猫にパンをあげても大丈夫?食べることで起こる体への影響!

猫にパンをあげても大丈夫?食べることで起こる体への影響!

猫がパンを欲しがっていたら、飼い主はあげたくなってしまうと思います。しかし、猫にパンをあげることで、猫の体に様々な影響が出てしまいます。この記事ではパンを食べることによる猫への影響を書いていきます。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

猫にパンを与えてはいけない!

パンの横に寝転がる猫

飼い主がパンを食べていると、猫がパンを欲しがることがあるかもしれません。
なぜ、猫がパンを欲しがるのかというと、ただの興味本位かほんとうにパンが好きで食べたくて欲しがっているのかもしれません。

パンが好きな猫は珍しいですが、なぜいるのかというと、塩を一切入れないでつくる手作りパンなどを子猫の時から食べていて、パン好きになる猫がいるからです。

しかし、いくらパンに興味を示していたり、好んでいるからといって、猫にとって体にいいものでは無いので、パンを主食として大量に与えてはいけません。

また、人間が食べるパンは猫にとって有害な具材や体に悪影響を及ぼしかねない添加物が入っている可能性が高いため、人間が日頃食べているパンは猫に与えることはおすすめできません。

猫にパンがおすすめできない理由

食パンのかぶりものをする猫

猫は肉食動物なので、そもそもパンを食べる必要性が全くもってなく、パンを食べる事がなくても十分元気に生活できます。実際、猫がパンを食べても良いことは何一つなく、悪影響でしかないため、有害なもので間違いありません。

ここからは猫がもしパンを食べてしまった時に起こりうるであろう悪影響や日常的に避けるべき理由について具体的に書いていきます。

炭水化物の消化が苦手

猫は肉食の動物ということもあり、主に必要とされている栄養素はタンパク質なので、タンパク質の分解に長けた内臓の作りになっていて、消化酵素もタンパク質の分解に特化しています。

タンパク質の消化は得意な反面、炭水化物の消化はとても苦手としています。パンは炭水化物の塊なので、パンを食べると消化不良を起こす可能性が高く、下痢や便秘の原因になってしまいます。

イーストが猫にとって有害

パンを作る上でイーストというものが必須となります。猫が体内にイーストを取り入れてしまうと、お腹の中で膨らみガスを発生させたり、アルコールを生み出し、中毒症状を引き起こしてしまう可能性があります。

イーストは猫にとってとても危険なものなので、絶対に猫の体内に取り入れさせてはいけません。

キャットフードを食べなくなる

パンをあげる頻度が多いと、猫が本来食べるべきキャットフードを食べなくなり、パンなどの人間の食べているものを欲しがるようになります。キャットフードを食べなければ、猫にとって必要な栄養も取れず、体調不良を起こす可能性が高まるので、パンは基本与えずキャットフードを与えるようにしてください。

胃の限界を超え吐き出す可能性がある

パンは水をよく吸うので、猫がパンを食べたあとにもし、水を飲んでしまったらパンが胃の中で膨らんでしまい、胃へ大きな負担をかけてしまいます。また、膨らんだパンが胃の中で収まらないとそのまま吐き出してしまう可能性もあります。

パンに使われている材料が猫にとって危険!

並べられた菓子パン

人間が食べるパンには色々な種類があります。例えば、チョコなどが入った菓子パンや玉ねぎやベーコンなどがのっかった惣菜パンなど色々ありますが、基本的に人間が食べているパンはどれも猫にとっては有害で、与えてはいけないものになります。

パンの種類などで危険性なども変わってくるので、どのようなパンがより危険性が高いのかなどについて書いていきます。

菓子パンや惣菜パンに注意

人間がよく食べている菓子パンや惣菜パンは猫にとってとても危険な食べ物です。
なぜかというと、惣菜パンにはたまねぎやアボカドなど猫にとって有害な食べ物が多く含まれており、中毒症状を引き起こす可能性があります。

菓子パンも同じで菓子パンによく含まれるチョコレートやレーズンなどが腎臓の病気を引き起こしたり、成分が毒そのものという食べ物も入っているので絶対にあげてはいけません。

もし惣菜パンや菓子パンを食べてしまった時は、すぐに動物病院に行くことをおすすめします。

アレルギーを起こす可能性がある

パンは小麦から作られていますが、猫の中には小麦アレルギーを持つ猫もいます。
その小麦アレルギーを持つ猫がもしパンを少しでも食べてしまったら、

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 発熱
  • 体に痒み
  • 脱毛

といった症状が出てしまいます。

また、必ずしもこのような症状が出るとも限らないので猫の様子をよく見て異変がないか気を遣う必要があります。
小麦アレルギーがないにしても食べさせないことが無難なので猫にパンは与えないようにしてください。

生のパン生地は発酵する恐れがある

惣菜パンや菓子パンなどのパンを与えてはいけないという事を知ったうえで、それでもパンを与えたい人は自分で一からパンを作る人もいると思います。

一から作ると焼く前に生のパン生地が出来上がります。その生のパン生地を猫に盗み食いなどされてしまったら、猫の体温によって発酵が体内で始まってしまい、アルコールができ、エタノール中毒になります。

その後、胃の中でパンが膨らみ始め胃拡張を起こしたり、胃の中に収まりきらず全て吐き出してしまったりしてしまう可能性があります。

このような事態を避けるためにも生のパン生地は見張るか猫が絶対に届かない所に置いておくようにしましょう。

猫がパンを誤食するのを防ぐために

パンの材料とコック帽をかぶった子猫

猫が誤ってパンを食べてしまって、身に危険が及ぶような状態になってしまっては飼い主としては悔やんでも悔やみきれないと思います。そのような状態にならないためにも、飼い主は日頃から猫が誤食を絶対にしないようにする心がけや行動が大切です。

その、誤食を防ぐために飼い主が日頃からできる心がけや行動を書いていきます。

パンは猫が入れない場所のみに置く

猫は狭い隙間にも入ることができ、高いところにもジャンプして移動することができます。
しかし、その移動にも限度はあるので、自分の飼っている猫がどのくらいの高さなら届かないのかなど飼い主が理解してあげて、パンを絶対に食べられないように猫の届かないところに置いておくようにしてください。

パンを食べる時は食べ切るまで目を離さない

パンを食べていると猫が興味を持って近づいてくる時があると思います。
そこで、食べ切れればいいのですが、食べきらず置いておいたりすると興味を持っている猫がそのパンを食べてしまうかもしれません。

猫にパンを食べられないためにもパンを最後まで食べ切るか、食べきれない場合や食べるのを一旦やめるという場合は目が届き、すぐパンを守れるところに置くようにしてください。

食べたあとは掃除をする

パンを食べているとボロボロと床に落ちてしまうことがあると思います。
猫は床に落ちているものでも食べてしまう動物なので、ボロボロと床に落としたパンをそのままにしておくと猫が食べてしまうおそれがあります。

床に落ちたパンを食べられないためにも、パンを食べたあとはしっかりと掃除をするようにしてください。

猫がパンを食べてしまったときの対処法

食パンが合成された猫

猫がもしパンを食べてしまったとき、正しい対処法をすることで、猫の体への悪影響を最小限に抑えることができるかもしれません。また、正しい対処法をおこなったおかげで動物病院に連れて行ってあげてから迅速な処置に繋がる可能性もあります。

猫がパンを食べないようにすることが一番ですが、もし食べてしまったときのために、猫がパンを食べてしまった時の対処法について書いていきます。

パンの種類と食べた量を確認する

猫がもしパンを食べてしまったときは、まずは食べたパンの種類と食べた量を確認してください。食パンなどの具材が入っておらず、塩分が入ってないパンであれば少量食べた程度であれば問題ないことがほとんどです。

しかし、食パンなどの塩分がないパンであっても食べた量が多ければ消化不良を起こした場合、体調に異常がでると思うので、動物病院に行くことをおすすめします。

また、菓子パンや惣菜パンを食べてしまった場合は、塩分も多いですし、なんの具材を食べたのかも特定は難しいと思うので、すぐに動物病院で診察をしてもらうようにしてください。

猫の様子を見る

猫がパンを食べてしまったけど、なんのパンを食べたのかわからないときや、塩分のないパンを食べたことはわかっているけど、どのくらい食べたのかわからない場合は数時間程度猫の様子を注意深く見てあげてください。

数時間注意深く見た上で元気なら問題ないと思いますが、心配なら動物病院に行き、獣医師に相談することも良い対処法の一つです。

まとめ

バスケットに入ったパン

パンは猫にとって有害な食べ物であり、食べさせるメリットがほとんどないものです。
猫がパンを食べることにより、消化不良やアレルギーの症状が出たり、中毒症状が出てしまう可能性がとても高いので、基本的にはパンを食べさせないでください。

猫にパンを食べさせたことによってパンが好きになってしまったら、猫が本来食べるキャットフードなどを食べなくなり、ひたすらにパンなどの人間の食べ物を欲しがるようになるので、パンはあげず、キャットフードなど猫用の食べ物をあげるようにしてください。