黒猫ハナちゃん
出会い
犬のマリスと一緒に行っていた行きつけの店が潰れてしまい、新たなお店を探しているとき、そこのお店の看板猫が3匹の子を産んだので、その内1匹でも貰って欲しいと言われ、子猫を見に行きました。
母親とすやすや眠る2匹の子猫、もう1匹はどこかなと探していると、少し離れたところで2足歩行している猫を発見したのです。驚きながら近づいても、気にすることなく、何かを追いかけ2足歩行のままで、まるで踊っているようでした。
真っ黒で、小さな黒猫さん、邪魔してごめんねと思いながら抱き上げると、愛犬マリスと目が合い、嬉しそうに立ち上がって、その猫を見つめています。その場で貰い受けると決めました。
▲ハナ2ヶ月▲
車の中でマリスは大はしゃぎ。家に着き、お風呂に入れて、乾かして、ご飯の支度。店員さんから頂いたウエットフードをあげました。
子猫なので、少しずつ食べます。残すとマリスが全部食べてしまいます。子猫にハナちゃんと名付け、マリスに今日から家の子だからよろしくねと言い、マリスにあずけました。
▲マリスのおなかで眠るハナ▲
種族が違っても、雄でも子供を育てるということを本能で分かっているようです。やさしく包み眠らせ、遊びの相手もして、食事はハナちゃんが先に食べその後でマリスが食べます。
だんだんヤンチャになっていくハナちゃん、観葉植物のアロエを食べたり、暴れまわってアロエを落としたり、土を掘って抜き出したりとアロエを枯らしてしまいます。
▲マリスとの遊び▲
ハナちゃんの遊びは激しさを増し、最初は優しく相手をしているのですが、マリスが逃げるくらい激しいのです。それでもご飯を一緒に食べ、眠るのはマリスのおなかで眠ります。
マリスのストレス発散に、3日に1度くらいは、全力で走れるところに連れて行き、放してあげていました。
▲ハナちゃんの生まれたお店▲
ハナちゃんは産まれたお店に行くと、懐かしいのか、親を探してるのか、マリスと一緒に外を眺めています。すくすく成長し、思っていたよりも早く発情を迎えました。
避妊手術
不妊手術をするために1日入院です。帰ってきたハナちゃんは、お腹が気になるようで、テープの上から舐め始めます。あまり激しいとエリザベスカラーなども必要です。
抜糸後も数日は大人しくさせて見守ってください。中には傷口を開いてしまう子もいます。そうなるとまた獣医さんに行って、消毒し、縫ってもらうことになってしまい、ストレスをかけてしまい、病院嫌いになってしまうケースもあります。
▲家族でお出かけ、マリスとハナちゃん▲
長く家を空ける時などは、ハナちゃんも一緒にお出かけします。車に乗せる前にしばらく草むらで遊ばせ、ゆったりとした気持ちで、ゆっくり出発します。
▲北海道旅行、マリスとハナちゃん▲
車慣れしたマリスくんとハナちゃんを連れて、北海道への旅、1日300kmと決めて、ゆっくりの旅、所々に休憩を入れ、滝を見たり、自然とふれあいながらの旅をしたのです。
函館で眠るとき、ちょっと窓を開けすぎた隙に飛び出し、暗闇の中に消えたのです。ハナちゃんと呼べば返事をするので、名前を呼び続け側溝の中にいたのを見つけタオルで拭きながら、ホッとしたのです。短時間でしたが、函館の子になってしまうのではないかと本気で心配しました。
▲ニコさんを教育するハナちゃん▲
マリスのお嫁さんにニコさんを貰い受けたのですが、教育はハナちゃんが、優しく時に厳しく躾てました。
その結果、マリスのお嫁さんはハナちゃんであり、ニコさんはマリスとハナちゃんの子供という地位に落ち着いてしまったのです。犬族は避妊も去勢もしていなかったのですが、結局子供には恵まれませんでした。
▲優しく2匹を舐めるハナちゃん▲
ニコさんが来て1年後に、子猫を保護したのです。年功序列でニコさんがメインの子育てでしたが、ハナちゃんも優しく寄り添って育てていました。保護したうちの1匹にモモと名付けて家族の一員に加わり、2犬2猫との共同生活が始まります。
▲ミーアさんを教育するハナちゃん▲
8年の歳月が流れ、突然嵐のようにやってきた子猫、ミーアと名付け老犬老猫皆して育てていました。ハナちゃんと10歳違うミーアさん、元気のいい子でやんちゃな子です。
それでもハナちゃんは優しく指導し、虫の取り方など教えていました。1年もしないうちに、立派なハンターに育て上げました。
お別れ
ミーアさんが来て1年過ぎた頃、また子猫を保護しました。ちょうどその頃マリスが歯周病でカリカリを噛むとキャインと鳴いていたのです。ハナちゃんもカリカリを食べづらそうにしていて歯が痛いのかなと思っていたのです。
子猫の世話を焼いて気付かなかった落ち度です。次の日、水を飲みたそうにしているハナちゃんにぬるめのお湯をあげたのですが、すぐ戻してしまいそのあとも吐き続けたので病院へ行きました。
診断は腎臓病です。注射を打ち、3日後に来てくださいと言われ連れて帰りました。その日の夜には、体の力が抜け抱き上げるとおしっこが漏れてしまいます。ハナちゃんのベットにタオルを敷き詰め優しく撫でながら声をかけ続けました。
ゲハッとして呼吸が止まりました。吐いたものが喉に詰まり呼吸ができなくなって背中を叩いても吐き出してくれず、人口呼吸しても、肺が膨らみません。手の中でゆっくりと心臓が止まっていきました。目をそっと閉じて、お別れです。
死後硬直のとき、子猫がわからずに遊ぼうとしていましたが箱に入れ朝を待ちお別れしました。享年11歳でした。
まとめ
美しい元気な時のハナちゃん。
腎臓病はなかなか気づきません。腎臓機能の75%が失われてからはじめて深刻な症状が現れるそうです。
- 食欲がない
- 水をよく飲む
- 頻繁に排尿している、あるいは排尿をしない
- 嘔吐や下痢をする
- 毛づやが悪くなった
- 体重の減少
- 口に痛みを感じている
- 活動の減少や睡眠量の増加
兆候が見られたらすぐに病院に行くことが必要ですが、手遅れの場合が多いようです。毎年の健康診断や、腎臓病後の費用はかなり高額です。最後は飼い主さんの判断で決めてください。葬儀の費用
- ペット葬儀 2万円前後です。
- 保健所に持ち込む 市町村によって変わりますのでお問い合わせください。
- ゴミの日に出す 市町村に確認ください。
- 不法投棄はおやめください。
ペットロスはかなり心を痛めます。ハナちゃんの優しさか、死期を分かっていたかのように育て上げたミーアさん、ハナちゃんの死を、乗り越えるために来たかのような子猫との忙しい日々、偶然とは思えないほどの運命的な出会いと別れ、そして今でも、夢で会いに来てくれています。苦しいですが、愛情をかけた分、いろいろ教わったように感じています。
最後まで看取れて良かったと思います。