猫を多頭飼いする人は意外に多い…2匹目をお迎えする時の注意点とは?

猫を多頭飼いする人は意外に多い…2匹目をお迎えする時の注意点とは?

猫ちゃんを飼っていると、もう1匹飼いたいと思ったことはありませんか?留守がちな飼い主さんはもう1匹いればさびしい思いをさせなくてすむのでは?と考えたり、単純にもう1匹飼いたいと思う方もいらっしゃると思います。その上での注意点です。

SupervisorImage

記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

猫の多頭飼いをしている人が増えてきている

窓辺で寄り添って座る2匹の猫

猫ちゃんを飼っていて途中からもう1匹飼いたいと思っている方は多いと思います。実際に猫ちゃんを飼っている世帯で平均的な数値は1.77匹というものなんです。(一般社団法人ペットフード協会平成27年度全国犬猫飼育実態調査)

意外にも多頭飼いしている世帯は多いんです。多頭飼いは1匹で飼う生活よりもより楽しい猫ちゃんライフを送るきっかけにもなりますし、家を留守がちな飼い主さんに多い猫ちゃんの「分離不安症」を防ぐことにもつながります。

また、社会性を学ぶきっかけにもなるのでむやみに飼い主さんを噛むようなことも少なくなるでしょう。

猫の多頭飼いで気をつけるべき点

子猫に近づいて匂いを嗅ぐ茶トラ猫

猫ちゃんの相性

若い猫ちゃんの方が環境の変化に対して柔軟性があり新しい猫ちゃんを迎えやすい傾向があります。高齢の猫ちゃんは新しい環境を嫌う傾向がありますので、多頭飼いを避けた方が良いと思います。

またメス同士や避妊・去勢手術を終えたメスとオスの組み合わせは、オス同士よりもは共同生活を送りやすいことが多いようです。オス同士では縄張り意識が互いに強いので上手くいかないことが多いです。

さらに兄弟猫はお互いに受け入れやすい傾向があるので、子猫の時から一緒であれば多頭飼いが上手くいきやすいです。ちなみに1匹から2匹よりは2匹から3匹の方が馴染みやすいといわれています。

部屋の数−1がちょうどいい

お住まいの環境によって飼育できる上限数の目安が異なります。基本的には部屋の数−1がちょうどいいとされています。

それ以上増えてしまうと猫同士の相性が悪かった場合に先住猫の縄張りに新人猫が入らざるをえない状態になり、トラブルになりやすいです。またストレスから粗相の回数が増えてしまったりと望ましい環境とはいえない状態になります。問題行動を防ぐためにも無理のない範囲で飼いましょう。

費用や猫ちゃんにかける時間

食費なども当然飼う数が多い程増えます。まとめ買いなどの工夫でクリアできますがトイレの数なども増やさなければなりませんし、ブラッシングにかける時間や動物病院にかかる費用も一匹のときよりは確実に増えます。

途中でやっぱりできないというわけにはいきませんので、全てを把握した状態で多頭飼いをするようにしましょう。

猫の健康管理

ご飯を食べる猫と飼い主の膝の上でくつろぐ猫

多頭飼いでは単独飼いのときとは違ってご飯をあげる時間がとても重要です。個体ごとにきちんと食べているかの把握を飼い主さん側で行わなくてはいけません。

特に大人用と子供用でご飯の種類が違う場合は、2匹が誤ってとりかえっこしてご飯を食べることのないように見張っていなければなりません。

また、猫ちゃんの性格によってもご飯を食べるのが早い子と遅い子がいます。早い子が遅い子の分も横取りして食べてしまうと、猫間のトラブルになりますし、遅い子が栄養をきちんととれず健康面の不安にもつながります。

猫同士仲良くなってもらうためには

ケージの中で眠っている子猫

対面時に気をつける

後から来た猫ちゃんはケージに入れて先住猫に会わせると良いでしょう。最初は先住猫が威嚇するようなことが起きるかもしれません。両方の猫がとても友好的な場合を除いて、まずは、先住猫と新しい猫の両方が、同じ空間にいることに慣れる必要があります。状況でも最低2週間は両方の猫の逃げ場を確保して、焦らずじっくり様子を見るようにして下さい。

人間と同じように猫ちゃんも初めて見た新しい子には警戒をしてしまう子もいます。時間が経つにつれて徐々に仲良くなるパターンもありますし、何年経っても新しい子の存在を受け入れられない子もいます。仲良くはならないけど、同じ空間で暮らすくらいなら問題ないような場合もあります。

留守番させるときはケージへ

ケージ越しで特に問題がなさそうに見えても、留守番させるときには万が一のためにケージに入れておきましょう。飼い主さんが居ないときは何が起きるか分かりませんので安全のためです。

爪を整える

単独飼いでも必要なことですが爪はこまめにお手入れしておきましょう。家具などのダメージを減らせる他に猫ちゃん同士の接触時に怪我をさせないことにもつながります。

喧嘩が起きてしまった

喧嘩をしている2匹の猫

喧嘩をしてしまってもどちらか一方が追いつめられてまいったという状態にならないのなら、ある程度猫ちゃん同士にお任せして下さい。単純にじゃれあってるだけの時もあります。

どうしても仲良くならない

どうしてものときには猫ちゃんにもパーソナルスペースが必要ですので部屋の隔離も考えましょう。つまり、新しい猫を迎える場合には、先住猫と相性が合わない場合も考えて、家の中に猫の数と同じ数の猫部屋を用意する準備ができなければいけません。相性が非常に悪い場合や、非常に憶病な猫ちゃんの場合、相手の存在があるだけでもストレスから体調を崩す子もいます。その場合には、家の中で猫ちゃん同士が出会わないようにする必要すら出てきます。トイレの数、お水置き場の数も猫の数だけ必要になります。

また、どれだけ仲良くなっても安心できるパーソナルスペースは猫ちゃんには必要です。猫タワーの見直しや猫ちゃんみんなにとってそれぞれが1人で安心できる場所が部屋の中に設置されているのかどうか改めて確認もして下さい。

まとめ

同居猫の毛づくろいをしている猫

多頭飼いの生活スタイルは多くの飼い主さんが夢見ますが、気をつけるべき点も多いので慎重に行いましょう。楽しい面ばかりではなくずっとかかり続ける費用も増えますし、猫ちゃん同士の相性も重要になります。相性がとても悪かったとしても対応できる準備が必要です。きちんと覚悟と準備ができたら、優しく見守りながら多頭飼いに挑戦していきましょう。

スポンサーリンク