猫の風邪薬について解説! 種類や飲ませ方、注意点まで

猫の風邪薬について解説! 種類や飲ませ方、注意点まで

鼻水やクシャミなど猫風邪を発症した場合は薬を処方し治療をおこないます。一般的に猫風邪のときにどのような薬を飲ませる必要があるのでしょうか?また「人用の風邪薬や市販で販売されている動物用サプリメントを飲ませてもいいの?」とよく聞かれることから、今回は猫に薬を服用する際の注意点や上手に薬を飲ませる方法についてお話しします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の風邪薬の種類

風邪の薬と猫

猫風邪は体力がない子猫やワクチン接種を受けておらず免疫力が低下した猫に発症しやすい感染症です。原因としては猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、クラミジアの3つがあげられます。しかし猫風邪の原因がどの病原体なのか判断することが非常に難しいです。そのため猫に処方する風邪薬の種類はこの3つの病原体に対応する治療法になります。

抗ウイルス薬

猫の体内に侵入したウイルスの増殖を抑えたり、不活化する効果があり猫風邪の原因でもあるヘルペスウイルスに効果のある薬といわれています。猫の抗ウイルス薬にはウイルスに効果があるだけではなく細菌の増殖を抑える働きもあります。

抗生物質

猫の体内に侵入した細菌の増殖を抑制し退治する効果がある薬です。しかし猫ヘルペスウイルスやカリシウイルスのようなウイルスには抗生物質は効かないです。猫に抗ウイルス薬だけ処方した場合、ウイルスの退治はできますが免疫力が低下するため細菌による二次感染がおこりやすいことから、抗生物質も服用する方がよいでしょう。

猫風邪の原因に含まれている猫ヘルペスウイルスに感染すると完治することができず、ストレスや免疫力の低下時に再び症状が現れてしまうためインターフェロンと併用して治療することが多いです。猫のインターフェロンはウイルスに感染した際に体内の細胞からつくられるタンパク質の一つで、ウイルスを攻撃したり増殖を抑えることができます。

猫に風邪薬を飲ませる時の注意点

風邪の薬を飲んでいる猫

猫をはじめ動物に薬を処方するときはその子の体重から薬用量を計算し決めています。その理由は猫といっても体格が小さい子もいればノルウェージャンフォレストキャットなど体格が大きい子もいるので適切な薬の量が変わってくるからです。そのため猫に薬を服用する際に飼い主さんに守ってもらうことがいくつかあります。

指示された服用回数を守る

猫に風邪の薬を飲ませる際に必ず「1日1回」や「1日2回」など服用回数や1回に飲ませる薬の量も決まっています。そのため服用回数が少なかったりした場合は猫風邪の症状が続いたり悪化する恐れがあり、逆に多く服用してしまった場合には猫に薬による副作用が出てしまいます。猫の抗生物質は体内の細菌の増殖を抑えるため、指示された量より多く飲んでしまうと腸内細菌のバランスが崩れてしまい、大事な善玉菌も消えてしまうため下痢をおこしてしまいます。

犬に処方された薬を服用してはいけません

多種多様な細菌があるため、それぞれに対応する抗生物質の性質に違いがあり複数の系統に分けられています。また抗生物質の中に人工的に合体させてつくられた合成抗菌薬があり犬によく使われるバイトリルなどのニューキノロン系の抗生物質を猫に服用させてしまうと目の網膜変性を起こして最悪の場合、猫が失明することがあります。

猫の食道は犬と比べて食道通過時間が長いです。そのため猫に薬を飲ませる時に水も飲ませないと食道炎をおこしやすいです。特に猫に副作用がでやすいビブラマイシンなどのドキシサイクリン系の抗生物質は気をつける必要があります。

必ず薬を全て飲みきる

ほとんどの方が猫に薬を服用し症状が落ち着いてきたら「もう大丈夫」と思い、薬を全て飲み切らずに勝手に止めてしまうことが多いです。猫の症状が落ち着いてきたのは薬が効いている間であり、完全に猫風邪が治ったことではありません。自己判断で服用をやめてしまうと猫の薬の効果がなくなったときに再び症状が発症することがあるため、たとえ猫の調子が良くなってきても必ず処方された日数をきちんと飲ませることが大事です。

猫に風邪薬を飲ませる方法

風邪の薬を見ている猫

ウェットフードなど、ご飯と混ぜてあたえる

錠剤や粉薬など、どの形状の猫の薬でもフードと混ぜてあたえる方法があります。1番容易にあたえることができる方法ですがフードと混ぜるため全部食べてもらわないと薬を飲みきったことにはなりません。残してしまうと薬もしっかり服用していないことになり猫風邪の症状が続いてしまうため残さずにあたえることが必要です。また猫が薬の苦さが原因でご飯自体を食べなくなり、食事を避けてしまうケースになりやすいため普段の食事と変わりがないか注意します。

錠剤の場合

直接口の中に薬を入れる

口元を触らせてくれたり大人しい猫は口を開けて薬を飲ませる方法があり、直接薬を口の中に入れるためしっかり服用することができます。利き手で薬を持つため、反対の手で猫の頭の後ろ側から保定し親指と人差し指で顎を持ち、上に向かせます。

猫の頭の保定]

利き手の人差し指(中指)で下顎の切歯(前歯)を入れて口を開け、なるべく早め薬を入れてあげます。手前に入れてしまうと薬を吐きだしやすいため、奥の方に入れることがポイントです。薬を猫の口の中にいれたら口を開けないように抑え、頭を上に向かせた状態のまま利き手で猫の喉元をさすってあげ、スポイトで水を少量飲ませてあげると嚥下しやすいです。できれば猫に薬を飲ませる前にも水を少し飲ませてあげると、スムーズに薬が服用できたり、食道炎を予防することができます。

投薬用オヤツであたえる

グリニーズ ピルポケット 猫用
1,575円(税込)

商品情報
薬を隠すことで、簡単・確実な投薬を補助!

猫の錠剤をオヤツの中に包んで隠すタイプでグリニーズピルポケットがあります。ポケット部分に錠剤を入れ包んであげると見た目はオヤツにしか見えず、またチキン味なので比較的食べやすいです。

粉薬の場合

水に溶かす

粉薬は缶詰などのウェットフードと混ぜるか水に溶かしてスポイトであたえる方法があります。スポイトであたえる場合、錠剤と同じように利き手の反対の手で猫の頭を保定します。利き手でスポイトを持ち、上顎の犬歯の後ろ側にあてて舌の動きに合わせて少しずつ液体を出してあげます。

スポイトで猫に薬をあたえる場合

一気に出してしまうと吐いてしまう恐れがあるので飲み込むタイミングや猫の様子みながらゆっくりとおこなうことがポイントです。シロップタイプの薬も同じやり方であたえます。

猫に人の風邪薬を飲ませても良い?

薬に手を伸ばしている猫

最近では動物用医薬品の開発が進んでいますが、人用の薬を処方している場合があります。ですが猫に飲ませても安心が確認されている薬であり、処方する前に必ず体重に合わせて薬の量を調節しています。

しかし人の場合は薬局やドラックストアで安易に風邪薬や頭痛薬などが手に入ることができますが、あくまでも人に飲ませて安全な薬であり猫に飲ませても大丈夫ということではありません。人に合わせて薬をつくっているため、人よりも非常に体重が軽い猫にとっては薬用量オーバーとなり重篤な症状を招いてしまいます。

また薬は体内に入った際、肝臓で代謝されますが人と猫とではその代謝の働きに違いがあるため、人用の薬の中で猫にとっては中毒症状をひきおこしてしまうものがあり命に関わることから、人用の風邪薬や薬全般は絶対に服用してはいけません。必ず獣医師の指示の元で飲ませてください。

猫の風邪薬は通販で買える

風邪薬と猫

最近ではペットショップだけではなく通販でも簡単にサプリメントを手に入ることができます。

サプリメント、栄養補助食

DHAペット用健康食品「負けないキャット」

ディーエイチシー 負けないキャット
1,200円(税込)

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免疫力と健康な腸内環境を保ち続けたいネコちゃんに

免疫力をあげるラクトフェリンが含まれており猫風邪の症状の悪化を防いでくれます。また猫風邪の原因である猫カリシウイルスに感染すると口内炎を発症し、歯肉の腫れにより痛みで猫が食欲不振になってしまいます。しかしラクトフェリンには殺菌能力もあり口腔内にある細菌数を減らしてくれる効果があるといわれており猫の口内炎の症状を緩和することができます。

エキナセアプラス

エキナセアプラス
680円(税込)

商品情報
エキナセアを主成分にした犬猫用サプリ。

エキナセアというハーブが入っており、猫の免疫力をあげる効果があるといわれています。また不要になった細胞や体内に侵入した細菌やウイルスなどに対して退治してくれる働きがあるマクロファージを活性化してくれる効果もあります。

メニにゃんEye+

メニにゃんEye+
4,514円(税込)

商品情報
L-リジン塩酸塩にカツオエキスを加え猫が食べやすい味

必須アミノ酸に含まれているL-リジン塩酸塩が入っており猫ヘルペスウイルスの増殖を抑え、症状の悪化を防いでくれる効果があります。カツオエキスにより薬を飲むことが苦手な猫でも食べやすいように工夫されています。また猫風邪によくみられる眼ヤニの多さなどの眼の症状に対しても効果があります。

まとめ

風邪の薬の横に座っている猫

猫が猫風邪になった場合は体内に侵入したウイルスの増殖を抑えたり、細菌による二次感染を防ぐために猫に抗ウイルス薬や抗生物質を処方することが多いです。毎回処方する際には服用する猫の体重から適切な薬用量を割り出して飼い主さんに渡しています。そのため人用の風邪薬では体が小さい猫にとっては薬の量が多すぎるため非常に危険です。

また人の風邪の原因の可能性があるウイルスは約200種類といわれおり、それに対応するため人用の風邪薬には色んな成分が配合されています。しかしその中には猫にとって中毒症状をひきおこすものもあり、命に関わってくることから絶対に人用の風邪薬を猫に服用してはいけません。

最近ではサプリメントはネット通販で買えるようになりましたが、注意事項に従って飲ませるようにしてください。また、ほかに薬を飲んでいる場合は併用してもよいか獣医師に確認してください。

なかなかスムーズに薬を飲ませてくれない猫のほとんどは口元を触られることに抵抗があります。日頃から口元を触わる習慣をつくり慣れさせると、スムーズに薬を猫の口の中に入れることができます。しかし猫が薬を苦さや味の美味しくなさで嫌う場合もあるため投薬用オヤツを使ったり、フードと混ぜる、水に溶かすなど、その猫が飲みやすいように工夫してあげることが大事です。

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