猫の口臭がひどいのは「不調」のサイン!

猫の口臭がひどくなっている際には、必ず理由があります。その口臭から実は大変な病気が見つかることも。
猫の口臭はいわゆる、健康のバロメーターのひとつです。普段の生活の中で愛猫の正常の口臭を嗅いでいれば、いつもと違う臭いがするとき変化に気が付けます。
特に普段から歯みがきをしているのに、突然口から普通ではない臭いを感じた時は、何らかの病気がかかってい可能性もあるので注意してください。
あまりにもいつもと違う口臭の場合は、動物病院に診察してもらって病気の有無などを確認してもらうなど速めに対応しましょう。
猫の口臭の原因7つ

猫の口の臭いが突然臭くなってしまった原因はいったい何なのでしょうか?
こちらの記事では、猫の口臭の原因について7つほど集めました。たかが口臭だと思っていても深刻な病気になっている場合もありますので、口臭を侮らないようにしましょう。
キャットフードの臭いが影響している
魚系のキャットフードは、魚臭がきついこともあります。その際、食べ終わった猫の口が臭いと感じてしまうことも。しかしながら、こちらの臭いは一時的な臭いになります。
その口臭が食べ物によるものなのか、そうでないのか判断がつかない時は食後少し経ってから口臭を確認してみましょう。
もし、食後しばらくたっても、いつまでも猫の口臭がきついと感じる場合は何か別の理由があるかもしれません。
ウェットフードを多めにあげている
ウェットフードはドライフードに比べて食べかすが歯に残りやすく、口腔ケアをしないとプラークと呼ばれる歯垢が溜まります。
普段からドライフードを多めに与えている場合、歯垢が原因で口臭を発している可能性があるので、自宅でしっかりケアをしてあげましょう。
口腔内ケアが不足している
食後に歯みがきをしていないと、歯垢が溜まり1週間程度で落ちにくい歯石へと変化していきます。そして、それが歯周病菌の温床となり口臭を発するようになります。
歯みがきなどの口腔内ケアを怠ると、歯肉炎や歯周炎、歯周病などになりやすいので注意してください。
歯肉炎から歯周病に進行するにつれて、口臭がきつくなっていきます。特に歯周病は、生ごみのような生臭い臭いを発生させるので対策をしましょう。
口腔内の病気にかかっている
口の中に、口内炎が出来てしまった場合、口腔内の広い部分で炎症が起きます。そのため、口臭や唾液の臭いなどがきつくなります。
猫が口内炎になる原因は、菌や猫カリシウイルスといったウイルス感染症である場合も。また、猫エイズにかかると自己免疫が正常に機能しなくなるため、口腔内に口内炎ができやすくなります。
また、口腔内に腫瘍が出来た場合は、急に腐敗臭のような強い口臭が発生します。
子猫時期の口臭
2~3か月齢前後の子猫が、「ヘルペスウイルスによる猫風邪(猫ウイルス性鼻気管炎)」にかかってしまうと、母猫からの移行抗体がなくなる時期なので、口の中や舌に潰瘍ができることがあります。その際に、よだれが多くなったり、口臭がきつくなったりするのです。
また、3か月ごろから始まる歯の生えかわり時期は、口腔内の環境が不安定になりやすいので口が臭くなることも。歯が上手く生えかわらない場合も、口腔内のトラブルにつながりやすく口臭を発することがあります。
寄生虫がいる
猫の口腔内や胃の中に寄生虫がいる場合は、歯周病を悪化させたり、消化器の調子を崩して胃腸炎になったりするのが口臭の原因となります。
特に野良猫を保護した場合や、室外飼いの場合は寄生虫を持っている可能性があります。寄生虫の場合、他の動物や人に写ってしまうと危険なので、猫の口臭が気になる際は気をつけておきましょう。
病気の可能性
老猫になると、腎臓や肝臓の働きが低下するなど内臓の病気になりやすくなります。
腎臓の働きが低下し「慢性腎不全」や慢性腎臓病の末期の状態である「尿毒症」になっている場合、老廃物や毒素を尿として排泄出来ないので、体内に老廃物がたまり口からアンモニアのような刺激のある臭いがします。
また、肝臓機能が低下した「肝機能不全」を起こすと、肝臓で分解できなかった毒素が体内にたまり口臭がきつくなるのです。
甘い臭いがしたら「糖尿病」である可能性も。症状が進むと、体内に甘酸っぱい臭いのケトン体が作り出されそれが口臭の原因になります。
自宅でできる猫の口臭の改善・予防対策

猫の口臭ケアは自宅でもできます。
一番良い方法は、子猫のうちから歯みがきなどに慣らしておくこと。口の中に歯ブラシを入れる行為に慣れて、歯みがきが習慣になっていけば、歯周病などの口腔トラブルになりにくいでしょう。
しかし、成猫になってから歯みがきなどの口腔ケアをしようと思っていても、なかなか口を開けてくれなかったり、歯ブラシをあてるのも嫌がったりすることも。
ここでは、まずは簡単にできる口臭の改善、予防対策についてお伝えします。
歯垢がつきにくいキャットフードやおやつを変更する
歯ブラシが苦手な猫には、まずはオーラルケア用のキャットフードやおやつを与えてみましょう。
オーラルケア用のキャットフードは、少し硬めに出来ており猫が時間をかけてよく噛むことで、ブラッシング効果にもなり歯垢を取り除くことができます。また、歯の健康を維持するための成分も入っています。
猫の口臭ケア用サプリメントを取り入れる
口臭のケア用のサプリメントは、乳酸菌が入っているものもあります。乳酸菌には歯周病菌や虫歯菌の発生を抑制する効果が期待できるので、口内トラブル対策としておすすめです。
サプリメントは、粉末状のタイプと粒状のタイプの2種類に分けられます。粉末タイプは、いつも食べているキャットフードの上に振りかけて与えるのが基本です。粒タイプのものは、キャットフードに混ぜたり、そのままおやつとして与えたりすることもできます。
歯磨きやデンタルグッズで口の中をきれいに保つ
口腔内のケアとして、デンタルフロス、歯磨きガム、猫用歯ブラシ、猫用歯磨き粉、歯みがきジェルなどがあります。
最近では、飲み水にスプレーして混ぜる液体タイプのデンタル商品があります。猫が普段どおりに水を飲むだけで歯垢や歯石対策ができるので、口の中を開けてくれない猫や歯みがきを嫌がる猫にとてもおすすめです。
猫の口臭ケアをする時の注意点

猫の口臭が気になり自宅で口腔ケアをする場合、気をつけておきたい注意点があります。
口腔ケアグッズを使用していたら、少しずつ口臭が改善してきて効果を感じることもあります。ただし、口臭の原因となっている病気などが確実に改善されてきているのかについては、獣医師の診断を仰ぐようにしましょう。
特に深刻な病気がある場合は自己判断ではなく、病気の経過観察を獣医師さんと確認しながらの適切なケアが必要になってきます。
口臭や気になる症状が現れた時には治療も同時に行う
食欲不振、嘔吐、下痢などの消化器系の症状があり、口臭の臭いが強い場合は、何らかの内臓疾患にかかっている可能性があります。
また、目やにが多くなった、触られるのを嫌がるようになった、急に痩せた、しきりに口元の毛づくろいをするようになった、鼻水が止まらないなどいつもと違う様子や症状が現れた場合も、早めに動物病院を受診して病気の有無を確認するようにしましょう。
そして、薬で治療できるなら、早めに対応していくことも大切です。
口臭が変化したり急に悪化していないか日頃からチェックする
昨日と今日で急激に口臭が悪化している場合は要注意です。
普段猫は犬と比べてよだれを出しません。猫がよだれを垂らしている時は、口の中に腫瘍ができていることがあり、扁平上皮がんや線維肉腫、メラノーマなど悪性腫瘍である可能性もあります。
腫瘍が原因の場合は、急に臭いが悪化します。口腔内の腫瘍は、あくびをした時など口の中に出血や腫れなどを見えることがあるので、いつもよりも口臭がきつくなったと感じたら猫の口の中をよく見るようにしましょう。
普段から猫の口腔内の様子を確認することで、変化に気が付きやすくなります。
猫の口臭対策におすすめのグッズ8選

最近はキャットフードや水に混ぜるだけで口腔ケアができるものや、ブラッシングなどの本格的なグッズがたくさん販売されています。
今回は、猫の口臭対策のために、あると便利なグッズを厳選しました。
猫の性格や好みもあるので、いろいろと試してみて一番猫に負担もなく効果があるものを見つけていきましょう。
【 リデンタ 】飲水に混ぜるだけ!犬猫用 口臭ケア用液体ハミガキ ウォータープラス 250ML (歯石・口臭に・動物病院販売品)
飲料水500~800mlに、キャップ一杯分(5cc)を混ぜるだけで猫の口臭ケアができる液体用歯みがきです。天然由来成分で、歯石の予防や口臭を防ぐ効果が期待できます。
無味無臭の無色透明なので、猫に気が付かれず与えられる優れもの。歯磨きや口を開けるのが難しい猫におすすめです。
【ペティオ (Petio)】 プラクト ねこちゃんの 歯みがきデンタルガム かつお味
歯周病菌などを抑える効果がある、乳酸菌入りのデンタルガムです。何回か噛むことで、牛皮コラーゲン繊維が歯垢をからめとって落としてくれます。
猫が好きな風味のデンタルガムで、おやつとしても与えられます。保存料、着色料、香料無添加なので、安心して与えられるのも魅力です。
注意点としては、毎日与え過ぎてしまうと栄養が偏ってしまうので、与える際は、数日おきなどにすると良いでしょう。
【プロバイオデンタル】口腔善玉菌サプリメント 粉末タイプ
猫の体重が8kgまでなら、付属のスプーン1杯程度を普段食べているキャットフードに混ぜて与えます。
無味無臭の粉末タイプなので、キャットフードに混ぜれば猫に気付かれず口腔ケアが可能です。口腔善玉菌の力を高める複合乳酸菌生成物質などが入っているので、口臭の臭いを抑えたり、歯石を取りやすくしてくれたりします。
【PREMEAL プレミール】 デンタルコート 口腔と腸内を守る乳酸菌タブレット(犬猫用)
16種類の乳酸菌発酵エキス、ビフィズス菌と納豆菌ガムが入っているタブレットです。口腔内のケアをするだけでなく、腸内環境まで整えてくれるので、口臭だけでなく便の臭いも軽減することができます。
体重が6kg以下の場合、与える目安は1日3粒です。添加物なし、防腐剤なし、香料なしの無添加なので安心して与えることができます。
【ロイヤルカナン】 FCN オーラルセンシティブ 猫用
猫の口腔ケア用に、粒の大きさが通常よりも大きめのサイズになっているドライフードです。猫が食べるスピードを遅くして噛む回数が多くなるよう、特別に設計されています。
猫が長時間噛むことで、歯のブラッシング効果を促進。また、歯についた歯垢や歯石の蓄積を抑えることができます。いつも食べているご飯に少しずつ混ぜ、様子を見ながら与えていきましょう。
【マインドアップ】 猫口ケア 歯ブラシ マイクロヘッド
猫の口に合わせたヘッドが小さめの歯ブラシです。磨きやすいように15度の角度がついています。ヘッドの幅は9mmで、ヘッドの厚さは10mmのため、奥歯にも届きやすいサイズです。
ブラシは猫の口腔内を傷つけない、柔らかい素材を使用しています。使用する際は、一度水に濡らして柔らかくなっているのを確認してから使用するとよいでしょう。
【ライオン (LION)】 ペットキッス (PETKISS) PETKISS 歯みがきシート
指に巻いて猫の歯を拭くだけの歯みがき用シートです。口を空けて歯ブラシを嫌がる猫にはまずこちらを試してみましょう。
飼い主の指にシートを巻き付けたら、猫の唇をめくって歯や歯ぐきにタッチします。上に生えている歯は、上から下へむかって擦っていき、下の歯は下から上に向かってこすっていきます。慣れてきたら歯の裏側もこするようにしましょう。
【ライオン (LION)】 ペットキッス (PETKISS) 歯みがきジェル チキン風味 ペット用
歯みがきジェルがあると歯みがきシートや歯ブラシを使う際に、スムーズに磨くことができます。また、歯みがきジェルを使うことで、歯垢の除去は歯みがきジェルを使用しなかった時と比べて約6.6倍あり、歯垢をきれいに取ることが可能です。
また、ジェルはすすぎは不要です。ジェルの味も猫の好きな風味のものを選ぶことで猫に負担をかけずに口腔ケアができます。
まとめ

猫の口臭の原因には必ず原因があります。
成人猫になると約8割が歯周病になっているとも言われています。歯周病が原因で他の病気にもつながってしまうことがあります。
特に歯周病などは、日頃の口腔ケアで改善したり、予防できたりするので、まずは身近にできる口腔ケアから始めていきましょう。
自宅で口腔ケアをしていても、なかなか口臭が消えない時や、口臭がさらに悪化して強くなっている時は、病気の前触れとも考えられます。
猫の口臭が普段と違う臭いがした時は、できるだけ早めに動物病院を受診して獣医師さんと相談するようにしましょう。
まずは、普段からの愛猫とのスキンシップを通して、口の臭いが臭くなっているかなどの変化にすばやく気が付いて対策をすることを心掛けることで、愛猫には長生きをしてもらいたいですね。