猫にも歯磨きは必要なの?
「動物も歯磨きが必要なの?」と思うかもしれません。じゃあ、野良猫はどうしてるの?と疑問に感じてしまいます。野生の野良猫の場合は、食べているものが捕食した動物の肉や魚、または昆虫なので歯周病の元になるプラークが溜まりにくいようです。
しかし、飼い猫は販売されているドライフードやウェットフード、さらにおやつを与えられているので、食べカスが歯と歯のすき間などに溜まりやすくなると考えられます。
猫の口の中はどうなってるの?
人間と同様に口の中には多くの細菌がいて、その細菌が残った食べカスを栄養源にして繁殖し歯垢となり、それが1週間ほどで唾液の中のカルシウムなどが沈着して歯石へと変化していきます。ですので歯石になってしまう前に歯磨きをして歯垢を取り除くことが重要です。
歯垢・歯石が増えてくるとそこから細菌が毒素を出して歯肉炎などの歯周病を引き起こします。そうなると、最悪な場合は歯が抜けたり細菌が歯周ポケットから血管に入り、全身性に影響を与えて重篤な状況になるケースもあります。
猫の歯磨きで予防できる事は?
まず歯磨きをすることにより歯垢の元になる食べカスなどを取り除き口腔内を清潔に保つことができるため、歯周病を発症を予防することができます。
歯周病には口内炎や歯肉炎がありますが、人間も口内炎ができると飲食がしづらくなります。猫も同じで痛みから飲食がしづらくなると自然に食欲減退となり体力が落ちて様々な病気を引き起こす可能性が出てきます。
私たち動物は栄養を取らなければ健康を保つことができません。健康とは心身のことをいい、食べることで生きていく上で大切なエネルギーを摂取しています。ですが、口腔内に問題により食餌から栄養が摂れない状態が続くと体力も落ち、いずれ命を脅かす引き金になるかもしれないのです。
口腔内の細菌が全身循環することによって腎不全や心臓疾患へ発展することもあるようなので、歯周病を簡単に考えるのはやめましょう。
猫の歯磨きコツは?
歯磨きが初めての猫の場合、すんなりさせてはくれません。
慣れさせるために、まずは口のまわりや前歯、そして奥歯と少しずつ触れせれくれるまで根気強く試しましょう。歯磨きの時に気を付けないといけないのは、猫が嫌がったらすぐに止めることです。
あせらず段階を踏むことが大切なので、ご褒美も用意をして、1段階できたらご褒美、そしてまた試すを繰り返すことが重要です。
長時間は禁物で、出来るなら短時間を毎日続けることをおすすめします。
理想は子猫のうちから始めることで抵抗が少なくなります。ただ、成猫になってからでも工夫次第で出来るようになるでしょう。まずは歯磨きが楽しいことと認識してもらうことを優先し、無理強いはやめましょう。
歯ブラシもさまざまな種類の物が販売されていますし、また歯ブラシが苦手な子にはガーゼやシートから始めるのも良いでしょう。
愛猫のお気に入りを見つけてあげるとスムーズに歯磨きをさせてくれるはずです。歯磨き粉もペット用に味付きの物があるので、歯ブラシとセットで用意することをおすすめします。
磨く時には力を入れずに鉛筆持ちで、犬歯は縦方向に磨き、奥歯は小刻みに横方向に動かすと汚れが取れやすいです。その時に猫の頭を片手で固定をして、その手の指で口角を軽く引っ張って唇をめくりあげることで磨きやすくなります。
何度も言いますが、ポイントは無理をせず、最初は1本からという気持ちで続けることが大事です。
まとめ
猫は歯垢が付いてから1週間ほどで歯石になると言われています。歯石になってからだと、歯磨きではとることができないため病院で歯石除去を施すことになります。
そうなると2~3万円はかかるでしょう。なにより歯石除去施術を行う際は、愛猫に全身麻酔を打つことになります。全身麻酔にはリスクがありますので、猫にとってはもちろん、飼い主さんにも大きな負担になります。
そうなる前にお家でできる歯磨きで愛猫の健康を守ってあげましょう。
ただ、注意してほしいことがあり、口腔内に異常がある際に無理に歯磨きをしてしまうとかえって問題を大きくしてしまうかもしれません。きつい口臭、よだれなど気になることがあれば一度愛猫の口の中をチェックしてみてください。歯肉が赤く腫れていたり口内炎になっていたり、多数の歯垢・歯石が付いていたら一度動物病院へご相談をしてみてください。
今日から愛猫の歯磨き試してみませんか。