東日本大震災の教訓を生かして
被災猫は誰も飼い主が見つからなかった衝撃
驚いて飛び出してしまった猫さんや飼い主さんと生き別れになってしまった猫さんなど、震災の被害者は人間だけでなく、悲しい思いをした猫さんもたくさんいました。
環境省の報告によれば、「迷子札」や「鑑札」、「狂犬病予防注射済票」を付けている犬は飼い主が見つかったそうですが、猫に関しては飼い主が見つからなかったことが多いといいます。その原因として迷子札やマイクロチップを付けている猫が少なかった為だと言われています。
マイクロチップ装着の重要性
日本ではまだまだマイクロチップの装着率が低いのが現状です。いやいや、愛猫と再会できれば必ずわかるはず、と思いたいところですが、実際のところは、恐怖で性格が変わっている、保護される迄の過酷な生活環境で外見がすっかり変わっている等で、飼い主さんでさえ判断がつかない例があったそうです。せっかく保護されても飼い主さんの元に帰ることができません。その為にはマイクロチップが一番有効と言われています。迷子札や首輪は外れてしまうことがあるので万全ではありませんね。
シミュレーション!愛猫が被災したら・・
災害時はペットフード確保が困難になる!
災害時は人間の支援物資が最優先される為ペットフードは大ピンチです!
やっと入手できたとしても食べたことがないキャットフードになる可能性が高く、受け付けないことも多く体調を崩しやすいそうです。普段からストック分として、いつも食べ慣れているフードを約一か月分確保しておくようにしましょう。
全ての避難所がペット可という訳ではない
愛猫が心配なので、避難所に連れていきたいと思う飼い主さんがほとんどでしょう。環境省は、ペットと一緒に避難所まで避難する「同行避難」を推奨しています。
しかし実際、ペット可の避難所ばかりではありません。避難所でトラブルが発生したり、アレルギーの方の迷惑になることも。自宅が倒壊レベルではなければ飼い主さん達は一時避難、愛猫は自宅でケージの中、飼い主さんは一日に数回、フードと水の補給に帰ってくるという手段を取らざるを得ないこともあります。
行方不明
びっくりして開け放った窓から外に飛び出しそのまま行方不明になったり、飼い主さんが亡くなったりすると、野良猫さんになることもあります。行方不明になっても近くに潜んでいることが多いと言いますので、猫が愛用していたケージやキャリーを外に置いておく、飼い主さんの匂いがついた毛布や洋服を並べておく等、試してみてください。
飛び出しに関しては、極力そのようなことにならないよう避難経路として開ける窓やドアを決めておくとか、その時愛猫をどうしようかと日頃から想定しておくことが唯一の防止策です。
飼い主さんと一緒に避難!
自宅半壊、全壊、津波避難等で、自宅を離れるケースもあります。かわいい愛猫を守る為にもまずは飼い主さんの身の安全の確保優先です。
いざペット可の避難所に避難できたとしても、周囲の皆さんとトラブルなく共存する為に細心の注意を払わなくてはなりません。アレルギーの方と隔離できるようポータブルケージで生活させる、悪臭にならないよう脱臭のトイレセットを用意していく等、今から考えておきましょう。
次の項目で、具体的にどのような避難グッズを用意しておいたら良いか、我が家の準備状況を具体例としてご紹介させて頂きます。
愛猫の避難用防災グッズは何を用意する?
実際に用意してみました、こんなグッズが必要です!
実際に命からがら避難するケースは、まずは一週間分の水とフードを用意する必要があると言われています。しかし実際に用意してみるとリュックがパンパンになる程のかなりの大荷物になりました。人間用の避難グッズもありますが、愛猫の入ったキャリーバック+愛猫の避難グッズで約10㎏です。
(実際に用意したもの)
- 普段食べているキャットフード8日分
- ペットシート3枚
- 軟水の水(500ml×3本)
- 赤ちゃん用おしりナップ(ノンアルコールタイプ)
- トイレ砂(消臭タイプ)
- トイレスコップ
- ステンレス製の食器(水用、フード用)
- ポータブルケージ
- ポータブルトイレ
- ワクチン証明書
- 飼い主と写っている写真
- ハーネス
ポータブルケージとポータブルトイレ事情
我が家は猫壱さんのものを購入しました。ポータブルケージについていた袋が優れものでこの中にポータブルトイレやその他小物類も入れられるので便利です。
キャリーバックで避難して何日もそのままというわけにはいかないので、避難生活になった場合はポータブルケージとポータブルトイレが必要になると想定しました。このポータブルケージは、ポータブルトイレと猫2匹まで入れます。
「トイレの砂の代わりに新聞紙をちぎったものでOKです」とよく紹介されていますが、避難所で集団生活となった場合には極力周囲に迷惑をかけないよう配慮したいですよね。消臭タイプのトイレ砂は外せないと判断しました。少々重いけど小袋をリュックに詰めました。
キャットフードは2日分ずつ4袋用意
1日分を1袋ずつ詰めるのが理想だったのですが、極力かさばらないようにしないとリュックにすべての荷物が入りきらないので、2日分ずつ厚みを出さないように詰めました。
我が家では1か月経過したら新しいものと交換、ストックは1か月多め、というルールを徹底しています。
水は軟水で!
硬水は尿路結石の原因となりやすいと言われていますので、用意するミネラルウォーターは必ず軟水ものものを用意しましょう。
ワクチン証明書と家族と写っている写真
ペット可の避難所も避難所内感染を防ぐためにワクチンの証明書が必要です。日頃からリュックに詰めておくことをお勧めします。また、家族と写っている写真は万が一はぐれてしまった時にも家族であることを証明するものになりますので用意しておきましょう。
愛猫用避難グッズだけで6.4kg!?
愛猫用避難グッズとキャリーバック
マニュアル通り必要なものを詰めたところ重さは6.4kgになりました。リュックタイプでなければ女性にはかなりきついです。我が家の場合、6.4kgの愛猫用避難グッズのリュックを背負い、3.7kgの愛猫を入れたキャリーバックを斜め掛けスタイルで避難ということになります。
これ以外に人間用避難グッズリュックもあるので、家族が複数名いなかった場合の単身被災の時は、前にもリュックを背負ってヨロヨロ避難することに・・
愛猫用リュック測定
↓
6.4kg・・・
まとめ
防災対策はすべてマニュアル通りにはいきません。さまざまなケースを想定し想像力を働かせておく事が大切です。
シーンごとの行動指針を立て愛猫と無事に乗り越えられるようにしていきたいですね。すぐに持ち出せる愛猫用の防災セットを用意しておくこと、フードのストックの備蓄、マイクロチップ装着等は飼い主の愛情と責任です。大切な愛猫を守れるよう日頃からしっかりと備えておきましょう。