猫にとっての幸せな暮らしとは
猫は我々人間のように、言葉によるコミュニケーションが取れません。それ故に、猫にとって何が幸せなのかということは推測することしかできません。ここでは猫の習性に則って、猫が幸せに感じられると思われる暮らしについて、ポイントを3つご紹介いたします。
1.安全な環境で暮らせること
完全室内飼育の猫は、自由度が低くストレスになると感じる方もいらっしゃるでしょう。だから飼い猫であっても、自由に外へ出してあげたほうが幸せなのではないかと思われるかもしれません。しかし、外の世界は人間が想像する以上に危険が多いものです。
現在、室内のみで暮らす猫の平均寿命は約16歳です。一方野良の場合は4~5年、状況によってはそれよりも早く生涯の幕を閉じる猫もいます。これは過酷な環境下での生活はもちろん、病気や事故に遭うリスクが高いためです。
よって、安心して暮らせる家があるということは幸せなことなのです。猫は室内で上下運動をしたり、獲物に見立てたおもちゃで遊ぶことで猫本来の感性を忘れることなく楽しむことができます。
2.必ずご飯が食べられること
飼い主さんという家族がいる猫は、危険を冒して食料を調達しなくても必ずご飯が食べられます。次はいつ食べられるだろうと心配する必要がありません。一度に無理をしてガツガツと食べることもなく、体力を温存するために行動に制限をかけることもないのです。食べることは生きることに直結します。猫にとって、確実に食事にありつけるということはストレスの軽減にもつながるでしょう。
3.愛情を注いでくれる人がいること
猫は、安全な環境で暮らし、安心して食事や睡眠を十分にとることができれば幸せなのでしょうか。元々単独行動で暮らす動物ではありますが、やはり愛情を注いでくれる存在は必要不可欠です。バリエーション豊富な食事や、日々進歩する医学の力も猫が長生きするようになった要因の一つです。
しかし、これらも猫自身が生きたいという気持ちが伴わなければ、思うように効果を発揮しないことがあります。たとえ言葉が分からなくても、飼い主さんが惜しみない愛情を持って接していることは理解できます。猫は性格にもよりますが、犬のように積極的に甘えるわけではありません。しかし、心を開いて身を委ねられる存在は他の動物と同様に必要としています。
愛猫が幸せに暮らすために気をつけること
人間とは異なる習性や感覚を持つ猫と暮らすために、我々人間も配慮しなければならないことがあります。特に保護された猫の場合は、人間に対してマイナスイメージを持っている可能性が十分考えられるため、注意が必要です。大切な愛猫が幸せに暮らすために、人間が気をつけなければならないことは主に次の4つです。
- 人間は怖くないと伝えること
- 好きなこと、嫌いなことを理解すること
- 猫にとっての安全を脅かさないこと
- ありのままを受け入れること
過去に心無い人間に虐げられた経験のある猫は、当然人間は怖い存在として認識してしまいます。たとえ飼い主さんが愛情深く接しても、最初は怯えてしまうことがあるかもしれません。この場合、焦らないことが大切です。少しずつ距離を縮め、人間は怖い人ばかりではないと伝え続けましょう。
猫の好きなこと嫌いなことを知る
そして、愛猫の好みや嫌いなことを把握することも大切です。猫はとても個性豊かです。本に書かれていること、ネットの情報に頼り過ぎずに向き合うことが幸せにつながることもあります。また日常生活の中で悪気がなくても、猫にとっては怖いと感じることが多々あります。猫は人間よりも遥かに体が小さいこと、聴覚が優れていることなど、感覚器官の違いにも目を向けてあげましょう。
重要なのは
そして、最も重要なことはありのままを受け入れることです。猫と暮らすことは、楽しいことばかりではありません。排泄物の処理や、高齢になれば介護が必要になることもあります。若いうちはイタズラをしてしまうこともあります。全てが人間の思い通りにはいかないということを念頭に置き、愛猫という存在を理解してあげてください。
まとめ
今日のねこちゃんより:もも / ♀ / アメリカンショートヘア / 2.5kg
今回は、猫の幸せな暮らしについて紹介させていただきました。本当の意味での幸せは人間には分かりません。それでも、大切な愛猫にとっての幸せとは何かを日々模索することは、無意味なことではありません。
まずは猫を知り、そのうえで愛猫ならではの性格を理解し、時には猫の目線から物事を見てみることも、幸せに繋がるきっかけになるかもしれません。