猫の飼い方(1)環境作り
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猫を飼うにあたって必要な物
フードボウル
餌を入れるためのフードボウルは猫を飼うときの必需品です。餌だけでなく、水を入れるボウルも必要になります。
フードボウルは、高さがある物が首や腰に負担がかからず、猫が食べやすいです。フードボウルには様々な素材がありますが、ステンレス製は洗いやすく、清潔に使えます。お手入れがしやすい物を使うのも、上手な猫の飼い方のポイントです。
トイレ
猫をお迎えする前に、トイレも必ず用意しておきましょう。トイレのしつけはきちんとした猫の飼い方をするために重要だからです。
こちらのニャンとも清潔トイレセットはシステムトイレで、猫のおしっこがトレーに落ちる仕組みになっています。
おしっこの後片付けの回数を減らすことができ、オープンタイプでお手入れも楽。専用の抗菌シートを敷けば臭いも防げます。
キャリーバッグ
猫を飼うときの必需品にはキャリーバッグもあります。キャリーバッグは動物病院へ行くときなど、移動の際に必要になります。
定番のハードタイプのキャリーバッグが丈夫で安心です。扉が上部にもついているダブルドアがイプは、猫を入れるのも出すのも簡単ですよ。シートベルトに固定でき、車で移動する場合にもおすすめです。
キャットタワー
絶対に必要な物ではありませんが、完全室内飼いで運動不足になりがちな猫ちゃんに用意してあげたいのがキャットタワーです。キャットタワーがあれば、猫にとって大切な上下運動ができますし、ストレス解消にもなります。
こちらは、爪とぎポールの他、ハンモックや釣り下げのボールなどがついていて、猫ちゃんがくつろいだり、遊んだりできるキャットタワーです。丈夫で安定性があり、やんちゃな猫ちゃんでも安心です。
ケージ
猫をケージに入れて良いのか迷うこともあるかと思います。ですが、上手な猫の飼い方では、ケージもあった方が良い物のひとつです。
特にお迎えしたばかりの猫は、警戒して部屋の隅に隠れてしまいがちです。また、やんちゃな子猫では、飼い主の留守中にケガをしていないか心配になりますよね。そんなときはケージに入ってもらうのが安心です。
飼い始めた猫ちゃんが新しい環境に慣れてきたら、少しずつケージから出して慣らしていきましょう。こちらは、上にも横にもつなげて増やせるケージです。縦には3段まで拡張可能。お部屋のスペースに合わせて、ドアの開閉の向きを選べます。
ベッド
1日12~16時間を寝て過ごすといわれる猫。猫の飼い始めに用意してあげたい物にベッドもあります。
猫が落ち着いて眠れる場所を作ってあげましょう。
特に冬場は暖かいベッドがあるといいですね。猫用ベッドには洗える物がおすすめ。冬の寒さ対策としてだけでなく、夏場のエアコンによる冷え対策にも活躍します。
猫の適温を考えた飼い方
日向ぼっこをさせる
日の当たる窓辺で、気持ち良さそうに眠っている猫の姿を見ることがありますね。猫は日向ぼっこが大好きです。猫は、日向ぼっこをすることで、体温を保っているのです。
猫を飼うなら、猫が居心地の良い場所に居られるようにしてあげることも大切です。日当たりが良く、風通しの良い場所にキャットタワーなどを置いてあげるといいでしょう。
ただし、夏場の直射日光は当たらないように注意しなければいけません。
暑さに気をつける
猫は寒がりなイメージがありますが、近年の猛暑はさすがの猫も苦手です。特に長毛種は暑さに弱いです。猫を飼っていたら、夏場の暑さにも気をつけなければいけません。
猫も熱中症になることがありますので、適度にエアコンを使用しましょう。ただし、設定温度は高めに。目安は28~29度です。低くし過ぎると体調を崩すことがあります。
また、エアコンが苦手な猫や高齢猫では注意が必要です。エアコンが苦手な場合は、カーテンを閉めて直射日光を防いだり、室内の風通しを良くしてあげたりするなど、工夫しましょう。
ペット用のクールマットなども販売されていますから、暑さ対策用のグッズを活用するのもおすすめですよ。
寒さ対策
冬は室温20~23度が目安です。
乾燥しやすい冬は湿度も50~60パーセントに保つことが良いとされています。ベッドは、冷気の伝わる窓辺は避け、猫がお気に入りの場所に置いてあげましょう。
毛布を置いてあげるだけでも、中に潜り込んで暖まることができます。冬の寒さ対策におすすめなグッズは、湯たんぽやペット用の保温マットです。猫用コタツも販売されていますよ。
猫の飼い方(2)食事
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食事の量
猫の飼い方では、食事も気になるところですよね。猫が1日に必要とするエネルギーは、成猫で体重1キログラムに対し、70キロカロリー程度といわれています。
ただし、あくまでもこれは目安で、完全室内飼いの猫ではもう少し少なくなりますし、妊娠・授乳中の母猫だと、より多くのカロリーが必要になります。
食事の回数
猫の食事の回数は1日2回が良いとされています。食事と食事の間隔が長いと空腹になって早食いになり、吐いたりすることがあります。
子猫の場合は、1度に食べられる量が少ないので、数回に分けて与えてください。
猫の飼い方(3)健康管理
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猫が餌を食べない
猫が餌を食べてくれないと心配になりますよね。猫が餌を食べないときには、いくつか理由が考えられます。
同じ餌に飽きた、食べている餌が好みではないということも考えられますので、別の餌に切り替えてみましょう。
逆に、餌を別の物に切り替えたら食べなくなることもあります。餌を切り替えるときには、今まで食べていた餌に新しい餌を混ぜ、少しずつ慣らしていきましょう。
餌を入れるボウルが汚れていると食べないこともあります。フードボウルは常に清潔にしておきましょう。猫が食べやすいフードボウルを選ぶことも、猫の飼い方で大切なポイントです。
キャットフードが酸化していたり、傷んだりしていても、猫は食べません。キャットフードは新鮮な物を与えましょう。
猫が餌を食べず、いつもと様子が違う場合は、病気の可能性がありますので、獣医さんで相談してください。
猫がよく吐く
猫の飼い方で知っておきたいことに、猫はよく吐く動物であるということがあります。それは、猫がグルーミングで飲み込んでしまい、お腹の中にたまった毛を吐くことで排出するからです。
猫の飼育初心者では、びっくりして慌ててしまうこともあるでしょう。
猫の毛玉対策としては、毛玉ケア専用のキャットフードを与えることです。キャットフードに配合された食物繊維が、便と一緒に毛玉の排出を促してくれますよ。
ただし、あまりにも頻繁に吐いていたり、吐いた物の中に血が混じっていたりするような場合は、動物病院で診てもらいましょう。
猫の飼い方(4)しつけ
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トイレ
猫の飼い始めには、まずトイレを覚えさせなければなりません。トイレのしつけでは、トイレサインを見逃さないことから始めます。
猫がトイレに行きたそうな素振りを見せたら、トイレに連れて行きましょう。トイレサインとは、猫が床の匂いを嗅ぎながら歩き回り、床を引っ掻くような動作をすることです。床を引っ掻き始めたら、その時点でトイレに連れて行きます。
始めはうまく出ないかも知れませんが、トイレでおしっこやうんちができたら、優しく撫でて褒めてあげましょう。
これを繰り返しているだけで、猫はトイレを覚えてくれますよ。猫の飼い方ではトイレのしつけは重要ですので、根気良く続けてくださいね。
引っ掻きぐせ
猫の飼い方で悩んでしまうことのひとつが、引っ掻きぐせではないでしょうか。狩猟動物である猫は、本能から動いている物に対して飛びかかっていく習性があります。
おもちゃで遊ぶときも、狩りの真似事をします。動いている物に対して、引っ掻いたりするのはある意味仕方のないことなのです。
また、猫は前足を器用に使い、飼い主に餌を催促したり、目の前にある物を確かめるために触ったりします。
爪が伸びていると、ちょっとした動きでも飼い主の皮膚を傷つけてしまうことがありますので、猫の爪を切っておくようにしましょう。
噛みぐせ
猫は、子猫のときにきょうだいとじゃれ合うことで、噛まれると痛いということを覚えていきます。そんな中で、力加減ができるようになり、甘噛みができるようになるのです。
しかし、早い時期に親きょうだいから離された子猫は、甘噛みを覚えていないので、本気で噛んでしまうことがあるのです。その場合は、飼い主がしつけをする必要があります。
猫が噛んできたら、噛まれた手を無理に引き抜くことは危険なので、そのまま喉の奥に入れるようにしたり、猫の口を押さえたりするようにします。
そして「痛い」と猫の目を見て大きな声で言います。時間はかかりますが、次第に噛んではいけないと覚えてくれますよ。猫の飼い方は、根気が必要なのです。
猫の飼い方(5)お金
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猫を飼い始めるとかかる費用
猫を飼い始めるにあたっては、24,300円程度の費用がかかります。これは、猫を飼い始める際に必要な道具と、動物病院代のおおよその費用です。
- キャリーバッグ 5,000円
- 猫のトイレ 3,000円
- 猫のトイレ用の砂 500円
- 爪とぎ 1,000円
- 餌入れと水入れ 1,000円
- 猫の爪切り 800円
- キャットフード 2,000円
あくまでも目安ですが、これくらいかかると覚えておいてください。これらは必要最小限ですので、これに猫のおもちゃや、ベッド、キャットタワーなども買う場合は、さらにかかります。
猫が生涯で必要な費用
では、1匹の猫が生涯で必要な費用はどれくらいでしょうか。猫は、餌代と猫砂代だけで月5,000円として、単純計算で年間に6万円ほどの費用がかかります。
実際はこれに収まらず、生活用品の買い替えや、動物病院でのワクチン接種代が上乗せされ、年間に約9万~15万円かかると見た方がいいでしょう。
猫が何年生きるかにもよりますが、大体1匹の猫が生涯で必要な費用は、140万~230万円になります。
急に必要になるお金
猫が生涯にかかる費用は、あくまでも猫が健康に過ごせた場合の目安です。時には猫も病気になったり、ケガをしたりすることがあります。長期的な治療が必要になることもあります。
猫が急に必要になるお金は、主に動物病院代でしょう。動物病院は、自由診療で、治療費には明確な基準がありません。各動物病院が自由に設定することになります。
またペット保険に加入していれば別ですが、基本的には全額自己負担なので、請求書の金額が大きくてびっくりすることもあるのです。
以下はあくまで一例ですが、参考にしてみてください。
- 初診料 1,000~1,500円
- 点滴 3,000~4,000円
- レントゲン 4,000円
- 注射 1,500円
その他様々な検査が必要になると1万円近くかかることも。
また、入院すると1日およそ2,500~3,000円ですが、点滴や検査、処置が必要な入院では15,000円ほどかかることもあります。
手術を受ける場合は、数万円~10万円以上になることもあります。
猫の飼い方(6)やってはいけないこと
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ひげを切らない
猫の飼い方で絶対に知っておくべきことがあります。そのひとつが、ひげを切ってはいけないということです。
猫のひげは、障害物との距離を測ったり、隙間を通り抜けられるか判断したりするためのセンサーの役割を担っています。
また、ひげによって平衡感覚を保っているともいわれています。猫にとってひげは、とても大切な器官なのです。絶対に切らないでくださいね。
首の後ろを掴まない
猫は首の後ろを掴んで持ち上げるといいという話を聞いたことがありませんか。これは、母猫が子猫を移動させるときに行うもので、人間がやってはいけない行為です。
首の後ろを掴んで持ち上げようとすると、首を痛めることがありますので、絶対にやめましょう。
フラッシュをたかない
猫を飼っていると、愛猫の写真を撮りたくなりますね。でも、その際にフラッシュはたかないようにしましょう。
カメラのフラッシュはとても強い光なので、猫の目を傷めてしまいます。猫の飼い方のひとつとして、覚えておきましょう。
まとめ
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猫の飼い方を解説しました。猫を飼うためには、餌やトイレの他にいろいろなグッズが必要です。消耗品の購入だけでなく、動物病院へかかるための費用も必要です。
しつけも重要になります。しつけには、根気が必要ですが、猫と快適に暮らすために大切なことです。
猫の飼い方を知って、しっかりと準備を整えて、家族の一員として猫ちゃんを迎えてあげてくださいね。