猫は馬肉を食べても大丈夫!
猫に馬肉なんて与えて大丈夫?と思う飼い主さんも多いかと思いますが、猫は馬肉を食べても大丈夫です。実は馬肉は鶏肉や牛肉などに比べて豊富な栄養素が含まれていて、低カロリーでタンパク質も豊富で猫の身体にとても良い食べ物です。与え方の注意点などはありますが、まずはどんなところが身体に良いのでしょうか。
豊富な栄養素
馬肉にはタンパク質やカルシウムなど栄養素が豊富です。ですが馬肉は鶏肉や牛肉などのように、人間にとっても頻繁に食べるものではないため、その栄養価の高さはあまり知られていませんが、猫にも人間の身体にも健康を保つのに良い栄養素が沢山含まれています。また、低カロリーなので脂肪にもなりにくいです。そのため、太りにくく、ダイエット中の猫にもおすすめです。
おやつやトッピングとして最適
あまり知られていないかもしれませんが、馬肉を使った猫のおやつやフードのトッピングは多く販売されています。馬肉を使ったおやつやフードはネットなどの通販で販売されているものが多く、パウチのミンチのおやつや、フリーズドライのふりかけのようなものでフードにトッピングできるものが売られています。
馬肉を食べたことがない猫に急に馬肉を使ったものだけを与えると食べない可能性がありますが、フードにトッピングしたり、おやつとして少しづつ与えると食べやすくなりますのでおすすめです。
大腸菌が検出されにくい
人間が馬肉を食べる場合には、馬刺しで食べることが多いです。その理由のひとつには、馬肉には食中毒の原因となる大腸菌やサルモネラ菌などの細菌が検出されにくいため、生で食べることの危険性も低いためです。
鶏肉や牛肉、豚肉などにはそのような菌が付着していることがあるため、生で食べる際には注意する必要があります。なぜ馬肉には大腸菌などの細菌が検出されにくいかというと、馬は体温が40度近くあり、他の動物より体温が高いため細菌が発生しにくいためです。
ですが、生で与えるのが全く危険性がないわけではありませんので、気を付けましょう。大腸菌が検出されにくいということは、鶏肉や牛肉などを猫に与えるよりは、馬肉を与えるほうが食中毒の危険性は少なくて安心かもしれません。
馬肉に期待できる効果
馬肉はタンパク質やグリコーゲンなどの栄養素が豊富に含まれています。また、カロリーも低いため、猫が馬肉を食べることによる健康への効果がたくさんあります。猫にとってどんな良い効果があるのかご紹介します。
- 体の調子を整える
- 疲労回復や血糖値の調整
- 貧血の予防
体の調子を整える
馬肉にはタンパク質が多く含まれており、人間の身体を作る材料となるタンパク質は猫にとっても身体を作るうえでも大事で、猫の身体を整える効果があります。タンパク質は多数のアミノ酸が集まってできる集合体です。タンパク質は分解されるとアミノ酸となり小腸で吸収され、身体の中でエネルギーとなり、猫の身体を整える大事な栄養源となります。
疲労回復や血糖値の調整
馬肉にはグリコーゲンというブドウ糖が繋がってできた糖類が含まれています。グリコーゲンは主に肝臓や筋肉で合成され、血糖値が下がってくるとブドウ糖に変化し、猫が走ったり動いたりするために必要なエネルギー源となります。グリコーゲンは猫が活動する際のエネルギー源として必要不可欠な栄養素で、疲労回復効果や血糖値を調整する効果があります。
人間は血糖値が下がると集中力が落ちたり、体力が下がったりということがありますが、猫も同様に血糖値が下がると疲れやすくなったりするため、積極的に摂取すべきとても身体には必要な栄養素になります。
貧血の予防
馬肉には鉄分も多く含まれています。猫も鉄分が不足すると貧血になることもありますので、貧血予防のためにとても大事な栄養素になります。猫の餌で鉄分が含まれているものもありますが、市販のドライフードなどの餌からだけだと不足しがちですので、鉄分補給のためにも馬肉はおすすめです。
猫に馬肉を与えていい量は?
馬肉にはたくさんの栄養素が含まれていますが、たくさんの量を与えていいわけではありません。馬肉は嗜好性が高いため、毎日与えたり、主食として与えてしまうと、その美味しい味を覚えてしまい、市販の食事やいつも食べていた食事を食べなくなってしまう可能性があります。
馬肉を与えるとしてもたまに与える程度にしないと、栄養も偏ります。与え方やレシピとしては、通販などでおやつも売っていますし、通常の食事にトッピングできるようなものがありますので、通常の食事に少し追加で与えるぐらいが猫の健康に良いです。
また、子猫や老猫には馬肉を与えることのリスクもありますので、基本的には与えることはおすすめしません。子猫はまだ消化器官も未発達ですので、少しの量だとしても消化できずに体調を崩してしまう可能性があります。老猫も歳を取るにつれて消化器官も弱ってきますし、病気を抱えることも多くなってきますので、無理に与えないほうが良いです。
成猫であれば、病気等なく健康であれば、目安としてスプーン1杯分ぐらいをたまに与えることをおすすめします。ですが、最初からスプーン1杯を与えずに、少しづつ与えて、少しづつ増やしていくようにしましょう。
猫に馬肉を与えるときの注意点
馬肉は他の鶏肉や牛肉よりも食中毒などの危険性は少ないですが、だからと言って生で与えることをおすすめするわけではありません。また、アレルギーや病気持ちの猫には危険がありますので、与える際には注意が必要です。
- 加熱用の馬肉は生で与えるのは危険
- アレルギーを持っている可能性もあるため、少量で様子を見る
- 腎臓に疾患を抱えていると悪化する可能性もある
- 栄養が偏る可能性がある
加熱用の馬肉は生で与えるのは危険
加熱用で売っているということは、生で食べることを目的としておらず、加熱することを前提としているため、加熱用の馬肉は生で与えないようにしましょう。大腸菌などの細菌が検出されにくいといっても、生の馬肉はやはり危険です。
また、生の馬肉には寄生虫がいる場合があり、この寄生虫は馬肉を冷凍することで死滅するため、もし生で与える場合には、冷凍したものを生で与えるようにしましょう。
生で与えるのが心配な場合は、しっかり加熱するようにしましょう。新鮮ではない生の馬肉を食べた場合は食中毒になる可能性があり、食中毒になった場合は嘔吐や下痢などを起こし、脱水症状になり命の危険もあります。猫が苦しむことになりますので、生で与える際には注意しましょう。
アレルギーを持っている可能性もあるため、少量で様子を見る
猫も人間と同じで食物アレルギーがあります。食物アレルギーは一度その食べ物を食べてみないと判明しない場合も多いです。そのため、馬肉アレルギーだった場合に、わからずに最初から多めの量を与えてしまい、酷いアレルギー症状が出てしまう可能性があります。
初めて与える場合には、最初は少量を与えて様子を見るようにしましょう。しばらく様子をみて特に問題がなければ量を増やしてみてもいいでしょう。
アレルギーだった場合の症状としては、皮膚の痒みや脱毛、下痢や嘔吐などの症状が出てきます。猫の様子をしっかりと見て、アレルギーのような症状が出たら与えるのはすぐにやめて、獣医師さんに診てもらいましょう。
腎臓に疾患を抱えていると悪化する可能性もある
猫は腎不全を患う子が多いです。腎臓の疾患を抱えている場合には、悪化しないように食事を改善することが効果的です。その場合の食事改善としては、タンパク質や塩分が少ない食事に改善します。
猫は腎臓の病気になると、普通は腎臓から老廃物が捨てられるのが、老廃物である尿毒素が捨てられず、どんどん身体に溜まってしまい体に悪影響を与えます。
馬肉に多く含まれるタンパク質は通常は健康にとてもいいですが、尿毒素が発生したあと、腎臓病の猫は尿毒素を体内から捨てることができなくなってしまうため、腎臓の疾患がある場合には与えないほうが良いです。
ですが、タンパク質は猫にとって必要な栄養素ではありますので、腎臓疾患のある猫は療法食などで必要なタンパク質を摂取するようにしましょう。
栄養が偏る可能性がある
馬肉には多くの栄養素が含まれていますが、タンパク質や鉄分などが多く含まれているため、馬肉を与えすぎるとタンパク質などの栄養を取り過ぎて、ほかの栄養素が足りなくなってしまうことがあります。
そのため、馬肉だけを与えるというのは健康として良くないので、通常のフードを与えつつ、たまにご褒美として与えるような形が猫の健康にとっても良いでしょう。
まとめ
馬肉には栄養素がたっぷり含まれており、猫に食べさせてあげるのは健康にとても良いです。ですが、与える量や与え方、アレルギーがある場合など注意しなければならないことも多いです。アレルギーだった場合や食中毒になってしまった場合は、愛猫にとってはとても辛いものですので、飼い主さん自身がしっかりと馬肉を与える際の知識を身につけましょう。
馬肉を与えるのに少し心配だなと思う場合には、おやつやふりかけのようなものも販売されていますので、猫が少し楽しむ程度にあげるのをおすすめします。馬肉は猫にとって必要なタンパク質や鉄分が豊富ですので、猫の健康維持のために与えてみてもいいかもしれませんね。