愛猫の悲しい過去
愛猫は譲渡会で里親決定し2か月半で迎えましたが、譲渡会デビューまでの経緯は悲しい過去がありまして、元飼い猫だったのがある日保護主さん宅の近くに捨てられ、一瞬野良猫さんになりました。
元飼い主さんはそのまま車で走り去り置き去りにされたそうです。保護主さんに保護されるまでの間怖い思いをしたのかショックだったのか、常にビクビクおどおどしている状態でやってきました。
極度の怖がり屋
物音に驚く、臆病で初めての場所がとにかくダメで、初日は目にも止まらぬ速さで猛ダッシュでテレビの棚の裏側に入って隠れてしまいました。
黒が多い黒白猫なので暗い場所では見つけづらく、最初は活動エリアはケージの中とリビングに限定して飼い始めることにしました。
まずは安心してもらいたい
怖い場所ではない、怖い人ではない、と思って貰うことが先決です。まずは場所に安心してもらう為にいろいろな猫グッズの置き場所を配置変更せずに常に同じ状態にして戸惑わないようにしました。
抱っこしたいと逸る気持ちを抑えてまずは、鼻の前に指を持っていき匂いを認識して貰うことから始めました。保護猫を迎えた時の様々なシーンの慣らし方をご紹介させて頂きます。
保護猫を無理なくお家に慣らす6つの方法
1、最初に教えるのは、トイレ、ご飯、お水の場所です!
猫さんが自宅に到着してキャリーバックから出てきたら、まず最初にトイレ、ご飯、お水の場所を案内してあげましょう。猫さんの暴れっぷりや怖がり方次第ですが、キャリーバックから出す時はまずトイレへ。
トイレの中に入れて匂いを嗅がせて「トイレはここよ」と教えてあげましょう。その後、フードとお水のお皿の場所に連れていき教えてあげましょう。匂いを嗅がせて「ご飯ここね」「お水はこっち」と案内するだけで本能でもう覚えます。
籠城してしばらく出てこない子には「ここに置いておくね」と言いながらフードを置いてあげると、どこかで見ていて誰もいない間にそっと出てきてこっそり食べるようになります。
コツは「一度教えたら場所を変更しないこと」、動線を変更すると戸惑って失敗の元です。
特にトイレは慣れない初めてのおうちでせっかく場所を覚えたのに、次に入ろうと思った時に「あれ?ない!」となると戸惑ってしまいますし粗相の原因になります。
まだトイレのサイズ感に慣れていなくて、お尻がはみ出していて少しこぼしてしまったりすることもありますが、叱らずに温かい目でみてあげましょう。
2、爪とぎに慣れましょう
「爪とぎの数が少ないと爪とぎ以外の場所で研いでしまいます」
食事やトイレの躾よりも難しいのが爪とぎです。爪とぎの躾が安定する迄は、「あ!そこでやっちゃダメ!」という場所で軽快にルンルン爪とぎしてしまうこともあります。
爪とぎは猫さんの爪のお手入れの他に、ストレス解消、じゃれたり獲物を狙う前の準備、目が覚めてこれから活動開始する時の習慣等々、いろいろな動機で始まってしまいます。
本能ですので、じゅうぶん爪とぎの用意をしてあげていないのに失敗したら一方的に叱るにはかわいそうです。通販で安い爪とぎを纏め買いできますので、とり急ぎ用意してあげましょう。
寝床の近く、おもちゃの近く、ソファ周辺等に置いて本能が満たされるようにしていきます。
猫さんに触れられる状態であれば、爪とぎの所で、前足をもって「ガリガリ~」と優しく動かしてあげると、案外積極的に爪とぎを始めたりします。
爪とぎの種類はいろいろ、ダンボール、紙タイプ、綿縄タイプ、麻縄タイプ、木材があります。形態もいろいろ、座って研ぐタイプ、ソファー型や円状になっているタイプもあれば、ダンボールハウスの中に設置されているタイプ、
ポール型になっているタイプ
壁に貼る(固定する)タイプ、タテ型など伸び上がって豪快にガリガリできるタイプ、おもちゃと一体化したタイプ等があります。
愛猫の場合は、迎えた当初は座って研ぐダンボール素材の安い爪とぎを数か所に設置、キャットタワーとおもちゃには麻縄タイプの爪とぎがついている物を用意、他にはダンボールハウスタイプの物をいろいろ用意して躾スタート。
ソファや壁紙でやってしまうこともありましたがだんだん定着し、爪とぎ以外でやらない子になり一応躾成功です。
爪とぎの好みはダンボールタイプ、爪とぎスタイルは伸び上がって体全体を使って豪快にバリバリできるのが嬉しいみたいです。そこで少々奮発してこちらのコーナー爪とぎを2つ購入。
リビングと2階の階段の手すり付近に設置したところ、とてもお気に入りで他ではやらなくなりました。我が家は当分これでいきます。
3、フードに慣れましょう
「体質に合うかどうか様子を見ながら少量ずつ与えます」
保護主さん宅で食べていた餌が分かれば、まずは同じフードから始めましょう。
分からない場合は月齢に合ったフードを選びます。子猫はまだ内臓が未熟ですので、大量摂取は胃に負担がかかるそうです。少量ずつ食事の回数は5~7回位で。
フードは健康の為にはグレインフリー、添加物なしのものがオススメです。
与え方も最初が肝心です。食卓に並ぶおかずのお裾分けを1回でもしてしまうと、それを覚えていてたびたび欲しがったり食卓に乗ろうとします。かわいいからこそ健康の為に、人間の食べ物と自分の食べ物は別なのだと認識させましょう。
4、寝床に慣れましょう
「狭くて左右が囲われているスペースが好きです」
今は大の字で寝ている愛猫も、初日はカチコチに緊張して遠慮がちに丸まって寝ていました。
猫さんは複数の兄弟で生まれ、みんなでぎゅうぎゅうひしめき合ってくっついている状態が安心感を持てるそうです。一匹だけ離れて知らない場所にやってきたらさぞかし不安なことだと思います。
というわけで、最初に用意してあげる寝床は、広くて上質な猫ベットよりも、タオルやミニ毛布を敷いた狭いダンボールの方が、猫さんにとっては嬉しいそうです。
飼い主さんのベットにいきなり連れて行くかどうかは、よく考えてから決めましょう。
猫アレルギーは問題ないか、夜中に出たり入ったりして寝不足になるけど大丈夫か、シーツに毛がつくのは気にならないか等々。飼い主さんの猫アレルギー有無の確認を確認したり、寝不足や安全面、夜の運動会を考慮すると、半年を過ぎるまで、ケージで寝かせるようにするのがオススメです。
5、お部屋に慣れましょう
「最初は限定した空間で過ごし慣れたら徐々にエリア拡大」
猫は初めての場所では、まずは匂いを確認することから始めます。匂いを嗅いで一通り確認することでその場所に慣れていきます。その様子を見ながら、危ないことがありそうだったらすぐに対応しますが、あとは猫さんの自由に任せます。
猫さんがうろうろしながら立ち寄る各場所を見ていると「ここは危ない」「これは撤去しないと」と気が付きますので、いきなり家じゅうを野放しにするよりもエリアを限定しながら慣らす方が自宅のいろいろな所が安全かどうか再認識できて事故が少なくなります。
完全室内飼いの猫さんにとってお部屋は縄張りですので、慣れたり安心できた様子だったら、立ち入れる場所を徐々に増やしていってあげましょう。
6、飼い主さんに慣れましょう
「いきなり触らず人差し指を鼻の前に持っていって」
早く抱っこしたりナデナデしたい、ブラッシングもしたいし一緒に遊びたいと、嬉しくて猫愛が溢れてしまいますが焦りは禁物です。
まだ慣れていない時にいきなり触ろうとするとびっくりさせてしまって逆効果です。
まずは仲間意識を持ってもらうところから。猫式の挨拶をしてお友達になりましょう。仲良しの猫さん同士の挨拶は鼻を近づけますので、鼻の前に人差し指を近づけて匂いを覚えてもらいましょう。猫さんの方から鼻を近づけてきてくれれば、認めてくれた証拠。仲良しになれる日も近いでしょう。
猫は観察も大好きですので、飼い主さんのやることをじっくり見ています。
トイレ掃除やご飯の用意等、お世話を積極的にやりましょう。トイレを綺麗にしてくれる人、ご飯を用意してくれる人、温かい寝床を整えてくれる人・・快適にしてくれて守ってくれる人とわかるとよく懐いてきてくれるようになるでしょう。
まとめ
新しく保護猫さんを迎えると生活が軌道に乗るまで時間がかかり、楽しいながらも大変な日々が始まりますよね。無理なく慣らしていく為には猫さんの習性や本能も理解しておくことが大切です。
ちょっとしたコツを習得しながら猫さんを慣らしてあげましょう。
躾は最初が肝心ですし、特に食事の習慣は一生の健康を左右するのでかわいいからこそきちんとけじめをつけていきましょう。
環境が変わって緊張するのは人間も猫さんも同じ。そんな気持ちを受け止めてあげながら気長に優しく向き合っていきましょう。