猫のレントゲン費用について 撮り方や検査からわかることを解説

猫のレントゲン費用について 撮り方や検査からわかることを解説

猫が病気や怪我した際に場合によってはレントゲンを撮るケースがあります。しかし、動物病院での治療は自由診療なので、金額が異なります。また、レントゲン検査の方法や体への影響も初めてだと気になる飼い主も多いです。今回は猫のレントゲンについて述べていきます。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫のレントゲンの費用

レントゲン検査を受ける猫

猫のレントゲン検査の費用は1部位につき、約3千円から5千円が相場となります。

しかし、レントゲンの費用は撮影する枚数によって検査費用が変化していきます。単純レントゲンのように普通に撮影する場合と消化管造影などのように造影剤を飲んでレントゲン撮影をする場合では費用は異なります。
造影の場合は数時間おきに撮影するため撮影枚数も多くなり、撮影部位によっては数万円掛かる可能性も高くなります。

動物のレントゲン検査は自費となるので、動物病院によって検査費用が異なりますが、最低でも5000円~1万円は掛かると考えられます。

猫のレントゲンの撮り方

病院でじっとしている猫

猫のレントゲン検査の方法は、撮影部位に合わせて猫ちゃんの身体を動かないように保定する必要があります。

その後、仰臥位(仰向け)と横臥位(横に寝た状態)の2方向からレントゲン撮影を行います。
この仰臥位の時の猫ちゃんの姿勢は所謂、万歳の姿勢で保定します。

猫のレントゲン検査は従来のレントゲンフィルムを用いた検査とデジタルレントゲン検査の2種類があります。
2つの検査の方法は特に違いはありません。異なる点はレントゲンフィルムの現像時間と現像時間の違いです。
レントゲンフィルム検査は、レントゲンが現像されるまでに1枚当たり2~3分掛かります。
しかしデジタルレントゲンは、即時にレントゲンが現像されるという点がメリットです。

また、猫によっては保定される事を嫌がり、看護師に噛み付いたり暴れたりという問題行動を起こしてしまう場合があります。そのような時は、エリザベスカラーを首に付けてレントゲンを撮影するケースが多いです。

レントゲン撮影の所要時間は数分程度なので、猫に苦痛を与える処置ではありません。

猫のレントゲン検査による体への負担

レントゲン写真を持つ猫

レントゲン検査をする事によって猫に生じる負担はほぼありません。
嫌がる猫も確かにいますが、撮影時間はどんなに長くても数分なのでレントゲンによる苦痛はありません。

放射能もレントゲンには微量に含まれているだけなので、身体に与える影響は無いと考えられます。

しかし、妊娠中の猫ちゃんはレントゲン検査を受ける事に身体に不利益となる部分が多いので、レントゲン検査自体を避ける事が多いです。

猫のレントゲン検査でわかること

猫のレントゲン写真

猫のレントゲン検査で、臓器の大きさや形に異変が起きているかどうかを判断します。
レントゲンで見られる臓器の変化によって病気の診断を下し、適切な治療を受ける事が出来るようになります。

レントゲン検査で最も利用される病気や怪我は骨折です。
骨がどのように折れているか、そしてそもそも本当に骨折しているのかどうかを見極める為の有効な手段のひとつです。

また、猫が異物を誤飲してしまった時もレントゲン検査が役に立ちます。
異物が既消化管内にあるのかないのか、どこにあるのかなどを確認し、閉塞の原因になるのかやそのまま経過観察で排泄されるのかなどを確認します。
異物が確認されれば、緊急手術を行います。
金属や骨などの異物はレントゲンを撮ると鮮明に形が映るので誤診の心配がありません。

まとめ

レントゲン写真を持つ医師に抱かれている猫

猫がレントゲンを撮影する場合は健康検査などの体調管理目的で行う事もあれば、何らかの体の不調の原因を確かめるために行う場合もあります。

どのような場合でも、臓器の形や位置を確かめて異常が起こっていれば飼い主に都度説明を行ない、次の治療に移ります。

また骨折や口内トラブル、そして異物を誤飲してしまった場合には、病気や怪我の症状を判断するためにレントゲンを撮ります。撮ったレントゲンの結果次第で治療方法は異なりますが、レントゲン検査は猫の身体の状態や最も適切な治療方法を探り、選択するための手段のうちの一つです。

放射能問題など心配な事柄はありますが、医療目的で使われるレントゲンは比較的安全と判断できます。

レントゲンを極度に怖がらずに、愛猫の身体の状態をチェックしてもらいましょう。

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