猫に魚の骨が刺さったらどうする?対処法や予防策など

猫に魚の骨が刺さったらどうする?対処法や予防策など

猫の喉に魚の骨が刺さってしまって困った経験はありませんか?猫に魚をあげたときに骨がちゃんと抜かれていないと、喉にささってしまうこともあるかもしれません。今回は、猫に魚の骨が刺さったときの対処法をはじめとした危険性、予防策、魚の骨に関する知識など詳しくお伝えします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫に魚の骨が刺さったときの危険性

お皿の上の生魚を見て舌なめずりをする猫

猫に魚の骨が刺さると、猫の喉や食道などが傷ついてしまい大変危険です。痛みも伴うため、猫の様子が突然変わることに驚く飼い主さんも多いようです。

猫に魚を与えること自体に問題はありませんが、魚の骨はしっかりと取り除いてから与えるようにしましょう。特に鯛の骨には注意が必要です。

鯛は猫に与えてもよい魚ですが、鯛の骨は硬く鋭い骨が多いので、喉に刺さりやすく、胃まで飲み込めたとしても消化しきれない場合があります。体調不良の原因にもなるので、必ず骨を取り除いてから与えましょう。

ちなみに、本来小動物などを捕食する肉食動物である猫に「魚好き」であるイメージを抱くようになった理由は、日本人が古来から魚を好んで食べており、魚好きな日本人が猫に魚をあげるようになったため、そのような印象がついてしまったのではないかと言われています。

猫に魚の骨が刺さったときの対処法

病院で診察を受ける茶トラ猫

応急処置をする

猫の喉に魚の骨が刺さったとき、まずは飼い主さんができる応急処置を施しましょう。最初に口の中を確認します。次に猫の手足や体を保定し、仰向けにして頭を押さえ口を開かせます。

骨が喉に刺さってる場合は、ピンセットで引き抜きましょう。猫を保定する人と、骨をとる人の2人で行うことが望ましいです。

喉に骨が刺さったことで猫もパニックを起こしているかもしれません。無理に取ろうとすると危険なこともありますので、絶対に無理をしないように注意してください。

動物病院に連れていく

喉の奥や食道などの目視で確認できないところに刺さっている場合もあります。飼い主さんの力で解消できないと判断した場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。

骨が刺さった場合は、見えている場合は除去することが可能ですが、深く刺さり目視できない場合は除去が難しくなります。自力で除去しようとせず、まず動物病院を受診することをお勧めします。

猫に魚の骨が刺さったときの症状

口を開けて嘔吐しそうな猫の顔
  • 口を閉じることができない
  • よだれを垂らしている
  • 口のまわりを引っかくような動きをしている
  • 嘔吐

魚を与えた後はしばらく猫の様子をしっかり見て、このような症状がないか観察しましょう。痛むような仕草や普段と違う様子を見せるときは、口の中に骨が刺さっていないか確認し、動物病院で診察してもらうことをおすすめします。

猫に魚の骨が刺さらないようにする予防策

お皿からご飯を食べる猫

猫に魚を与える場合、必ず骨を取り除いてからあげましょう。生魚はチアミナーゼという猫にとって大切なビタミンB1を破壊する成分が含まれている場合があるので、生で与えてはいけません。他に、寄生虫の心配があるので加熱してからあげるようにすると安心ですね。

焼き魚など魚を加熱することで骨は取れやすくなります。小さな骨などが残っている可能性もあるので、飼い主さんの目でしっかりと確認してから与えるようにしてください。

醤油や塩などの味付けはせず、過剰に与えることも避けましょう。マグロやアジ、サバなどの青魚類は臭いが強く猫も好んで食べますが、食べ過ぎると黄色脂肪症になることもあるので、白身魚を中心に与えるとよいでしょう。

猫が魚の骨から得られる栄養

魚の骨

カルシウム

カルシウムは魚の骨に含まれ、猫にとっても大切な栄養素のひとつです。主に骨や歯の形成の役割を果たし、成猫で1日150mgの摂取が理想とされています。

煮干しやアジ、イワシなどに豊富に含まれています。煮干しは湯通しして塩分を抜いてから、アジやイワシは加熱して骨を取り除いてから、キャットフードにトッピングするなど工夫して与えましょう。

コラーゲン

魚の骨を食べることによりコラーゲンも摂取することができます。猫の腸の炎症抑制や認知機能の改善、皮膚の弾力性アップに効果があるという報告があります。グルコサミンと同様に関節の保護作用の働きもあるため、老猫になったら積極的に摂取させたい栄養成分のひとつです。

魚の骨が原料のおやつを与える

飼い主からオヤツをもらっている猫

安全に魚の骨の栄養を得るためには、魚の骨が原料のおやつを与えることがおすすめです。魚の骨には、猫の健康に良い栄養素が豊富に含まれています。

魚の骨が刺さる危険性のない食べやすく加工された魚の骨のおやつを与えることで、手軽に栄養を摂取しましょう。

国産 圧力鍋で煮た鮭の骨 50g

国産 圧力鍋で煮た鮭の骨 50g
208円(税込)

国産の鮭の骨を新鮮なうちに圧力鍋で煮て乾燥させたペット用のおやつです。猫に与える場合は細かくちぎってあげましょう。

魚の骨は十分に乾燥してあるので、噛む力の弱い猫にも安心して与えることができます。生後6カ月未満の子猫が魚の骨を食べたら消化不良をおこしやすくなるそうなのでので、量は控えるようにしててください。

ドギーマンハヤシ 魚屋さんおじゃこ 40g

ドギーマンハヤシ 魚屋さんおじゃこ 40g
214円(税込)

猫でも食べやすい大きさの天然の小魚を燻製にして、そのままパック詰めした無添加のおやつです。骨ごと食べることができ、カルシウムなどの栄養素を気軽に取り入れることができます。生後2カ月以上の幼猫は2匹~3匹、成猫は3匹~5匹を1日の目安として与えましょう。

にゃんこの日替わりレシピ

木村商事 にゃんこの日替わりレシピ ひとくちいりこ 4g×4連
458円(税込)

1包4gの食べきりパックが4連ついた猫用の骨まで丸ごと食べることができる小魚のおやつです。

塩分をカットしたちりめんじゃこと細切カニカマを合わせたおやつ、食べやすいサイズで厳選したひとくちいりこのおやつ、2種類があり猫の好みで選ぶことができます。食べきりパックなので、1日の量も管理しやすく与えすぎ防止にもなります。

まとめ

黒板に書かれた魚の絵を見つめる子猫

魚そのものは猫の健康に良い影響もありますが、魚の骨が猫の喉に刺さってしまうと飼い主さんも困惑してしまいますよね。迅速な応急処置や動物病院での診察など、適切な行動を速やかに取ることで、軽症で済むこともあります。

魚の骨には猫が摂取すると良い栄養素も多く含まれています。キャットフードやおやつなどでうまく取り入れながら、猫が健康的に過ごせるようにしてあげましょう。

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