猫は鹿肉を食べても大丈夫!
結論から言いますと、猫は鹿肉を食べても大丈夫です!
猫は本来肉食動物で、狩りをして生活する生き物です。猫の歯すべてがお肉を食べるために必要なつくりで、体内もお肉が消化しやすい構造になっています。
しかし、生食の場合は注意が必要です。生のお肉には細菌が多く、サルモネラ菌やO157などの食中毒になる可能性がありとても危険です。
中には鹿肉にアレルギー反応を起こす猫もいます。さらに、腎臓に疾患のある猫は悪化する恐れがあるので、与えるのは避けましょう。
この注意点をしっかり覚えておけば、鹿肉は高タンパク、低脂質、低カロリーなど猫にとても嬉しい栄養素がたくさん含まれています!
現在はキャットフードやおやつとして鹿肉を使用した餌が販売されています。まずは現在食べているフードに少し混ぜたりトッピングにしたりと、猫の様子を見ながら与えてくださいね。
猫に鹿肉を与えるメリット
肉食動物である猫のおもなエネルギー源は、タンパク質と脂質です。鹿肉にはそれらの栄養素が含まれ、さらに牛肉や豚肉にはない魅力を持ち合わせています。
具体的にどんな栄養素が含まれているのか、猫に鹿肉を与えるとどんなメリットがあるのかご紹介します。
毛艶が良くなる
鹿肉にはタンパク質や脂質、ビタミンなどの猫に必要な栄養素が豊富で、毛艶を良くする効果が期待できます。
肉食動物の猫にとって、動物から得られるタンパク質は生きていく上で不可欠です。なぜなら、猫の体内で生成できない必須栄養素が含まれているからです。
その必須栄養素とはタウリンです。タウリンは動物性のタンパク質からしか摂取できません。鹿肉は動物性のタンパク質が豊富なので、栄養面からみても猫に食べてもらいたい食材なのです。
そして、猫のエネルギー源としてタンパク質の次に重要なのが脂質です。
鹿肉は猫の必須栄養素のアラキドン酸が含まれています。このアラキドン酸は不飽和脂肪酸の一つで、鹿肉は不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。そして、アラキドン酸も動物性の食材からしか摂取できません。脂質の面からみても、鹿肉は猫にとって欠かせない栄養素を含んでいるのです。
猫にとってビタミンはタンパク質や脂質ほどの必要量はありませんが、鹿肉の中には猫に摂取してほしい大切なビタミンが含まれています。それは、猫にとって不足すると困るビタミンB1、B2、B6です。
特にビタミンB1は猫には人間よりも多く必要で、不足すると欠乏症の恐れもあります。猫の体内ではビタミンCとKしか生成できません。それ以外のビタミンは食材から補う必要があるので、鹿肉は猫にとって理想的食材なのです。
このように猫の必須栄養素をたくさん含んだ鹿肉を食べると、栄養バランスが良くなり毛艶が良くなる効果が期待できます。「栄養バランスが良い=毛艶が良い=健康体の証」ということですね。
ダイエット効果が期待できる
猫に必要な栄養価の高い鹿肉は、低カロリーなお肉でもあります。メジャーな牛肉や豚肉とくらべるととても脂質が低く、さらに高タンパク質な食材です。
100gあたりで比較するとこのような数値です。
- 鹿肉 119kcal 脂質 4.0g タンパク質 23.9g
- 牛肉 294kcal 脂質 24.8g タンパク質 17.1g
- 豚肉 237kcal 脂質 19.2g タンパク質 17.1g
牛肉豚肉とくらべるとカロリーは半分ほどで、脂質は5~6分の1ほど。そしてタンパク質が豊富に含まれているので、ダイエットの必要な肥満気味な猫におすすめです。
猫は動物性のタンパク質が不可欠なので、ダイエット中で心配になる栄養価の部分でも安心できます。
嗜好性が高い
鹿肉は猫にとって嗜好性が高い食材です。
普段食べているキャットフードに鹿肉を混ぜて食いつきを良くすることで、栄養不足を補えます。そして、食べてほしいのに食べてくれない…そんな時にも鹿肉は猫が興味を示す可能性の高い食材です。
猫に鹿肉を与える時の注意点
猫に魅力的なメリットがたくさんある鹿肉ですが、与えるときに注意点が3つあります。
猫が安全に鹿肉を食べるためにとっても大切なことですので、必ず3つの注意点をふまえてからあげてくださいね。
生の鹿肉には注意!
嗜好性が高く食いつきが良くなる鹿肉は、生ですとそれがさらに高まります。鹿肉だけではありませんが、生食のできるお肉は酵素がたくさん含まれていて猫の毛艶を良くする効果が期待できるのです。
しかし、それ以上に生の鹿肉は危険性が高いので猫に与える際にはあまりおすすめできません。なぜかというと生のお肉には細菌類が存在しているので、食中毒の恐れがあるからです。
食中毒になったときの猫の症状例をご紹介します。
- 嘔吐、下痢
- 発熱
- 泡を吹く
- よだれ、めやに
- けいれんを起こす
- 食欲低下、元気がない
栄養価の高い鹿肉ですが、生食の場合は猫にとってリスクがあることを覚えておきましょう。
アレルギー体質の可能性
牛や豚とくらべると「低アレルゲン」と言われている鹿肉ですが、すべての猫がアレルギーを起こさないとは限りません。
猫がアレルギーを起こした時の症状はこちらです。
- 嘔吐、下痢
- 体をかゆがる
- 目の充血
猫に初めて鹿肉をあげるときには、食前の様子と食後の様子に違いがないかよく見てあげてください。与える量も一度にたくさんではなく、今食べているキャットフードに少量混ぜるところからにしてくださいね。
少しでも異変を感じたら必ず病院で獣医師さんに診てもらいましょう。
腎臓疾患
タンパク質の豊富で栄養価の高い鹿肉は猫にとっても良い食材とご紹介しています。しかし腎臓に疾患を抱えている猫には病気の悪化につながりますので、鹿肉を与えるのはやめましょう。
腎臓に疾患を抱えている猫は、治療の一環で低タンパク食の食事療法を行っています。そのため高タンパク質の鹿肉を与えるのは逆効果になってしまうのです。
鹿肉を使ったおすすめキャットフード・おやつ5選
鹿肉を使った猫向けフードはたくさんあります。そして多くのフードが、猫や飼い主にとって安心な保存不使用の国産です。
猫の食べやすさを考え、さまざまな形状のフード5つをご紹介します。
天然鹿肉キャットフード「Nyummy(ニャミー)」
猫の安全と命を第一に考えてつくられた天然鹿肉のキャットフードです。
商品の特徴はこちら。
- 国産の自然食材のみ使用
- 原材料はすべてトレーサビリティ(生産地や流通の履歴)を明らかにしている
- 保存料人工添加物ゼロ
- 猫の口に入るまでの安全がすべて考え抜かれたキャットフード
公式のホームページのみで販売を行っています。
1年間の定期購入が基本ですが、おためしで1袋500gの単品の販売もしています。
鹿肉ペースト10g 10本入り(犬猫用)
口コミ数も多く評価の高い北海道のエゾシカ専門店「北のジビエ」の鹿肉ペーストです。
商品の特徴はこちら。
- 完全無添加、北海道産
- 獣医師監修のもとに作られ、病院でも販売
- 食欲不振な老猫にもおすすめのチュール型
- おやつとしてもOK
ヤクシカ肉ふりかけ【屋久島の鹿肉で作ったペットのごちそう】25g(犬猫用)
屋久島で育ったヤクシカ肉のジャーキーをパウダー状にしたふりかけです。
商品の特徴はこちら。
- 屋久島で育ったヤクシカ肉を100%使用
- 保存料などの添加物を一切使用していない
- ふりかけなので与え方のバリエーション豊富
- 袋がジッパー付きなので保管はカンタン
おからと蝦夷鹿肉のヘルシー割チップス 30g(犬猫用)
おやつメインの商品。犬猫用で口のサイズに合わせて簡単に割ることができます。
商品の特徴はこちら。
- 高価な鹿肉商品の中ではお手頃の380円
- 国産のおからと国産エゾシカのみで作ったチップス
- 無添加、無着色、保存料不使用
- 味付けなしの素材本来の味
- 6か月以上の犬猫用
エゾシカ肉のフリーズドライ 30g(犬猫用)
お湯で戻せば、ボイルしたばかりのようなお肉にもなるフリーズドライの鹿肉です。
商品の特徴はこちら。
- 北海道産のエゾシカ肉100%
- 無添加、無着色、保存料不使用
- 犬猫用のおやつ向け
- 固形ですが手でくずせるのでトッピングにもOK
まとめ
肉食動物の猫は鹿肉を食べることができるという内容を解説しました。
しかし、生肉を与えるリスク、アレルギー体質の可能性があること。そして腎臓疾患のある猫は病気が悪化してしまうので与えてはいけないこと。この注意点には必ず気をつけてくださいね。
鹿肉には猫にとって良い栄養素がたくさん含まれていますので、注意点に気をつけて試してみてはいかがでしょうか?キャットフードやおやつタイプとさまざまな形状が販売されていますので、どんな鹿肉のフードがあるのか一度目を通してみるのもおすすめです。