子猫に回虫がいる時の症状
発育不良
猫が栄養を摂取する臓器である腸管内に寄生している回虫は、猫の食べた物を主に栄養源として成長しています。
子猫が食事をちゃんと食べているのに発育が悪い時は回虫によって栄養を横取りされていたり、消化吸収に支障をきたしているために発育不良の症状が出ることがあります。子猫の毛艶が悪い時も回虫によって栄養摂取ができない事が原因かもしれません。
消化不良、腸炎や下痢
猫の体内にいる回虫はその他の内部寄生虫と違い大型です。その回虫の大きさのために子猫の腸の粘膜を傷つけ腸炎を引き起こしたり、子猫の腸に詰まってしまい消化不良を引き起こしたりします。消化不良からの下痢、腸炎からの血便が出てしまうことがあります。
消化管の中からの出血で血便が出た場合は鮮血ではなく黒っぽい便です。肛門間近の腸でしたら鮮血が便に付いていることや、猫砂に鮮血の付着が見られます。透明のゼリー状の物が子猫の便に付着している場合も腸炎性です。
嘔吐
猫は割に吐く事が多い動物なのはご存知だと思います。食べ過ぎで吐く、空腹過ぎて吐く、毛玉を吐くなどと同じように回虫を吐き出す事があります。子猫が回虫を吐き出した場合は袋に入れて病院を受診しましょう。
出血
少ない回虫でしたら危険な症状は出にくのですが多くの回虫が子猫の体内に寄生してしまうと消化不良や下痢だけではなく出血も見られるようになります。出血が多くなると猫の身体が貧血になってしまう危険があります。子猫にとって多数の回虫が寄生することは重大な病を引き起こす割合が高くなります。
子猫に回虫がいる時の対処法
病院で検便を行う
子猫の便中に回虫の卵があれば検便ですぐに判明します。病院によって金額は違いますが1500円前後の検査費用で検便を行えます。
駆虫薬を飲ませる
一度回虫が寄生すれば自然に治癒はできません。子猫の体内に回虫が発見されれば駆除薬が処方されます。一度で駆除ができなかった場合はもう一度検便を行い、多くても二回の駆除薬を飲むと完治できるようです。
駆除薬で子猫が下痢をしてしまう事がありますが、その場合は下痢止めも処方されます。子猫の回虫の完全駆除は長くても二か月はかからないでしょう。
その後はレボリューションなどの塗布薬で予防を行います。塗布薬は病院で処方されます。病院での処方の場合は獣医師に塗布をお願いできますので子猫の負担は少ないでしょう。
トイレをまめに掃除する
回虫の卵がうんちに入っていますのでうんちを子猫がするたびに掃除を行いましょう。便中の卵が回虫としての感染能力を持つまでには数週間かかりますので便を密閉し処理します。
通常猫砂を取り替える頻度が2週間くらいの場合は、長くても一週間、もしくは5日くらいで全猫砂を取り替えるようにして回虫の二次発生を防ぎましょう。
同居猫がいる時は隔離をする
回虫に感染している子猫以外に同居猫がいる場合は回虫のいる子猫を他の猫から隔離をしておきます。
完治するのに二か月ほどかかりますので難しい場合は、子猫のうんちスペースを他の猫と離して回虫が同居の猫にうつらないようにします。先住猫がいる所に、回虫が寄生している新入りの子猫がきた場合は治療をしてから同居させる方が良いでしょう。
寄生虫が確認できていない猫も念のために駆虫することをお勧めします。
うんちを触ったら手洗い、消毒をする
人間が子猫の回虫の卵を誤って飲み込んでしまうと、人間の体内で回虫が様々な悪さをするようです。しかし手洗いと消毒をしっかり行うことにより感染率は大幅に低下します。
子猫に回虫がいる原因
回虫の卵を子猫が食べた
猫が回虫に感染する場合は、落ちている回虫の卵を食べてしまう事が多いそうです。野良猫ですと溜まった水を飲んでも回虫の卵に遭遇する確率が高いようです。子猫はとても好奇心が旺盛ですので、回虫の卵と分からず何でも口に含みやすい事も原因でしょう。
母猫から子猫へ感染
元々、母猫の臓器に回虫が寄生していれば胎盤感染をします。そして回虫の幼虫が母乳の中に入り込み子猫の身体の中へ移動して感染することもあります。
回虫の幼虫を持つ動物を摂食した
回虫の幼虫が体内にいるネズミや鳥などを子猫が食べても感染します。特に完全室内飼いではない子猫の場合は回虫の卵に遭いやすいでしょう。
まとめ
子猫に回虫がいる時の症状、対処法についてお話をさせていただきました。子猫の内部寄生虫が便から出ていても吐いた中にあっても、絶対にびっくりしますよね。
保護猫や野良猫を家族に迎える場合は、回虫の出現は覚悟したほうがよいかもしれません。しかし、早期に発見できれば子猫の身体に負担がなく治療もできますのでご安心くださいね。