盲目の保護猫のお婆ちゃんを終生飼養で預かった理由
どのくらいの期間、保護センターに収容されていたのかは分かりませんが、全盲のお婆ちゃん猫が保護されていました。推定年齢10歳前後です。もしかしたらもっと歳をとっているかもしれません。
目は開いているのですが、保護された当初からあちらこちらに体がぶつかっていたそうです。どうみても、目がはっきりとは見えていないようでした。
ただ、収容されているケージの中の水やご飯の場所はちゃんと分かるようでした。また、トイレの場所も認識できていて、失敗はなかったそうです。
保護された時は痩せていて、年齢の割にはやはり栄養が足りていなかったのです。そこで、もう少し体重を増やした方がいいとの事で、食事管理をしていました。
ただ、どうしても目が見えていないので、ハンデがない猫たちよりも毎日の世話に時間がかかってしまいます。それで、少しでも快適な環境で過ごして欲しいとボランティア団体が引き取り、最終的に我が家で最後まで過ごすためにやって来たのでした。
おばあちゃん猫を迎えて大変だっだ事
まず、今までとはまた生活環境が変わるので、一日どのような行動をとるのか観察することにしました。盲目の猫のお世話は初めての事でしたので、毎日が試行錯誤の繰り返しです。
ご飯を食べたり、水を飲んだりすることは問題ないとは聞いていましたが、我が家に来てそれが最初からできるのかどうかが分かりませんでした。
また、トイレの場所も理解できるとの事でしたが、それも確かめなくてはなりません。まず、我が家の雰囲気に慣れてもらうために、サークルを用意しました。
いきなり部屋の中をフリーにはできなかったのです。そのサークルの中にご飯と飲み水、猫ベッド、トイレを置きました。サークルの中には、もしもトイレを失敗してもいいように、ペットシートを全面に敷き詰めていました。
また、原因は分かりませんが片方の手だけ毛が抜け落ちていましたので、その毛が生えてくるのかも心配でした。
老猫を迎えてうれしかったこと
目が見えていないことで、猫としてできることは制限されるかと思っていました。高い所に登ったり、玩具で遊んだり、また、爪砥ぎとかもできるのかと心配していました。
ところが、サークルの中に入ってしばらくは、じっとして動かなかったのですが、こちらが手で誘導しなくても、自分から飲み水の器の所に歩いて飲み始めたのです。
もちろん、限られた空間の中ですので、そこにたどり着くまでは少しサークルの角にぶつかったりもしました。トイレの場所も分かるようで、失敗なくできました。
トイレは少し側面に高さがあるので入れるかと心配でしたが、上手にできたのです。そのような行動を見ていると、目が見えていなくても、しっかりと生きていることがとてもうれしく思いました。
その後の様子
暫くはサークルの中だけの生活でしたが、日常生活での支障はないようでしたので、部屋でフリーにしていました。
ご飯は毎回完食で、自分で上手に水も飲むことができます。トイレはサークルの中に置いていましたが、これも自分から入って行って用を足すことができました。
ただやはり目が見えていないので、高い所には登りませんが、ソファの上だけは自分から登って行きます。フカフカの感触が気持ちいいのでしょう、そこで寝るのが一番のお気に入りのようです。
脱毛していた手の毛も少しずつ生えてきて、3週間くらいできれいに生え揃いました。
まとめ
今まで普通にハンデがない猫を飼ったことはありましたが、目が見えない猫は初めての経験でした。
手取り足取り介護が必要かと思っていましたが、全くこちらが手を煩わすことはなかったのです。健全に目が見えている猫となんら変わりはありません。
もしも、このような猫たちがどこにも保護されなければ、生きていくことは難しいかもしれません。家の中では生活できても、外の生活では交通事故に遭う頻度が高くなってしまうからです。
そんな盲目の猫が保護され、その命を救うことができて良かったと思います。