で安全な方法は、お湯で茹でることです。油を使わずに調理できるため、余分なカロリーを抑えることができます。
人間用のカツオのたたきや刺身用の切り身を使用し、沸騰したお湯でしっかりと茹でます。茹で汁にも出汁が出ているので、冷ましてから少量ごはんにかけてあげると水分補給にもなります。
蒸して与える
蒸し調理は、茹でるよりも水溶性のビタミンや旨味成分が流れ出しにくいため、栄養と風味を逃さずに調理できます。
耐熱容器に入れて電子レンジで加熱することも可能ですが、破裂を防ぐために身をほぐしてから加熱するか、加熱しすぎないように様子を見ながら調整してください。
おやつやフードのトッピングとして与える
カツオは総合栄養食の代わりにはなりません。主食であるキャットフードに少量トッピングするか、コミュニケーションの一環としてのおやつとして与えましょう。
骨がある場合は必ず取り除き、喉に詰まらせないよう細かくほぐしてから与える配慮も忘れないでください。
猫にカツオを食べさせる際の適量

猫に与えるおやつの量は、1日に必要な総摂取カロリーの20%以下に抑えるのが一般的ですが、カツオのような副食の場合は、栄養バランスを崩さないようさらに少なめの10%以下に見積もるのが安全です。
体重4kg程度の一般的な成猫であれば、1日あたり10g〜15g程度(カレースプーン1杯分ほど)を目安にしてください。これは厚切りの刺身だとおよそ一切れ弱に相当します。
カツオばかりを食べて主食のキャットフードを食べなくなっては本末転倒です。あくまで風味付けやご褒美としての量を守りましょう。
まとめ

カツオは、適切な調理と量を守れば猫にとって栄養豊富で美味しい食材です。タンパク質やDHAなどを摂取できるメリットがありますが、生食は絶対に避け、必ず加熱処理を行ってください。
また、毎日大量に与えると黄色脂肪症などのリスクがあるため、たまの楽しみとして少量を与えることが大切です。愛猫の健康を守りながら、食のバリエーションを広げてあげましょう。