猫が発作を起こした時の対処法
一言に「発作」と言っても、その症状や原因は多岐に渡ります。原因が分かっている場合の対処法については、獣医師の指示に従い、初めて「発作」が起こってしまった場合の対処法は以下を参考にして下さい。
危険な物を遠ざける
猫が痙攣(けいれん)等の発作を引き起こした場合、怪我をしないよう猫の周りにある物を遠ざけましょう。
動画を撮影する
獣医師に説明する際の参考になりますので、スマホ等で動画を撮影しましょう。動画が撮影できない場合は、発作が始まってから落ち着くまでの時間や、よだれや泡を吐いていないか、体が硬直しているか等を確認しておきましょう。
猫に触らない
猫が発作で苦しんでいるところを見ると、心配でつい猫を抱き上げたり、意識を確認したりしてしまいがちですが、絶対に無闇に触れてはいけません。発作を引き起こしている間は、猫に触れずに近くでじっと見守りましょう。意識のない猫に咬まれてしまうと大怪我をします。
愛猫が発作を起こしてしまうと、心配で不安でパニックに陥ってしまいそうですよね。しかし、どんなに心配でも基本的に発作を起こしている間は、猫を動かしたり、触れたりしないよう注意しましょう。どうしてもの時にはバスタオルなどで包み込むようにしましょう。 長くても5分程度で発作が治まる場合が多いので、可能であれば一人は猫の見守りと動画撮影、もう一人がかかりつけ医に電話で状況を説明し、指示を仰ぎましょう。
猫が発作を起こしている時の症状
猫が発作を起こしている時の主な症状についてご紹介します。
痙攣(けいれん)
痙攣とは、筋肉が不随意に激しく収縮する事によって引き起こされる発作の事を言います。痙攣は大きく分けて、顔の一部だけがピクピクと震える局所性痙攣と、意識を失い倒れこみ、ビクビクと震えながら体を硬直させるような全身性痙攣の2つに分けられます。
また、1日に2回以上の頻度で痙攣発作を起こす場合を「群発発作」、5分以上の痙攣発作や、痙攣発作の後に意識が戻らないまま、次の痙攣発作が起こってしまう場合を「重責発作」と呼びます。これらの場合は、痙攣発作の中でも症状が重篤な可能性がありますので、すぐにかかりつけ医を受診しましょう。
よだれ、泡を吹く
上記の痙攣に併せて引き起こされる事が多いのが、よだれや泡を吹く等の症状です。意識が殆どなく、よだれや泡、嘔吐物等が多い場合は、誤嚥や窒息を避ける為に体を少し持ち上げてあげましょう。ただ、暴れている場合は無理に近づかず、意識がない場合も口周りには触れないよう注意しましょう。
体が硬直する
これも、痙攣と同時に現れる症状の一つで、四肢をピンと突っ張ったように硬直させる場合があります。
呼吸困難
痙攣と同時に、苦しそうに鳴き声を上げる場合は呼吸困難に陥っている可能性があります。
発作の症状は、その原因によって様々です。体を地面に打ち付けながら暴れまわる場合もあれば、意識を完全に失い、体をビクビクと震わせる場合もあります。まずは、発作時の猫の状態をしっかりと確認し、獣医師に指示を仰ぎましょう。
猫が発作を起こす原因
猫が痙攣等の発作を引き起こす原因は、主に以下の通りです。
脳が原因になっている場合
猫が発作を起こす原因の一つに「脳」に何らかのトラブルが起こった可能性が考えられます。中でも有名なのが「てんかん」ですね。猫のてんかんは、比較的発症率が低いとされていますが、痙攣と同時に大量のよだれや泡を吹く、失禁する等の特徴があります。
他にも、猫伝染性腹膜炎(FIP)や猫パルボウイルス感染症等の感染症による脳炎や、脳腫瘍等が原因になる場合もあります。特に感染症や、脳腫瘍が原因となっている場合は命に関わる可能性もありますので、すぐにかかりつけ医を受診し、詳しい検査をしましょう。
内臓系疾患が原因になっている場合
腎不全や心不全等の内臓系疾患によって、老廃物がうまく排泄されず「高窒素血症」や「尿毒症」の症状に陥ってしまい、発作症状に繋がる場合があります。上記のような疾患だけではなく、猫にとって中毒性のある毒物を摂取した場合にも、発作症状が引き起こされる可能性もありますので、猫の誤飲、誤食には十分に注意しましょう。
猫の発作を治療する方法
猫の発作に対する治療は、主に発作の原因となっている基礎疾患の治療を優先して行われます。痙攣発作が止まらない場合や、原因の特定ができない突発性てんかん等に対しては、抗痙攣剤や抗てんかん剤が用いられます。
腎不全の末期で見られる事の多い痙攣発作に関しては、24時間静脈からの点滴を行う等の集中治療で一時回復の可能性もあります。ただし、発作自体を完全に抑える事は非常に難しいようです。猫の発作の原因、症状によって治療法は様々なので、まずは正確に発作時の状態を獣医師に伝える事が重要になります。
発作とよく似た逆くしゃみや咳の症状
「逆くしゃみ」という言葉を聞いた事があるでしょうか。「逆くしゃみ」とは、「発作性呼吸」等と呼ばれる生理現象の一つです。主に犬によく見られる現象で、名前の通り、くしゃみと逆に鼻から急速、かつ連続的に空気を吸い込む為、苦しそうに見える事もあります。
猫の逆くしゃみらしい
こちらの動画の猫ちゃんは、動物病院で「逆くしゃみ」と診断されたようです。しかし、逆くしゃみの症状が、喘息の症状に似ている場合もあるようなので、調子が悪そう、逆くしゃみが治まらないという場合は、かかりつけ医を受診しましょう。
猫の酷い咳
こちらの猫ちゃんは、喉が腫れて痰が絡んでいると診断されたようです。「咳」の症状ですね。一見、吐きそうな感じにも見えます。猫はよく吐く動物なので、またいつもの毛玉か?と油断してしまいそうですが、少しでも異変を感じた場合は、かかりつけ医を受診しましょう。
一見苦しそうに見える逆くしゃみですが、逆くしゃみ自体が命に危険を及ぼす可能性はないと考えられています。ただし、何らかの疾患が原因となった呼吸器障害の症状である可能性も考えられますので、逆くしゃみのような症状が頻繁に続く、治まらないという場合は獣医師に相談しましょう。
猫が発作した時の対処法まとめ
猫が発作した時の対処法やその原因、治療法についてご紹介しました。愛猫が発作を起こし、苦しそうにしているととても心配で、パニックに陥ってしまいそうですよね。ただ、絶対に無闇に抱き上げたり、触れたりしないよう注意しましょう。また、獣医師への口頭説明は非常に難しい場合があるので、何か異変を感じた場合は動画撮影する癖を付けておくといいかもしれませんね。
40代 男性 しげる
初めは怖くて焦りましたが、今は慣れてきました。痙攣をはじめると口のなかを怪我しないように注意をします。周りの物をのけて危なくないようにします。しばらくすると、痙攣は止まるので見守ってあげます。もう一匹の猫ちゃんは驚いて見ていますが、大丈夫よと声をかけてあげると、安心します。