猫はプリンを食べても大丈夫?
飼い主さんが食べているものを欲しがる猫は多いです。甘いプリンを美味しく食べていると、愛猫が近寄ってきて自分も食べたいとおねだりしてくることがあります。
可愛らしくおねだりされると、ついつい食べさせてあげたくなりますが猫の健康のためには厳しく対応して人間用の食べ物は我慢させることが必要な場合もあります。
プリンも猫にとっては食べるデメリットの大きい食べ物です。特別有害な成分が含まれているわけではありませんが、基本的には猫は食べるべきではありません。
人間のおやつとして人気の高いプリンですが、猫にとって何が問題となるのでしょうか。
猫にプリンを食べさせない方がいい理由
プリンの主な材料は卵、乳製品、それに甘みを加えるために砂糖を使っています。比較的シンプルな材料で作られるプリンですが、この原材料が猫の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
それぞれのリスクを解説します。
卵と乳製品にアレルギーの危険性がある
プリンの主な材料である卵はタンパク質です。猫にとってタンパク質はアレルギーを持っていることが多い注意すべき食べ物のひとつです。
同じように、プリン作りに欠かせない牛乳や生クリームなどの乳製品もアレルギーの可能性があります。
アレルギーのある食べ物を口にすると皮膚疾患が出たり、下痢をしたり、嘔吐したりといったアレルギー症状を引き起こしてしまいます。もしもプリンを食べてしまって体調にこのような異常が見られた場合は、卵や乳製品のアレルギーを持っている可能性があるので、卵と乳製品はそれ以上与えないようにしましょう。
アレルギー症状が重いようなら早めに動物病院に相談してください。
また乳製品には乳糖が含まれていますが、猫は乳糖をスムーズに消化することができません。消化不良を起こして下痢をしてしまう場合もあるので気をつけましょう。
特に消化器官が未発達の子猫や消化器官が弱くなってきている老猫は、少し食べただけで体調が悪くなる可能性もあるので十分に注意が必要です。
大量の砂糖で肥満や糖尿病のリスクが高まる
プリンの美味しさの秘訣はなんといっても甘さにありますよね。人間が美味しく食べられるようにプリンには大量の砂糖が使われています。人にとってはそれほど問題ない量の砂糖でも、猫の小さな体には過剰になってしまう可能性があります。
砂糖の摂りすぎはカロリーの摂りすぎに直結し、猫が肥満になってしまいます。糖尿病のリスクも高くなるので健康維持のために砂糖はできるだけ摂りたくない食べ物です。
また猫はあまり虫歯になることはありませんが、大量の砂糖を摂取すると虫歯のリスクも生まれてしまうので気をつけましょう。
人間用の食べ物は思っている以上に砂糖が多く使われているので、プリン以外のおやつも注意が必要です。猫には猫用のおやつを食べさせるようにしたほうが安心です。
市販の猫用プリンは添加物が含まれている
人間用のプリンが猫にとって悪影響なら、市販の猫用のプリンを食べさせるのは問題ないのでしょうか。ペット用のプリンが通販サイトやペットショップなどで販売されています。
しかし、市販のペット用プリンには食品添加物が使用されていることが多く、シロップ漬けのフルーツが入っているため猫の体にはよくありません。
ペット用のものでも市販のプリンは与えないほうが愛猫のためになります。それでもどうしてもプリンを食べさせてあげたいという場合は、飼い主さんが猫用プリンを手作りしましょう。
簡単なレシピをご紹介します。材料は卵、猫用牛乳(豆乳、ヤギミルクで代用可能)だけです。
作り方は、まず卵と猫用牛乳を混ぜて茶こしでこします。続いてそれを耐熱容器に入れて600Wの電子レンジでおよそ1分加熱します。固まり具合を確認して、ゆるければお好みの固さになるまで20秒ずつ追加して加熱してください。猫の健康上のリスクを減らすために、砂糖不使用で作りましょう。
火傷しないように十分に冷ましてから与えてください。カラメルソースは砂糖で作られているのでNGですが、代わりにかつお節などをトッピングしてもよいでしょう。
猫用の手作りプリンのレシピをご紹介しましたが、重要なのはできることなら猫にプリンは与えないほうがよいということです。不必要なおやつは主食の栄養バランスを崩してしまう恐れがあります。
愛猫の健康を守るためには体によいフードをきちんと食べさせて、栄養バランスを整えることが大切です。
プリンを気に入ってしまって必要な食事を摂ってくれなくなるなどの問題が生じる可能性もあります。猫はプリンを基本的には食べるべきでないことを忘れずにいてください。
猫がプリンを欲しがる時の正しい対応方法
愛猫が食べ物を欲しがっておねだりしてくる時、飼い主さんが甘やかして何でも好きなように食べさせてしまうと猫の健康に悪影響を及ぼし、結局は猫が可哀想な思いをすることになります。
時には心を鬼にして厳しく対応することも、愛猫を守るためには必要です。プリンを食べたがる猫への正しい対応方法をご紹介しますので参考にしてみてください。
猫はプリンの甘い味が好きなわけではないため与えない
人はプリンの甘さを美味しく感じるので、猫も甘いおやつが好きだからプリンを欲しがるのだと考えがちですが実はそれは間違いです。猫が感じ取れる味覚は「酸味」「苦味」「塩味」の3種類だけなので、プリンを食べても甘味を感じることはできません。
甘さを美味しいと思うわけではないので、猫が喜ぶから甘い物を食べさせてあげようとプリンのような甘いおやつを用意してあげる必要はないのです。
ではなぜ飼い主さんがプリンを食べていると猫は欲しがるのでしょう。
その理由として、プリンに含まれているバニラエッセンスや乳製品の香りに反応しているのではないかという説があります。もしくは飼い主さんが食べているものという理由だけで、興味を持っている可能性も考えられます。
「うちの愛猫は甘い物が好き」という飼い主さんもいると思いますが、猫がその食べ物を好むのには香りがよかったり原材料の味が好みだったりなど、他に何か理由があるのでしょう。
実際に猫がプリンを食べてもその甘さを「美味しい」と感じるわけではないので、食べる喜びは猫の健康に害のない猫用の食べ物で味わったほうが安心です。
プリンの代わりに猫用のおやつや普段のフードを与える
猫がプリンを欲しがっている時でも、プリンの味を求めているわけではありません。
プリンをあげる代わりに、与えても栄養バランスを崩さずにすむ猫用のおやつや普段食べているフードを少量食べさせてあげましょう。普段から食べ慣れている物ならアレルギーの心配もなく与えられるので、飼い主さんとしても安心です。
飼い主さんはプリンを食べ愛猫は猫用の食べ物をそれぞれ食べましょう。別々のものを食べていてもおやつタイムを一緒に楽しむことはできます。
猫に一度でも人間用のプリンを味見させてしまうと自分も食べられるものだと学んでしまい、その後もプリンを見る度にずっとしつこくおねだりしてくる可能性が高くなります。ほんの一口食べさせることで妙に期待をさせてしまうよりも、絶対に食べさせないというルールを決めてしまったほうがお互いのためになるのではないでしょうか。
どうしても食べさせたい場合は猫用の手作りプリンを用意する
プリンを与えるべきではないことをわかったうえで、それでも猫のおねだりに勝てない場合は市販のプリンを食べさせるくらいなら猫用に手作りしたプリンを食べさせましょう。
アレルギーや消化不良に配慮して牛乳の代わりに猫用牛乳や豆乳、ヤギミルクを使ってください。そして砂糖を使わないのもポイントです。砂糖の摂取による肥満や糖尿病のリスクをなくし、少しでも体によいおやつに近づけましょう。
市販のプリンに含まれる添加物の心配もいらないので、愛猫のために手作りしたプリンなら安心してあげられます。
ただし主食で必要な栄養を摂れていて、プリンを食べてもカロリー過多にならないという日にのみ与えるなど栄養管理はきちんと行いましょう。
まとめ
愛猫に食べ物をおねだりされると何でもあげたくなってしまうものですが、プリンを猫に与えるのはメリットよりもデメリットが多いのでやめましょう。
プリンを与えるデメリットとして砂糖の摂取で肥満や糖尿病、虫歯になることや、アレルギーの危険性があること、乳製品で消化不良を起こしてしまうことなどがあげられます。
飼い主さんがプリンを食べていると、香りに誘われて近寄ってくることもあります。しかし猫は甘味を感じることができないので、プリンの甘さを「美味しい」と感じられるわけではありません。
プリンよりも健康的で猫にとって美味しい食べ物は他にあるはずです。一緒におやつタイムを楽しみたいのなら、プリンの代わりに猫用のおやつや普段のフードを食べさせましょう。
どうしてもプリンを与えたい場合は、砂糖や添加物を使わない手作りプリンを用意しましょう。本来与えるべきものではないので、食べさせる際には栄養バランスの管理に気をつけてください。