猫の病院代でかかる相場と払えない時の対処法

猫の病院代でかかる相場と払えない時の対処法

猫の病院代はいくらぐらいかかるのでしょうか。猫の病院代は基本的に全額支払いになります。猫におこる病気および手術にかかる費用は高額になってしまうケースが多いのが現状です。自分の猫が病気だが病院代の支払いができない金銭面トラブルも実は少なくはありません。実際に猫がかかる病院代の相場はいくらぐらいなのか、また治療費を払えない場合の対処法についてお話しします

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の病院代の相場

猫と病院代

猫風邪にかかった場合の病院代

  • ウイルスを抑制するインターフェロンの投与 約2,000円
  • 二次感染を防ぐために抗生物質(7日分) 約1,000円
  • 結膜炎の症状がある場合の点眼薬 約1,000円〜1,500円

一般的な猫風邪の病院代はこのような感じです。猫風邪は猫ヘルペスウイルスや猫カリシウイルス、クラミジアなどが原因の感染症です。免疫力がない子猫やワクチン未接種の成猫にかかりやすく、主に鼻水やクシャミ、結膜炎、発熱、などがみられます。

原因のウイルスによっては一度感染をおこすと体内に残ってしまうため、猫の体力や免疫力が低下した時に再び症状が現れることがあります。

口内炎をおこした場合の病院代

  • 抗生物質や炎症止めの注射代  約3,000円〜4,000円
  • 皮下点滴代  約2,500〜3,000円
  • 内服代(7日分)  約1,500〜2,000円

歯垢や歯石が原因で発症することもありますが、猫の場合は猫風邪の一種である猫カリシウイルス、エイズウイルスなどのウイルスや細菌などによっても口内炎をひきおこします。

猫が口内炎になると歯茎が赤く腫れてしまい激しい痛みを伴うためご飯が食べれず、ヨダレの量が多くなります。またウイルスが猫の体の中に残ってしまうため慢性的に症状が続きやすい特徴があります。

炎症を抑えたり細菌の増殖を抑制するため猫に抗生物質や炎症止めの注射や薬を投与したり、食欲不振でほとんどご飯を食べていない場合は皮下点滴の治療もおこないます。歯石の除去や抜歯を麻酔をかけて行うことも治療の一つとなる場合もあります。

日頃から抗生物資やステロイド剤、止血剤などの内服やサプリメントも併用する場合があります。口内炎だった場合の病院代は猫の状態によって費用が変わります。

膀胱炎を発症した場合の病院代

  • 抗生物質や止血剤、炎症止めの投与および内服代  約2,000〜3,000円
  • 膀胱結石摘出手術代  約50,000〜70,000円
  • 麻酔代  約8,000〜10,000円
  • 尿検査代  約1,000〜1,500円
  • レントゲン検査代  約3,000〜5,000円
  • 療法食(PHコントロールなど)500g  約1,500円
  • 入院費代(2〜3日間) 約6,000円〜10,000円
  • 処置代(尿道カテーテルなど) 約2,000円

猫の膀胱炎とはオシッコを溜める膀胱に炎症がおきることをいいます。細菌による感染が原因で発症することがありメス猫に多く見られます。

また結晶や結石が原因で膀胱の粘膜が傷ついてしまい膀胱炎になることもあります。猫が膀胱炎になるとトイレの回数が増え、尿量が少なくなります。膀胱の出血に伴い血尿がでます。

細菌が原因の場合は猫に抗生物質や止血剤を投与したり内服による治療をほどこしたりしますが、結石がある場合は手術して摘出しなければいけません。

また定期的に尿検査をしてオシッコに結晶が出ていないか、尿のphなど検査する必要があり、結晶や結石を予防する療法食に切り替えなければいけない場合もあります。

そのため結晶や結石による泌尿器疾患(膀胱炎も含む)による猫の病院代には定期的な尿検査代や療法食代、内服代が発生します。

猫の病院代が払えない時の対処法

クレジットカードと猫

動物病院に分割払いでお願いする

手術や検査などで猫の病院代が高額になることは珍しくはありません。病院側に分割払いでお願いをし支払うこともあります。

この支払い方は病院側と直接話し合うため場合によっては断られることもあります。私が勤務している動物病院では初診や通院歴が短い(ほとんどない)場合はお断りしており、通院歴が長かったり信用できる飼い主さんであれば相談して支払いを決めています。

クレジットカードで支払う

ほとんどの動物病院ではクレジットカードが対応しているため猫の病院代が高額で現金で払うことができない場合はクレジットカードで支払う方法もあり、病院によっては分割払いができます。

私が働いている動物病院では分割払いのほかにリボ払いやボーナス払いもできます。分割払いなどで支払えるかどうか問い合わせると良いです。

親族や友人などに借りる

猫の病院代が現金では足りず、クレジットカードを持っていない場合もあります。その際は飼い主さんの親族や友人・知人などにお金を貸してもらい支払いできるか相談します。その際に飼い主さんの身分証明書のコピーをとらせてもらう場合があります。

猫の病院代による金銭面トラブルをおこさないためには

病院にいる猫

病院代が払えないと治療を受けられない場合もある

猫の命にかかわるため最初の診療費が払えなくても、次回の診察を拒否する病院はあまりないと思います。しかし支払いの見込みがなかったり、初診で飼い主さんの信頼度が不明な場合などは診療をお断りすることがあります。

また支払いの期限が過ぎていたり、滞納期間が長い場合は病院側から督促状を郵送する場合があります。

事前にいくらかかるか動物病院に聞く

会計時に「こんなにかかったの?」と予想していたよりも猫の病院代が高かったことがあると思います。手術費や治療費などは動物病院によって異なりますが全体的に高額です。

そのため猫の病院代がいくらかかるのか事前に問い合わせてみたり、先に病院に「◯◯円以内に収めてほしい」と聞いてみる方法もあります。

ペット保険に加入する

猫を含めペットにかかる病院代は高額になるため飼い主さんには大きい負担がかかります。最近ではペットの保険があるため加入すると手術など、もしもの時に安心できます。

ペット保険会社によりますが1回通院や入院など使える保険負担限度額が決まっていたり、1年に使用できる通院回数や手術回数が決まっていたり様々なプランがあります。

その分保障内容や保険支払い額が変わってくるのでそれぞれに合った保険プランを選択することが大切です。また、人と同じように年齢制限もあったり、保険加入前の疾患に対しては保険対象外になったりします

まとめ

病院代を見ている猫

猫にかかる病院代は基本的に高額なため大きな負担になります。動物病院によって同じ治療内容や手術でも料金に差がありますので、なるべく安く済ませたい場合は直接病院に問い合わせるのも一つの方法です。 上記で説明した病院代はあくまで参考値です。

思っていたよりも高額で手持ちのお金が足りなかったり、支払いができないケースが実際にあります。中には次回の診療をお断りしたり、督促状を郵送したりする場合がありますので、金銭面トラブルを避ける対策が事前に必要です。

猫の病院代がいくらかかかるか事前に問い合わせてみたり、中には直接「◯◯円以内で収めてほしい」という飼い主さんもいました。また最近ではペットに対する保険もありますので加入する方法もありますが、毎月支払いができるかプランなどをしっかり検討して決めなければいけません。

今のうちから今後猫にかかる病院代を貯金しておくといいかもしれません。

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