1.旅行等で帰ってこない
まずは、飼い主さんの外泊です。1泊ならなんとか過ごせても、2日目3日目辺りからだんだん絶望感に襲われて、捨てられたのかと思うようになるようです。
もちろん、どんな猫でも、飼い主さんが何日も戻らなければ不安になるもの。しかし、そこまで気分消沈してしまうのは、普段から飼い主さんの外出に慣れておらず、結びつきが濃い猫に多いようです。
2.初めての入院・お泊まり
初めてペットホテルや動物病院で過ごすときも同じです。ホテルも子猫のときから慣れていれば、「嫌だ」とは思っても、決して「捨てられた」とは思わないものです。
ただ、猫も飼い主もどうしようもないのが病気や検査の入院です。できれば、普段から病院と親しんでいるしかありません。預ける方も安心ですし、猫も知っているスタッフがいれば、少しは気が休まるのではないでしょうか。
3.入院のお見舞い
これは私の実体験ですが、最初のお見舞いの帰り際、「連れて帰らないのか」と絶望的な顔をされました。また、逆の経験もありました。ケージの中で真っ暗な顔をしていた猫が、私の顔を見た瞬間、ぱあっと明るい表情を見せたのです。
結局、帰るときにまたがっかりされたのですが、この猫の場合は毎日お見舞いに行くことで、なんとか「捨てられた感」を払拭することができました。
4.飼い主が何度も変わる
猫を飼っていると、2匹目の受入れや、飼い主さんの家庭環境の変化(病気や死去、被災など)が原因で、猫を手放さなければならないことがあります。そして、それが偶然に続いてしまうと、猫はまた別の所へ連れて行かれるのではないかと不安になり、自分のいる環境を信じられなくなります。
つながりかけた絆が何度も切れるのは、人でもかなり辛いこと。そういう経験をした猫は、極端によそよそしいか不安分離症的な甘えん坊になり、新しい飼い主さんを手こずらせることが多いようです。
まとめ
旅行に興味のない飼い主さんでも、病気や怪我で入院することはあり得ます。また、猫が長生きをすれば、病気で入院する可能性がいくらでも出てきます。そのとき、猫が大きな不安を感じるのはごく自然な感情です。しかし、いきなり大きなショックを受けさせるより、できれば準備をしてあげたい。
「必ず帰る」「迎えに来るよ」と、言葉ではなく何度も疑似体験を通して伝え、「捨てられた」などと誤解させないようにするのです。この方法は、分離不安症の治療にも使われます。猫が寂しがるから、と飼い主さんが家にこもりがちになるのが1番よくありませんので、気をつけてくださいね。