愛猫の緊急時の対処法
猫を襲うハプニングには、様々なものがあります。高い所からの落下、火災などの災害に巻き込まれる、中毒、ケガ、やけど、異物を飲み込むなど、数えきれません。愛猫の身にトラブルが起きた場合の対処法には、一体どんなものがあるのでしょうか?
愛猫の意識がある場合
トラブルには見舞われたものの愛猫の意識がある場合、とても驚いている事が多いです。まずは飼い主さん自身の身の安全を確保し、それから愛猫を落ち着かせます。優しく話しかけて、安心させるようにしましょう。ヘタに目を合わせて、威嚇してはいけません。驚いている猫は危険な猫にもなりかねません。充分に注意しながら、愛猫を落ち着かせましょう。
周りにまだ危険がある時や愛猫が負傷している時などは、大きなタオルや柔らかい布で愛猫の体を包んで危険から遠ざけたり、負傷の具合をチェックします。そしてなるべく早く、動物病院に連れていきましょう。病院へ行く前に連絡をしておくとすぐに対応してくれる場合もありますので、対処法の確認も含め、連絡しておくことをおすすめします。
意識がない場合
もし愛猫の意識がない場合はまず気道の確保と、呼吸と心拍があるかの確認を行わなくてはいけません。
気道の確保
口の中に異物がないかを確認し、ある場合は取り除きます。舌を前の方に引っ張り出し、首を真っ直ぐにして気道を確保します。
呼吸
愛猫を横に寝かせると、呼吸をしていれば腹部が上下しています。鼻先に耳を近づけて、呼吸音を確認しても良いでしょう。ティッシュなどを鼻の前に吊して確認する方法もあります。また、歯茎を見てピンク色ならば酸素は体に回っていますが、青や白になっていたら危険な状態です。このような場合や呼吸が確認できない時は人工呼吸が必要となります。
心拍
心拍があるかどうかを確認するには、愛猫の首もとや後ろ足の付け根(内股)に指を当てます。正常時に愛猫の脈がとれる場所をチェックしておくと、いざと言う時役に立ちます。脈動が感じられればOKですが、もし感じられない場合は、歯茎の色を見ます。正常であればピンク色をしていますが、異常があると暗いピンクや白になっています。また、歯茎を指で押して離すと、普通は一旦白くなったものがすぐにピンクに戻りますが、白いまま戻らない場合は心臓が止まっている場合もあります。心臓マッサージを行って、心拍の蘇生を試みましょう。
人工呼吸のやり方
愛猫に人工呼吸をする場合のやり方を、チェックしてきましょう。
1, 愛猫を横向きに寝かせて、口の中の異物があれば取り除き、舌を前の方に引っぱります。
2, 愛猫の口を閉じ、首を真っ直ぐにして鼻から息を吹き込みます。この時、愛猫の腹部が広がるのを確認しましょう。直接口を付けるのを避けたい場合はシリンダーのような筒を使い、息を吹き込みます。愛猫が自分で息をするまで、1分間に10回〜20回繰り返します。
3, 15秒ごとに愛猫の脈拍を確認します。もし脈がない時には、心肺蘇生術(CPR)を行ないます。
心肺蘇生術(CPR)のやり方
前述の人工呼吸をしても呼吸や脈が確認できない場合、心臓マッサージも合わせて行う、心肺蘇生術を行ないましょう。
人工呼吸後、心臓マッサージを行ないます。愛猫の心臓の位置を確認するには、左の前足を胸元に引き寄せてひざの当たる部分を調べます。そこが大体の心臓の位置となります。両手の指を絡めて肘をまっすぐにして、10秒間に15回程度心臓を押します。3、4cm程度胸が沈む強さでOKです。あまり強くすると肋骨が折れてしまいますので、注意して行ないましょう。心臓マッサージをしたらもう一度人工呼吸を行ない、蘇生したかを確認します。
もししていなければ、心臓マッサージ15回+人工呼吸1〜2回をワンセットにして、5分から20分程度繰り返します。3セットごとに呼吸と心拍の確認を行うと良いでしょう。蘇生した場合は速やかに、動物病院へ連れていきましょう。
愛猫を救うために1番大切なこと
愛猫の緊急時、命を守る為に1番大切なのは、なんだと思いますか?それは、『飼い主さんが落ち着く』ことです。例えば愛猫が心肺停止状態になってしまったら、誰だって慌ててしまいます。でもそこで飼い主さんが落ち着いて対処しなければ、愛猫の命は失われてしまうかもしれません。
愛猫や愛猫の周りの状況がどうであっても、まずは落ち着くことが1番重要です。緊急時に遭遇したら深呼吸をして、飼い主さんご自身が冷静に対処できるように心がけてください。飼い主さんが不安がって慌てていたら、その気持ちは愛猫に伝わってしまいます。難しいですが愛猫を救うためにも、頑張りたいところですね。
まとめ
緊急時には何が起こるか分かりません。準備をしていても、想定外のことが起こる可能性もあります。ですが最低限、愛猫の状態を確認する方法や蘇生法を覚えておくと、いざと言うときに非常に重要な助けとなります。普段から練習をしておくと、スムーズに行うことができるでしょう。
40代 女性 さる
うちの猫ちゃんは、昔高い場所からずり落ちて頭を打ちました。瞬間、脳震盪を起こしたようでした。すぐに獣医さんに相談したところ今は動かさないようにと言われました。意識はありましたが呼吸がまばらだったので、心臓あたりをさすっていました。1時間後には獣医さんに診ていただき、検査もしましたが異常がなかったので良かったです。特に、高い場所にいるときには注意が必要ですね。