猫のニキビが出来る4つの原因と治療法

猫のニキビが出来る4つの原因と治療法

猫の唇から顎にかけて、黒いポツポツが・・・拭いてもとれないこのポツポツ、もしかしたら猫のニキビかもしれません。では、この猫の顎にできるニキビは、放っておいても良いものなのでしょうか?治療法は?今回は猫のニキビについて詳しくご紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫のニキビが出来る理由

女医に顎を見てもらっている猫

猫のニキビとは、主に唇付近から顎のあたりにかけて発生する黒くポツポツした部分のことを指します。炎症を伴う重度の場合には「猫ざそう」と呼ばれる場合もあります。一見するとキャットフードなどの汚れがついたようにも見えますが、実はこれは猫のニキビです。

ニキビが出来る理由は、バクテリアが繁殖している事。早めに対処してあげましょう。

猫のニキビは老若男女、品種問わず!

この猫のニキビは年齢や性別などを問わず、どの猫でも発症する可能性があるものです。ニキビの発症箇所の多くは唇や顎ですが、その他皮脂を分泌する皮脂腺のあるまぶたや、しっぽの付け根、またオス猫でしたら陰嚢や包皮などでも発症することがあります。

この猫のニキビは軽度でしたら、命に直接関わるようなことにはなりませんが、時折マラセチア菌などの菌が繁殖してしまうことがあり、これが悪化すると膿皮症(皮膚の上で菌が過剰繁殖して化膿し、膿を出している病態のこと)と呼ばれる状態に進行してしまいます。また、痛みやその違和感のために爪で引っ掻いたりすると、その引っかき傷から出血してバイ菌が入り、二次感染を引き起こしてしまうことがあります。

猫のニキビの症状

猫のニキビはぱっと見でわかる、黒いポツポツの、集合体のような状態の他、病状によっては脱毛、あごの下の腫れ・出血、触った時の皮膚の違和感・硬さ、また猫自身があごの下をしきりに引っ掻くなどの症状が挙げられます。いずれにせよ、普段と違う様子が見られたら、病院で一度診察してもらうことをおすすめします。

猫のニキビの原因

フードを食べる猫

それではこの猫のニキビ、一体どんな原因が考えられるのでしょうか。

  • 猫のニキビの原因:プラスチック容器での食事
  • 猫のニキビの原因:毛づくろい不足
  • 猫のニキビの原因:フードの成分が体に合っていない
  • 猫のニキビの原因:ニキビダニ

プラスチック容器での食事

猫用の食器にプラスチック製の容器を使っている飼い主さんは、少なくないのではないでしょうか。確かにプラスチック製の容器は汚れが落ちやすく安価で非常に便利ですが、実はプラスチックは多孔性といって目に見えない小さな穴がたくさん空いている物質です。この小さな穴の中ではバクテリアが繁殖しやすいため、食事の際にこの繁殖したバクテリアが猫の顎に付着することによって、猫のニキビの原因になることがあります。
陶器製のお皿でも手入れ不足で洗わなければ同じ事が起こります。

毛づくろい不足

体調が悪かったり、高齢になったりして毛づくろいが不足していませんか?猫の毛づくろいには身体を清潔に保つ大切な役割があります。ですのでこの毛づくろいが不足すると、バクテリアが繁殖してしまい、猫のニキビが発生してしまうことがあります。

フードの成分が体に合っていない

キャットフードの成分が猫自身に合っていない場合、皮脂が過剰に分泌されてしまうことがあります。これにより皮脂腺のある箇所に猫のニキビができてしまうことがあります。

ニキビダニ

ニキビダニは毛包虫とも呼ばれ、バクテリアよりもはるかに大きいダニの一種です。日頃、一定数常在しているニキビダニではありますが、不衛生だったり、湿度が高くなったりすることによって異常繁殖してしまうことがあり、これにより起きた炎症が、猫のニキビの原因になってしまうことがあります。

これらの他、不衛生な生活環境が続いたり、投薬の影響があったりするなども猫のニキビの原因となることがあります。

猫のニキビの治療法

タオル

猫のニキビの治療法としては、日頃の生活環境を省みて先に挙げたような原因のうち、心当たりのある箇所を改善することが何よりの治療法になります。直接的な治療法としては、軽く濡らしたタオルを電子レンジで人肌程度に温めて、ニキビの発生している周辺を優しくふき取る方法も効果的です。

この時にニキビを取り除こうとして強くこすったり、またブラシのようなものでこすったりすると角質層に傷をつけることになり、かえって悪くしてしまうことがありますので、絶対に避けるようにしましょう。

まとめ

顎を撫でられている猫

猫のニキビのような症状は重症化しない限り、直接命に関わることはありませんが、そのぶん非常に治りづらい状況になってしまうことが多々あります。特にニキビダニが原因の場合は、常在しているダニであるだけに完全な駆除が難しく、症状を緩和するまでには長い時間がかかってしまうこともあります。ですので、日頃から生活環境を清潔に保つことを心がけ、まずは猫のニキビを予防することを第一にしていきましょう。

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