クローブが猫に与える影響とは?危険な理由や現れる中毒症状について

クローブが猫に与える影響とは?危険な理由や現れる中毒症状について

この記事ではクローブが猫の健康に与える影響、どんな症状が出るのか、クローブを含む製品、クローブを摂取してしまった場合の対処法についてご紹介します。

猫にとってクローブは危険?

猫にとってクローブは危険

クローブは主に料理に使われるスパイスの一つです。

ピリッとした痺れるような辛味があるため、肉の臭み消しに使われることが多いようです。また、バニラのような甘い香りがあり、お菓子や飲み物の香り付けにも使われます。

そんなクローブですが、実は猫の健康に強い悪影響を与えるスパイスの一つです。そのため、猫のいる家庭でクローブを使用する場合は注意が必要です。

猫が健康で長生きしてくれることが飼い主にとって一番です。猫と長く楽しく暮らすために、今回の記事をきっかけに、ご自宅が猫にとって安全な環境かどうかをチェックしていただければと思います。

猫がクローブを避けるべき理由

スパイスのクローブは、原産地インドネシアにあるフトモモ科の高さ10mほどの常緑樹の開花直前の蕾を乾燥させたものです。

クローブそのものは非常に強い香りを持っており、その主成分は「オイゲノール」で、80~90%含まれています。

オイゲノールはフェノール類に分類され、抗菌・殺菌作用を持っていますが、肝臓への毒性、皮膚への刺激性があり、触るとアレルギー性皮膚炎反応を起こすことがあります。

解毒の能力が低い

 
もともと肉食動物である猫は、植物などに含まれる毒素を肝臓で無毒化する能力が低いのです。そのため、クローブなどのフェノール類に該当するものを少量でも経口摂取すると中毒症状を起こす可能性が高い。

香りに注意

クローブは強い香りを持っています。その香りには「オイゲノール」も含まれています。

また、猫の嗅覚は人間の20倍発達していると言われており、こちらもクローブの香りを嗅ぐと猫に害を及ぼす可能性があります。

接触に注意

クローブは皮膚刺激性があります。クローブに触れるとアレルギー反応を起こし、皮膚炎を起こす可能性があるので、できるだけ猫に近づけないようにしましょう。

猫が特に注意すべきクローブが含まれる製品

家の中にあるクローブが含まれる製品にはどんなものがあるでしょうか。今一度、身の回りのクローブを含む製品について見直してみましょう。

もし、家にクローブを含む製品があれば、猫が触れない場所に保管したり、猫から遠ざけたりしてください。

次にクローブが含まれている製品についてご紹介します。

クローブホール

クローブホール

クローブホールとは、クローブの蕾をそのまま乾燥させたものです。

リンゴに直接2~3個のクローブを刺して焼きリンゴの風味付けに使ったり、コンポートに使ったりします。また、ブロック肉に5〜6個のクローブを直接刺して、肉の臭み消しにも使われます。

クローブパウダー

クローブパウダー

クローブパウダーは、クローブを粉末状にしたものです。

肉に直接すり込んだり、ハンバーグやシチューに直接加えたり、クッキーやパイ、フルーツケーキ、紅茶などに混ぜて風味付けに使われます。

クローブ精油

クローブ精油

クローブ精油とは、水蒸気蒸留法で抽出したクローブのエッセンシャルオイルです。

水蒸気蒸留法で抽出されるため、「オイゲノール」という成分の濃度が高く、辛味も強くなります。精油は経口摂取しなくても経皮吸収される可能性があります。

特に、猫の表皮は人間よりも薄く、約0.1mm以下しかないため、人間よりも経皮吸収されやすいと言われています。

また、猫は毛づくろいで精油成分を舐めてしまう可能性が高いため、猫のいる家庭ではクローブ精油を使ったアロマディフューザーの使用は控えるようにしましょう。

混合調味料(ミックススパイス)

クローブは調味料の混合物としてよく使われます。

例えば、インド料理で使われるカレーの材料「ガラムマサラ」、中国のミックススパイス「ウーシャンフェン」、フランス料理で使われる「キャトルエピス」、イギリス料理で使われる「ピクルススパイス」などがあります。

これらのミックススパイスも、猫の手の届かない場所に保管しておきましょう。

虫除け

クローブの「オイゲノール」という成分は、ゴキブリなどの虫が嫌う臭いなので、虫除けとして使われることがあります。

作り方の一例としては、ティーパックにクローブホール50gを直接詰めてテープで止め、ゴキブリが通りそうな場所に置くと、ゴキブリを寄せ付けなくなるそうです。

ただし、中のクローブがいつ飛び出してくるかわからないので、猫のいる家庭でのクローブの虫除けは避けた方がよいでしょう。

猫よけスプレー

 
野良猫対策として、クローブ精油を配合した猫よけスプレーを作る人もいらっしゃるようです。使いすぎると猫が中毒になり、動物虐待につながる可能性があるので注意が必要です。

クローブを使った魔除け「ポマンダー」

クローブを使った魔除け「ポマンダー」

ヨーロッパでは、リンゴやオレンジにクローブの穴を刺して作る「魔除けの匂い玉」があるそうです。魔除けや病気予防、虫除けとして飾られたり、インテリアの一部として玄関に吊るされたりしているそうです。

ただし、注意点としては、クローブが落ちて猫の口に入ることがあるので、猫を飼っている人は飾らないほうがいいでしょう。

クローブ製品が引き起こす猫の危険な症状

クローブ製品が引き起こす猫の危険な症状

猫がクローブ製品に濃厚に接触すると、アレルギー反応により皮膚炎を起こすことがあります。特に危険なのは、クローブを経口摂取してしまった時です。

クローブを経口摂取した場合、激しい吐き気を催し、嘔吐に至ることがあります。また、激しい腹痛や下痢を引き起こすこともあります。

大量に摂取した場合、痙攣を起こしたり、意識を失ってぐったりすることもあります。クローブは過剰摂取すると死に至ることがあります。

もし猫がクローブを食べてしまい、体調が悪そうな場合は、すぐに動物病院に連れて行き、獣医師さんの診てもらうようにしましょう。

猫がクローブに触れたり食べてしまったりした時の対処法

猫がクローブに触れたり食べてしまったりした時の対処法

猫がクローブに触れた時は、クローブには皮膚刺激があり、アレルギー反応を起こすことがありますので、触れた箇所が分かる場合は、できるだけ水で洗い流すようにしましょう。

もし、すでに猫がクローブを食べてしまっている場合、クローブは少量でも猫の身体に悪影響を与えてしまいますので、どれだけの量を食べてしまったのかをすぐに確認して、獣医師に報告出来るようにしましょう。

また、食べた後にどのような症状が出ているのかについても確認しておく必要があります。

まとめ

今回は、クローブの猫の健康への悪影響についてご紹介しました。

クローブはスパイス料理に欠かせない香辛料ですが、猫にとっては毒性の強いスパイスなので、猫を飼っている家庭では徹底した管理をするか、なるべく使用しない環境にした方が良いでしょう。

また、虫除けなど料理以外の用途で使われるものもあるので、猫が誤って触ったり口にしたりしないよう、猫のそばには置かないようにしましょう。

クローブだけでなく、シナモンやナツメグなどの香辛料も、猫にとっては有害である可能性があり、大変危険です。

家の中でこれらの製品を使う場合は、猫が触ったり食べたりしないような場所に保管し、安全に暮らせる環境を整えて、猫との生活を楽しみましょう。

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