初めての猫の譲渡会で出会った兄妹猫
一人暮らしを始めた私は、猫との暮らしを夢見て猫の譲渡会に参加しました。実家では犬を飼っていたものの猫も好きで、一人暮らしを始めたら絶対に猫を飼おうと思っていたのです。
また、猫を飼っている従姉妹から「猫は多頭飼いで飼うと楽しいよ」と聞いていたこともあり、出来れば2匹一緒に飼いたいなと考えていました。そして会場内に着くと、所狭しとケージが並べられ、たくさんの猫たちの姿がありました。
「こんなにもたくさんいるんだ…」と保護猫の状況に驚きつつ、一匹一匹の猫を見ながら未来の家族となるコを探しました。
ですが、どのコも可愛くてなかなか選べず、気が付けば何周も会場内を歩き回っていました。そんな時、ふとケージの片隅で身を寄せ合っている2匹の仔猫の姿が目に入りました。
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それは、保護主さんに可愛い首飾りをつけてもらった兄妹猫でした。最初にケージの前を通ったときはスヤスヤと寝ていて顔が見えなかったのですが、何度目かに前を通ると起きていて可愛らしい顔が見えていました。
その小さな身体とまんまるな瞳にビビッときた私は、保護主さんにエントリーを申し込みました。
「こんなに可愛いコたちなら、既にエントリーされているかも」と思っていた私の気持ちとは裏腹に、寝ていた時間が長くエントリーが無かったとのことでした。
そして話はスムーズに進み、2週間のトライアルをスタートすることになりました。
毎日が猫の運動会!ちびっこたちの逆襲
トライアルへとやってきた2匹は興味津々で家の中を探索した後、用意していたおもちゃで遊んだりキャットタワーに登ったりと元気に過ごしていました。
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
そして、そろそろ寝ようと電気を消してベッドに横になると……チクッと足のスネに痛みが走りました。何事かと思い電気をつけると、仔猫たちが私の足にじゃれついて噛んでいたのです。
仔猫の細く小さな牙や爪はタオルケットを突き破り、あっという間に私の足は傷だらけになりました。痛いよ、と言ったところでキョトンと私の顔を見ただけで走り去っていきます。再び電気を消すと、今度は「ダダダダ!」と足音を立てて追いかけっこが始まりました。
これが猫と暮らすということなのね、と身をもって教えられた日でした。
学ぶ猫たち兄妹で暮らすということ

夜の大運動会はトライアルを終えてからも続きました。ですが、一つだけ変わったことがあります。それは、私の足を噛んだり爪で引っ掻いたりすることがなくなったことです。
トライアル期間中、保護主さんに日々の出来事を報告する中で仔猫たちの噛み付きについて話すと「複数で飼っているから大丈夫。お互い噛み合って、痛いことが分かれば人にしなくなるよ」とのことでした。
つまり、兄妹でのじゃれ合いの中で痛みを学び、加減を知るようになるというのです。本当かな、と最初は半信半疑でしたが、保護主さんの言う通り、その後の噛みつきはなくなりました。

そして、2匹の暮らしぶりを見ていると、まるで猫同士で会話をしているようなシーンを目にすることがあります。
例えば、初めてのおもちゃはまず兄猫がチャレンジして、妹猫はそれを背後から見守る…という風に、2匹の関係性もよく分かるようになりました。
また、2匹揃って眠る姿はそれだけで私に癒しのひとときを与えてくれました。

すくすくと巨大化!?4年目を迎えた現在の2にゃん
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振り返ってみると、仔猫時代はあっという間でした。3年目のワクチン接種の際、獣医師さんに「大きいコだねー!」と驚かれるほど大きく成長していたようで、体重を計ってみると5キロを超えていました。
ここまで巨大化するとは予想していなかったのでビックリしましたが、体は大きくなってもまだまだ仔猫の無邪気さは変わらず、夜の運動会も開催されています。また、成長したことで2匹のじゃれ合いもパワフルになりました。
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そして何より、兄妹仲良くのんびりと過ごしている姿を見ると、兄妹で引き取って本当に良かったなと思います。
後から聞いた話で、保護主さんは当初1匹ずつの譲渡も考えていたそうですが、出来れば2匹で引き取ってくれる里親さんを探していたとのことでした。思えば、あの時の出会いも運命だったのかなと今になって感じています。
まとめ
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私が兄妹猫との楽しい暮らしを得られたのは、間違いなく猫の譲渡会のおかげです。元からペットショップで猫を買うという発想はなかったものの、もしペットショップに行っていたら今の幸せな暮らしはありませんでした。
年齢も様々で個性豊かな猫が集まる猫の譲渡会では、ペットショップにはない出会いがあります。これから猫を飼いたいと思っている方には、ぜひ猫の譲渡会に参加してみてほしいですね。
そこで運命の赤い糸をたぐり寄せてみると、自分だけの運命の猫ちゃんに出会えるかもしれません。