私が保護猫を迎えるまで
結婚して10数年。私達夫婦は、子宝に恵まれる事がありませんでした。2人とも猫好きだったのでいつかは猫を家族に迎えたいと考えその時は、ペットショップではなく保護猫だったり保健所から引き取ってと漠然と。しかし転勤族の為賃貸暮らし。仕事も夜勤があり現実的ではありません。そんな時、結婚して3回目の転勤。この時、運命の歯車が回り出したのかもしれません。
3回目の転勤地
住んだアパートはペット可でした。そんな時、友人からの久しぶりの連絡でした。保護猫ボランティアをしていると言う話でした。てっきり犬派だと思っていたので驚きました。『保健所にいる子猫を引き出して空輸してほしい』と、言う事でした。
友人が知人が保護主になる事。3匹引き出す予定で来ていたが他の2匹と折り合いが悪く1匹だけ残して来たと‥。旦那とも相談して引き受ける事にしました。
茶々との出会い
仕事の都合上、金曜日の夕方に保健所から引き取り翌日の土曜日の朝朝1番の飛行機での空輸。保護主さんとの打ち合わせもしっかりして、友人からキャリーも送ってもらい準備も完璧。
保護猫についても保護猫ボランティアについてもあまりに無知だった私。不謹慎かも知れませんが‥まだ、見ぬ子猫に会える喜びでワクワクしていました。
保健所へ
保健所へ行くと、猫舎に案内されました。厚い扉の無機質な部屋に並べられた狭いケージ。数匹の猫がいました。どの子も必死に鳴いていました。茶々以外は。
茶々は、小さな体をさらに小さくしてこちらを見ていました。保健所の方がケージから出そうとすると精一杯の力を込めるように‥
『シャーッ!』
そんな、茶々を見て涙をこらえていました。保健所の方から、
『猫にも人にもシャーッとしますが攻撃性はありません。嫌々ですが抱かせてもくれます』
でも、可愛いと心底思いました。この子は、本当は美猫さんだろうなと思えたんです。保健所から我が家への移動中もずっと話しかけました。
もう大丈夫だよ。心配ないよ。怖くないよ。
キャリーの中で、威嚇をする事も鳴く事もなく‥ただただ、鋭い目でこちらを見ていました。
帰宅
帰宅し、保健所から借りてきたケージに移しました。この時も威嚇も攻撃もなく固まっていました。こっそりきゅっと抱きしめ‥
『大丈夫、怖くないよ』
と、それだけ伝えてケージに。
茶々を抱きしめた時、私の涙腺は崩壊しました。こんな、小さな体でどんな辛い思いをしたんだろう。お母さんはどうしたの?兄弟はどうしたの?
保護主さんへ帰宅した事や茶々の様子を連絡しました。トイレの準備やご飯についても教えて頂きました。茶々も、少し安心したのか‥帰宅して1時間程でウトウトし始めて。私も安心しました。
うちの子になる
帰宅してから、旦那が帰宅するまでの2時間。可愛いさと、切なさとで私の頭の中はぐるぐるで。何も、手につかずずっと茶々を見つめていました。
旦那へウチの子にしたい思いを伝えると、任せるよ。と言ってくれました。まず、大家さんに連絡を取り許可を貰い、ホームセンターへ走りトイレや様々な設備を用意。
更に、保護主さんへ里親になりたい事を伝えました。電話で話して、茶々の性格を考えると懐くのに時間がかかるかもしれないし懐かず家庭内野良になるかもしれない事、20年、この子の猫生の責任を持つと言う事。
何があってもこの子と暮らしたい。私の気持ちは揺らぎませんでした。保護猫さんは私が里親になる事を予想してたみたいです。
保健所に収容されて1ヶ月。我が家に移動して‥3時間
2017年12月15日、茶々は我が家の長女になりました。名前は、私が考えていた名前は全て却下されたのですが、猫の名前のランキングを参考に決めました。
『茶々』
推定 生後4ヶ月
上下運動が苦手な茶々
初めて猫と生活すると言う戸惑いはあったものの大変だったという事はあまりありませんでした。
保健所生活でおトイレも覚えていたし、トイレ以外や布団での粗相もありませんでした。早くに、母親や兄弟と離れてしまったからなのか甘噛みが出来ない子でした。嫌がっているのか、甘えているのか悩み‥私の手はいつも傷だらけでしたが。
撫でるとゴロゴロしてくれるけど、やっぱり人は怖くて‥と言う感じでした。
ずっと、隠れるように小さくなっていました。それでも、怖くないと知って欲しくて側にいました。茶々は、長い事狭いケージに居たからか、上下運動がとにかく下手でした。少しでも、ケージで快適に過ごして欲しくてケージも特別製です。
二階建てと三階建てのケージをつなぎ合わせて広々とした部屋を作り、スロープを付けて上にも上がれるようにしました。寝床も数カ所作りました。あとは、茶々のペースで慣れてくれたら。
私達の予想とは裏腹に茶々が慣れるのには時間はかかりませんでした。ビビリな性格は未だ健在ですが。
茶々は我が家の太陽
茶々は、我が家にとって太陽です。会話も増えましたし、健康的な生活になりました。茶々がいない生活は考えられません。全てにおいて中心です。
穏やかな茶々の顔を見ているだけで癒されます。
茶々を引き取ってから兄弟が増えました!
武蔵
茶々もすっかり慣れケージ生活もそうそうに卒業してフリーになりました。茶々の避妊手術が終わった頃、地元の保護団体様から生後2ヶ月の黒猫『武蔵』を引き取りました。
琥太郎
武蔵の去勢手術が終わってから保護猫ボランティア様から、生後5ヶ月の茶トラの琥太郎を新たに迎え賑やかに日々の生活を送っています。琥太郎は、母猫、兄弟と共に少し大きくなってから保護された子です。
今は3匹仲良く暮らしています
甘噛みが出来なかった茶々も武蔵や琥太郎のお陰で加減を覚え私が傷だらけになる事もなく、今では、1番の甘えん坊で旦那が大好きなお姫様になりました。
同じく、保護猫の武蔵と琥太郎。武蔵は、乳飲み子の頃から人の手で育った子で人間にも猫にも臆する事なく人懐っこい子です。抱っこも大好きで肩乗りも得意なヤンチャ坊主そのもの。
今は、寝室とリビングを完全フリーにしています。
寝室にあった茶々専用特製ケージは撤去しました。その場所に、旦那がDIYしたキャットウォークを設置。私達のベッドの下も隙間を開けて走り回れるスペースを作りキャットタワーも設置しています。
メゾネットの賃貸の為階段も走れ、リビングには、大、小のキャットタワーとテレビ台を兼ねたこちらもDIYしたキャットウォーク。狭いアパートでも窮屈さを感じないような工夫はしています。
辛い思いをしたこの子達が安心して暮らせる様に、せめてもの人としての罪滅ぼしです。毎日、元気に走り回ったり気持ち良さそうに寝ている姿を見るだけで、私達の方が幸せをもらってます。
まとめ
茶々の、里親になってから保護活動をしている方のブログをたくさん読み、自分でも調べたりしました。地元の保健所の収容猫を調べるのが日課になってしまいました。
今の状況では自分で保護をする事は出来ず、歯がゆい思いも多々あります。せめてもと運搬のボランティアをしました。たかが一晩預かりボランティアさんへ繋ぐ。このくらいしか今の自分には出来ない。
せめて、保護活動をしている方がいてペットショップで買わなくても可愛い可愛い犬猫達がたくさんいる事を知ってもらえる機会になればと記事にしました。血統書が大事ですか?猫の品種は必要ですか?犬の品種は必要ですか?
里親募集などでよく見る理由。
- 引っ越しで飼えなくなる
- 先住猫と相性が悪い
- 飼っていた猫の避妊手術が間に合わず妊娠してしまい子猫を里親に‥
アレルギーは仕方のかも知れませんが‥それでも多すぎる。無責任に思える理由を挙げている方の多くは避妊去勢手術はおろかワクチンさえしていない。飼い主の責任を果たしているのでしょうか。
保護活動を身銭を削って行なっている方々がいる。でも、無責任な飼い主も多い。
最近では、保護猫ボランティアさんや多頭飼育崩壊について取り上げてくれる番組も増えていて、認知されていますが。これが、ひと時の流行りにならない事を祈るばかりです。