猫の若い頃とシニア期では生活はどう変わる?

猫の若い頃とシニア期では生活はどう変わる?

猫の成長はあっという間で、年齢を重ねるのも早いのが特徴ですよね。子猫から成長して落ち着いてきたと思えば、もうシニア期に入っていたと言うくらい流れが早いのです。猫の年齢の早さがわかるのは、猫の行動も変化するからなのです。年齢から変化する生活について見ていきましょう。

SupervisorImage

記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の年齢で変わる生活を比較してみよう

子猫

食事の変化

猫の年齢で変化する中でも最も分かりやすいのは食事の内容です。

食事をしっかりと食べてもらうのもそうですが、栄養はどのステージでも大事です。若い猫は育ち盛りの時期なので、栄養価の高いフードをたくさん食べてもらわなければいけません。成長過程も落ち着き成猫になってくれば、子猫の頃のような量を与えていては肥満や病気に繋がりますので、年齢に必要な量を与えていかなければいけません。

猫が高齢になりシニア猫と言われる年齢になると、逆に食事の量が減ってしまうので、少しの量でも栄養や質の良いフードから健康を維持していけるようにしないといけません。

運動の変化

猫も人間と同じように、若い頃は体をよく動かして、食事をエネルギーに変えては運動をしてというのを繰り返しています。しかし、シニア期になると運動量はぐんと下がり、体を動かさなくなってしまいます。若い頃は寝る時間を削って遊んでいた猫も、年齢が重ねるにつれ、体を動かす事が面倒くさくなって寝る時間を優先してしまうのでしょう。

健康状態

老いというのはもちろん人間だけにあるものではなく、猫でも加齢と共に、体にいろんな症状がでてくるものです。

若い頃は病気ひとつなくやって来られても、シニア期に入ると、そうはいかないのが自然の流れです。若い頃に高い所をすき放題飛び跳ねていた猫も、年とともに骨や筋肉が衰えてきます。また、好き嫌いなく食べていたフードも好みが変わったり、歳をとるごとに消化能力も低下していきます。このように猫の行動ががらりと変わるのは、老化のサインの場合もあれば隠れた病気が見つかる事もあるようです。

猫の年齢に合わせた生活習慣

食事をする猫

フードの切り替え

猫の年齢をもう少し細かく噛み砕いてみると、0~2ヶ月頃を子猫期、3ヶ月~1歳半頃を幼猫期、1歳半~7歳頃を成猫期、7歳頃~シニア期と言った成長過程になります。

離乳食からスタートしていき、栄養価や回数、量を気にしていきながら1歳頃になるとようやく成猫になります。年齢に合わせ、その度にフードを切り替えて行く必要があるのです。

年齢に見合ったカロリーを摂取することが重要ですが、さらにシニア期には、消化器官の負担を減らすための消化しやすいシニア用フードに変え、健康状態を維持して行くように心がけましょう。

運動ができているか

幼い頃や若い頃は、好奇心や興味があり何にでも反応してはじゃれていましたが、幼猫期がすぎた辺りから行動が落ち着いてきます。遊んだり運動するよりも、お気に入りの場所でゆったりと過ごす時間が増えてきます。

シニア期になるともっと寝る時間が増えて運動不足になりやすいでしょう。狩猟本能が年齢と共に減少する事も運動不足になる原因です。ストレス発散、脳の刺激も猫には必要で、運動の源を作れる環境が必要でしょう。

必要な運動量をこなすことは、肥満や病気のリスクを減らします。毎日猫が運動できているのかをチェックし、遊びたがらない猫はおもちゃで誘導するなど、運動させるようにしましょう。ストレスの発散にもつながりますし、スキンシップにもなるのでできるだけ時間を作って一緒に遊んであげましょう。

健康の維持

猫の健康を維持するには、ワクチンの接種、避妊去勢手術、定期健診をしていくのもとても重要です。

日々の食事や運動も大切ですが、感染による病気から、猫の体を守ってあげなければ意味がありません。若い頃から予防接種を続ける事と、シニア期に入ったら定期健診を毎年受ける事が寿命を伸ばすことにも繋がります。とくに7歳を過ぎると猫も高齢になります。体の機能が低下して、抵抗力が弱まり病気にかかりやすくなっていきます。大きな病気を発症しやすい年齢でもあるので、健康診断は重要になると言えます。

環境の配慮

猫がシニア期に入ると、今まで出来ていたことが急に出来なくなる事が増えてきます。例えば、高い場所に上れない、体温調整ができない、トイレが減る、食事や水の容器が低くて辛いなど様々なリスクがでてきます。

高い所に上がっても下りられない、トイレの位置が高いなど今まで通りに行かない事があるようです。温度管理も飼い主さんの力が必要になるのでしょう。

猫がいつも使う物の高さをのぼりやすく低くしてあげたり、ごはんの器を少し高めに設定してあげたり、快適な寝床を用意して置く、などの環境の整備も大切です。また爪切りやブラッシングのケアにも注意して行かなければいけません。

高齢になってくると爪を研がなくなってしまって気づかない間に爪が伸び肉球に刺さってしまっていることもあるので注意しましょう。ブラッシングはスキンシップにもなりますし、病気の早期発見にもつながりますのでできる子は定期的にしてあげましょう。

まとめ

猫の親子

猫の若い頃とシニア期では生活はどう変わる?と言う内容についてお話しました。猫も人間も年齢を重ねると同じように衰えがでてきます。体に変化がでるのは自然現象です。いつまでも元気で無邪気な猫でいてもらう為にも、食事、運動、健康には気を使ってあげたいです。猫にとっても、年齢によって生活習慣はとても大切だと言うことでした。

スポンサーリンク