猫の蓄膿症には要注意
蓄膿症は猫に限らず人もかかる病気で、比較的身近に聞く病の1つです。蓄膿症の薬のCMも身近に見る事があります。人はその症状を自分で理解して、薬を使ったり病院へ足を運んだりできますが、猫は当然違います。体調が悪いと認識はできても自分で対処する事はできず、飼い主さんの気づきが無ければ症状を悪化させてしまう一方なのです。気づいてあげる事が出来るように、猫の蓄膿症をぜひ知っておきましょう。
猫の蓄膿症の前に起こる症状
猫の蓄膿症は、鼻の奥にある空洞に膿が溜まってしまう病気です。この空洞を副鼻腔と言いますが、副鼻腔が正常であれば膿が溜まる事はありません。副鼻腔に細菌やウイルスが入り炎症が起こる「副鼻腔炎」が悪化すると、蓄膿症となってしまいます。
そもそも、炎症が悪化して膿が溜まるとは、どういう事なのでしょうか。膿とは、体の中で戦う為に集まった白血球と菌が溜まったものです。戦い終えた白血球や菌も混ざっていて、例えるなら戦場と言える集まりかもしれません。
鼻水や痰として、本来体の外に排出されなければいけないモノが猫の副鼻腔に溜まってしまうと、蓄膿症と呼ばれるのです。膿が溜まる前の副鼻腔炎の段階で気づいてあげられると、治療も早く終わるかもしれませんね。
猫の蓄膿症と副鼻腔炎の症状
猫の蓄膿症や副鼻腔炎は菌やウイルス感染が多いですが、アレルギー体質や生まれつきの鼻の構造、口内炎からの二次感染などでの発症も考えられます。鼻水、鼻詰まり、くしゃみなど、鼻風邪の症状がメインとして現れる事が多い一方、なにより怖いのは、蓄膿症などが悪化してしまう事で猫の鼻の粘膜を傷つけ鼻血が出たり、膿の溜まりすぎで骨や脳、神経系にまで影響が出てしまう事です。
また、猫は鼻呼吸がメインの為、少しでも鼻が詰まってしまうと呼吸はかなり辛く、食べ物も嗅覚で判断する事から、食欲も落ちてしまいます。食欲が落ちると免疫力も低下し、悪循環が起こってしまうのです。その為、症状が軽いから自然に治るかも、と放置してしまうのはとても危険な病気です。
猫の口呼吸は蓄膿症や副鼻腔炎を疑う際の一番分かりやすい異変と異常のサインとなります。口呼吸になっているということは症状がこじれていると考えることもできます。
食欲が落ちて、普段と違い定位置から丸まって動かない、いびきがある、鼻呼吸でスピスピ音がする、鼻水が垂れているなどの症状も゙健康゙ではない状態なので、動物病院へ連れて行ってあげましょう。
猫の蓄膿症に関するまとめ
愛猫が蓄膿症だと診断を受けた時、治療法としては抗生物質を点滴または点鼻薬を処方される事が多いです。症状の重さにもよりますが、蓄膿症で膿が溜まりすぎると膿の洗浄手術の選択肢も挙がるかもしれません。
猫にとって病院自体がストレスで、免疫が落ちてしまう事もあるかもしれませんが、通院も入院も治す為には必要な手段である事は間違いありませんので、蓄膿症の症状が軽い内にその猫に合った適切な薬を処方して貰いましょう。
また、猫の場合ワクチンの接種で蓄膿症に繋がる副鼻腔炎を回避する事もできます。病気にかかる前に予防する事が、飼い主さんに出来る最大の対処法。事前にしてあげられる事にぜひ全力を出してあげて欲しいと思います。