猫風邪の治療費はいくらかかる?
内訳 | 治療費 | |
---|---|---|
診察料 | 初診料:約1300円 | 再診料:約700円 |
注射代 | インターフェロン:約2000円 | 抗生剤:約1400円 |
皮下点滴 | 2500~3000円 | |
内服代 | 約1000円 | |
点眼薬 | 約1000~1500円 |
猫が鼻水やくしゃみ、口内炎や結膜炎などの猫風邪にかかった場合、動物病院で受診した際にかかる治療費はどれくらいなのか気になると思います。しかし動物病院によって猫風邪の診察、治療にかかる治療費はそれぞれ異なります。それは治療費に関することが動物病院で全国で統一されていないためなので、平均的な治療費を元に、猫が猫風邪で動物病院に受診した際にかかる治療費を詳細ごとにまとめてみました。
診察料
猫が猫風邪にかかって動物病院に来院する際にかかる治療費は、初診料および診察料です。おおよその平均的な初診料は約1300円です。また再診の場合の再診料は約700円が多いようです。診察料は診察内容によって治療費が異なります。
注射代
猫風邪の原因は猫ヘルペスウイルスや猫カリシウイルス、クラミジアなどの病原体で、1度でも感染すると猫の体内にウイルスが残ってしまいます。そのため猫風邪を発症すると症状が慢性化しやすく、ウイルスを抑制するインターフェロンの投与を行います。一般的なインターフェロンの投与にかかる治療費は約2000円です。インターフェロンの投与によってウイルスを抑制することはできます。
しかし猫風邪に感染している猫は体力や免疫力が低下しているので、細菌などにより2次感染をおこす場合があり、細菌増殖を抑える抗生剤の投与も一緒に行うことがあります。抗生剤の投与にかかる治療費は平均で約1400円かかります。
皮下点滴
猫風邪で口内炎の症状がひどく、猫の口腔内全体が炎症がおこり食欲不振が続き、ご飯をほとんど食べていない場合は皮下点滴を行う場合があります。また水も全然飲んでいないと脱水していることもあるため、脱水している場合も皮下点滴を行います。1回の皮下点滴での治療費はおよそ2500~3000円かかります。
内服代
注射や皮下点滴の効果は1日程度しかもちません。猫が猫風邪の症状が落ち着くまでは抗生物質の薬を飲ませる必要があります。ですが猫風邪の度合いや猫の体調の状態が悪く、食欲不振でほとんどご飯を食べていない場合は、薬を飲ませることが難しいため、その時は注射で治療を行うことがあります。
猫風邪にかかって、比較的症状が軽症で食欲が落ちていない場合は、薬による内科療法を行います。およそ1週間分の内服代でかかる治療費は約1000円です。
点眼薬
猫風邪で結膜炎の症状がある場合は、抗生剤の目薬を点眼する必要があります。その場合、目薬を処方する際にかかる治療費は平均的に約1000~1500円かかります。
猫が風邪をひいた時の症状
鼻の症状
猫風邪をおこす病原体によって症状やその度合いが異なってきますが、どの猫も猫風邪を発症すると鼻水がよく出やすく何回もくしゃみをします。初期症状の場合は鼻水の色が透明でサラサラしていますが、後に細菌感染すると、鼻水の色が黄色や黄緑色に変わりドロッとした粘液状になります。猫風邪による鼻の症状は慢性化しやすいため、鼻づまりをおこしやすいです。
粘膜の症状
猫風邪をおこす原因である猫カリシウイルスに感染した場合、口内炎を発症することもあります。猫の歯肉や粘膜などが赤くただれ潰瘍化することもあり、それが局所や口腔内全体で発症し炎症をおこします。そして激しい痛みを伴います。そのため猫は口腔内の痛みでご飯を食べることができず、食欲低下をおこし口から大量のヨダレが出てきます。
眼の症状
また猫は風邪をひいたときに目に影響が出ることがあります。猫風邪をひいたときに細菌感染やウイルス感染を起こすと、結膜炎も発症することがあります。目ヤニや涙の量が多くなり、結膜の腫れがひどいと眼が開きにくいこともみられます。
猫風邪は
猫風邪の原因であるウイルスにもよりますが、1度でも感染するとウイルスが猫の体の中で残ってしまうので、症状が改善しても免疫力が低下した際に、再び症状が現れてくることがあります。
猫風邪は感染している猫と接触することでうつるので、特に体が弱い子猫や外に出る機会がある猫、元野良猫、ワクチン未接種の猫などが感染しやすいです。
猫風邪は自然治癒する?病院に連れていく判断基準
治療費のことがふと気になってしまい猫風邪の症状が軽症なら、動物病院に行かなくても自然に治癒すると多くの方が思いがちですが、猫風邪は慢性化しやすいため肺炎や気管支炎など重症化することがあります。特に子猫は体力や免疫力がなく、少しの症状でも悪化しやすく一気に衰弱してしまい場合によっては死ぬことがあるため、治療費はかかってしまうのですが、早めに動物病院を受診しましょう。猫風邪は自然治癒することはとても厳しいです。
多頭飼いの場合は
また猫風邪は感染率が高いので多頭飼いしている場合、猫風邪に感染している猫が1匹でもいる場合は同居の猫全てにうつる可能性があります。猫風邪は症状が慢性化する傾向があるので、なかなか治りにくい感染症でもあります。猫風邪の症状のある猫は早めに動物病院に連れて行き、他の猫たちへの感染を予防する為に隔離をすることも必要となります。
猫風邪の治療の方法
投薬
猫風邪でよくみられる鼻水やクシャミなどの症状の場合は、猫風邪の原因である猫ヘルペスウイルスや、猫カリシウイルスなどの、ウイルスを抑えるインターフェロンの投与を行います。インターフェロンの投与でウイルスの増殖を抑制することができますが、猫風邪を発症している猫は免疫力が下がっているので、細菌などによる二次感染をおこしやすいため、抗生物質の投与も併用に行い細菌の増殖を抑制します。
注射・点滴
元気喪失や食欲不振で猫の状態が悪く、脱水をおこしている場合は注射や点滴治療を行うことがあります。注射や点滴治療は1日しか効果がもたないため、猫の状態が良くなるまでは毎日通院する必要があります。猫風邪が軽症で、注射や点滴治療で猫の状態が改善して食欲が戻ってきた場合は、抗生物質の薬を服用します。
目薬
猫が猫風邪にかかり結膜炎の症状により、眼の腫れや眼ヤニ、涙の量が多くて眼が開きにくいなどの症状がある場合は、抗生剤や非ステロイド性抗炎症薬が入っている目薬を点眼します。猫風邪による結膜炎は症状が続きやすく慢性化しやすいため、その場合はインターフェロンが入った目薬を使います。また鼻づまりの症状がひどい場合は、点鼻薬を使うことがあります。
猫が風邪をひいたら?お家での過ごし方
猫風邪にかかると、一旦症状が落ち着いてもウイルスが体内に残ってしまうので、状態が改善するまでは、お家で安静にさせる必要があり、常に猫の状態がみえるように側にいてあげましょう。猫風邪は他の猫にうつりやすいので、多頭飼いの場合は、他の猫と接触させないように隔離させると感染リスクを減らすことができます。多頭飼いの場合多くの猫に感染してしまうと、その分治療費もかかってしまうので、リスクはなるべく減らすようにしましょう。
室温の管理も必要
猫の平熱は人よりも2~3度ほど高く、室温は26~28度が適切で過ごしやすいため部屋の温度に注意しましょう。部屋の温度が低く、猫の体温が下がってしまうと、免疫力が上がらず状態が悪くなってしまうので、直接猫の体を触り体温が低くなっていないか確認することも大事です。猫の状態によっては発熱をおこすこともありますので、明らかに猫の体が熱いと感じた場合は、治療費はかかるのですが早急に動物病院に受診しましょう。
ケアも大切
猫は鼻で呼吸をするので、猫風邪で鼻水により鼻が塞がってしまうと、呼吸ができなくて息苦しくなってしまうので、濡らしたコットンで優しく綺麗に拭いてあげます。鼻づまりの症状がある場合は、拭いたあとに点鼻薬を使うと効果的です。鼻水だけではなく、目ヤニや涙の量も多くなり、場合によっては眼が開きにくくなることもあるので、眼もコットンで綺麗に目ヤニや眼から溢れた涙を拭いてあげましょう。
食事の選び方・与え方
猫風邪で鼻づまりの症状がひどいと食欲不振になりやすくなるので、いつもと比べて食事量が減っていないか、食欲があるかどうか注意します。食欲がなくご飯を食べていない場合は、少しでも食べてくれるように食事の補助をします。
ドライフードよりも、柔らかいウェットフードやペースト状の缶詰にして、シリンジで猫にあたえます。フードも人肌程度に温めてからあげましょう。猫の真正面からシリンジを向けてしまうと嫌がってしまうので、横(犬歯横)から猫の舌の動きに合わせて少しずつあたえてあげます。
食事だけではなく水も飲まなくなる傾向があり脱水症状をおこすことがあるので、その場合もシリンジで少しずつ水を飲ませてあげましょう。
まとめ
猫風邪で動物病院にかかる際の治療費についてお話させていただきました。治療費は全国で統一されていないため、いくらかかるのかが気になるところではありますが、猫風邪の症状や、その度合いによって治療費は異なってきます。
治療費が気になってしまい猫風邪の症状が軽症なら、動物病院に行かなくても自然に治癒すると思いがちですが、猫風邪は一度でも発症をおこすと、原因であるウイルスなどが猫の体内に残ってしまうため、状態が一旦良くなっても猫の免疫力が低下した時に再び症状が現れてきます。治療費は気になりますが愛猫のためにも動物病院の受診をおすすめします。
動物病院によって治療費がそれぞれ異なっていますが、最近では治療費などホームページに記載している動物病院もあるため、金銭トラブルにならないために事前に確認しましょう。
30代 女性 しおり
たいてい、血液検査と点滴、注射と内服薬を貰って帰っていました。
保険を使っていましたので、大金を払わずにすみましたが保険に入っていなかったら大変な額になりますね。しかも、実家の猫ちゃんのように、しょっちゅう猫風邪を引く場合は治療費がかかりますね。そのために、治療費を貯金していました。くしゃみや鼻水が出たらすぐに獣医師に診ていただいて治療をしていただいた結果10年生きてくれました。子猫の頃に母乳が飲めず、泥水しか飲めていなかった可哀想な猫ちゃんでしたので、頑張って生きてくれてとても、感謝しています。