猫の湿疹で考えられる病気
- アレルギー性皮膚炎
- ニキビダニ症
- 疥癬(かいせん)
- アトピー性皮膚炎
- 皮膚糸状菌症
まずは猫の皮膚病の中でも、湿疹が出ている場合に考えられる病気を5つご紹介します。愛猫の症状と照らし合わせてご覧ください。
ノミによるアレルギー性皮膚炎
猫の湿疹が出る病気として、アレルギー性皮膚炎があります。アレルギー性皮膚炎とは何らかの異物に対して過剰に反応しておこる皮膚炎のことで、肌に湿疹ができるなどの症状があります。
人間でもこのアレルギー性皮膚炎でお悩みの方は多いのではないでしょうか?
猫に湿疹などができるノミアレルギー性皮膚炎の場合は特に湿気の多い季節、ノミが大量に発生しやすい時期に症状が現れる人が多いです。
食物によるアレルギー性皮膚炎
猫に湿疹がある場合、食物によるアレルギー反応で湿疹などの症状が出る場合があります。
どの食物に対してアレルギーを起こしているのかはその猫ちゃんによって違いますが、猫ちゃんの食物アレルギーで多い食物には次のものが上がります。
- 小麦粉
- とうもろこし
- 大豆
- 白米
- 牛肉
- 乳製品
- 魚
これらの食材は、市販のキャットフードにもよく使用されています。
アレルギーを持っている猫ちゃんでも、体調が悪く免疫力が下がっているときやストレスがあるときのみ湿疹が出る子や、その食物に触れただけで発症する猫など症状は様々です。
今までと違うキャットフードにして湿疹などが出た場合、食物アレルギー性皮膚炎の疑いがあります。対策としては、アレルゲンが入っていないキャットフードに変える方法もひとつです。
もしフードを変えても湿疹などの症状が改善されない場合は早めに動物病院へ受診するようにしましょう。
顔の周りに湿疹ができる「ニキビダニ症」
猫の頭や首、顔の回りに湿疹がある場合ニキビダニ症の可能性があります。しかしニキビダニ症は犬によく見られ、ニキビダニ症になる猫はごく稀なのです。
だからと言って、猫ちゃんがニキビダニ症にならないというわけではないので注意してあげましょう。
この病気は別名「毛包虫症」とも呼ばれ、猫の毛穴の中に寄生する「ネコニキビダニ」により湿疹などの症状を引き起こします。
湿疹や酷い痒みを引き起こす「疥癬(かいせん)」
疥癬は、顔面や耳の皮膚に脱毛や赤い湿疹ができ、フケやカサブタが目立つようになるのが初期症状となります。
疥癬は「ヒゼンダニ」というダニが猫や犬に寄生し湿疹などを引き起こします。湿疹があるだけでなく、とても激しいかゆみを伴うため、猫自身が身体を引っ掻き、傷だらけになってしまうことも珍しくありません。
あまりの痒さに引っ掻き過ぎて、帰宅したら愛猫が血まみれになっていたという事例もありますので初期症状を見逃さないであげてください。
アレルゲンにより湿疹が出る「アトピー性皮膚炎」
アトピー性皮膚炎は湿疹や強いかゆみを伴う為、掻いたりしきりに舐めたりした箇所が脱毛しさらにかゆみを伴うという悪循環に陥りやすい病気でもあります。
アトピーの素因を持つ猫がなんらかのアレルゲンと接触、吸引することにより皮膚に湿疹ができるなどの症状が出て、発症します。アレルゲンとしては以下のものが主な原因となります。
- ハウスダスト
- 花粉
- カビの胞子
布団や猫用のベッドなどの布製品に潜むハウスダストが原因でアトピー性皮膚炎になる事があります。
カビにより湿疹や脱毛が見られる「皮膚糸状菌症」
皮膚真菌症とも呼ばれ、真菌と呼ばれるカビが猫に寄生することで発症します。かゆみはほとんどないのですが、感染部分の脱毛や湿疹が見られます。
皮膚真菌症は人間の水虫のようなもので一度感染するとなかなか治らない上に完治しても再発する率が高い厄介な病気です。
猫に湿疹が出る原因
猫の湿疹が伴う主な病気をご紹介しましたが、一口に湿疹が出ているからこの病気!という判断は素人には難しいです。
アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎ならアレルゲンを取り除くことで症状は治まりますが無数にあるアレルゲンの中でどれが原因なのか特定するのは難しいでしょうし、その湿疹が本当にアレルギー性やアトピー性のものなのかも判断できない場合もあります。
そこで、何が湿疹の原因となっているかそれぞれの症状の違いを簡単にですがまとめました。一つの目安としてご覧ください。
虫が原因(ノミ・ダニ)
虫が原因の場合最初に激しいかゆみが現れます。耳の後ろやしっぽの付け根の辺りに湿疹ができていたり、異様に噛んだり引っ掻いたりしているようなら、一度毛を掻き分けてチェックしてみてください。
ノミやダニがいませんか?もし一匹でも見つかったらかなりの数がいると思ってください。
産卵直後のノミが仮に10匹いた場合、30日後には2000匹にまで増えていると言われています。一匹でも見つかったらその瞬間から、ノミ・ダニ駆除に動き出してください。
主な治療法としては市販の駆除薬でもいいですが、動物病院で処方される薬のほうが効果があります。そのときにノミ・ダニの予防薬のフロントラインも一緒に相談しましょう。
家の中の布製品もノミ・ダニの温床となっている可能性が高いので掃除、洗濯は忘れずに!
アレルギーが原因
アレルギーが原因の場合、アレルゲンが当たった場所が赤みを帯びかゆみがでます。
食物アレルギーの場合は、ご飯を食べた直後に湿疹が出るのと同時に嘔吐や下痢を伴うこともあります。
我が家の猫は湿疹がでないものの、魚のキャットフードを食べると嘔吐をするのでおそらく魚アレルギーの可能性があります。
以前はそのような事がなかったのにいきなり症状が現れたので最初は驚きましたが、獣医さんのアドバイスのもと、食事をアレルゲンが入っていないキャットフードに変えると治まりました。
湿疹と共に嘔吐などの症状が現れた場合はアレルギー性皮膚炎の可能性もありますが、重篤な可能性もあるので早期の受診をおすすめします。
細菌やカビが原因
湿疹を伴う病気の中で一番猫にとってしんどく、一番厄介な原因です。
カビや細菌の種類によっては激しいかゆみや脱毛を伴い、気になった猫ちゃんがその箇所をさらに舐めて症状がひどくなりさらに脱毛するという悪循環に陥ります。
ひどい場合だと一夜で脱毛してしまう場合もあります。湿疹と共に激しい脱毛を伴う場合はカビや細菌の感染を疑ってください。カビの単独感染の場合にはそれほど痒みが強くないのですが、同じ部位に細菌感染が起こると痒みが激しくなります。
感染経路はカビや細菌に感染している猫と接触することにより感染しますので、一番の予防は完全室内飼いで他の猫と接触させないことです。
完全室内飼いでも、細菌やカビに感染している猫と接触した飼い主に触られることにより感染することもあります。野良猫などを触った場合は必ず手を洗ってから愛猫に触れるようにしましょう。
猫の湿疹についてのまとめ
猫の湿疹は激しいかゆみと脱毛を伴うため、猫にとっても大変しんどい症状の一つです。かゆがる猫ちゃんは、見ているだけでも辛いですよね。
市販にも猫用のかゆみ止めや皮膚病薬は売っていますが、発見したらすぐに獣医さんに相談し適切な治療と薬を処方してもらうほうが早く治りますし、結果的に猫ちゃんも苦しまなくて済みます。
猫ちゃんの為にも湿疹を見つけたら早めに受診してあげましょうね。
40代 女性 ころ
梅雨になると耳やお腹が痒くなり赤くなります。いつも獣医さんにいただいている軟膏を塗ってあげます。あまりひどいようなら、獣医さんに診ていただいて消毒と治療をお願いしています。その甲斐があって毎年アトピー性皮膚炎がましになっていっています。痒がりますがしばらくすると、忘れて遊んでいたりします。あまり赤くならないし発疹も少なくなりました。最近は、安心しています。