なぜ?猫を題材にしたお伽噺(おとぎばなし)が少ない理由

なぜ?猫を題材にしたお伽噺(おとぎばなし)が少ない理由

猫と人気を二分するパートナーアニマルの犬、そんな犬が登場するお伽噺や昔話は沢山あるのに猫が登場する物はとても少ないと感じた事はありませんか?せっかく猫が出てても悪役で楽しくない。そんな猫派の為にその謎を解いてみました。

猫が出てくるお話

猫の顔どアップ

猫が物語に出てくる際、その役割は大きく三つに分けられます。

我輩は猫である

黒猫と本の山

我輩は猫である、名前はまだない。と始まる夏目漱石の有名な物語の冒頭です。この物語で猫は語り手と言えますが、この猫は溺れて死んでしまい、物語にはさほど大きく関わっていません。ナレーションでありながら、あくまでちょい役です。

干支決めの昔話

猫の尻尾を掴むネズミ

干支を決めるための競争の日取りをネズミに教えない、または一日ずらして教える意地悪が猫の役割です。結果として、猫は干支に入れず悲しい思いをするという悪役です。逆にネズミが猫に競争の日を教えなかったという説もあります。

長靴をはいた猫

長靴の中の猫

擬人化された猫が、主を出世させるためにその頭脳を使い活躍するお話です。猫が登場するお話には珍しく、猫が正義の味方、主役格です。

昔話における猫と犬のポジション

寄り添ってくつろぐ犬と子猫

日本と海外のお話では、犬と猫のポジションや役割が違います。その違いを見てみましょう。

日本のお伽噺の犬と猫

日本のお伽噺に出てくる犬の役割は、主にお供です。また犬自身が鬼や悪者を退治する役目もあり、ヒーローやヒーローを助ける正義の味方であることが多いようです。

猫は出番自体がとても少なく、有名なのは上にあげた干支のお話くらいしかありません。猫が出てきても、悪役なのがほとんどです。

海外のお話の犬と猫

海外の物語ではフランダースの犬や、アルプスの少女のように主役である飼い主に寄り添う役割が多いようです。猫は海外では人の言葉を話したり、人のように振る舞ったりする物が多い傾向にあります。

猫は物語に使いづらい?

真剣な表情の猫の横顔

猫は思うようにならない

犬が人に寄り添う無二の友人として、また仲間として描かれるのに対し、猫は登場する物語でも扱い辛いような印象を受けます。これは猫が決まった行動を取らない、自我の強い生き物であるからだと言えます。

犬ならば寄り添って旅をするだけのシーンでも、それが猫ならばいつどこで、フラッとどこに行くか解らないという心配を読者にさせてしまいますよね。

猫は擬人化されやすい

特に海外の物語に多いのが猫の擬人化、人語を操る猫です。他の動物が普通でも、猫のみがそのような描写になっている物もすくなくはありません。物語の猫は人と対等に話すのです。反対に犬は犬のまま、という扱いがとても多いのです。

まとめ

古い本の上でくつろぐ猫

猫はその気ままさ、自由さから主役として扱うには個性も出しやすく、物語を作りやすい生き物であると言えます。しかしその反面、サブとして扱うにはあまりにも個性が強すぎるのです。

猫を登場させるのなら、犬のように裏切らない安定感が欲しいシーンではなく、何か事件の真ん中で。それが似合うのが猫なのです。一言で言うと主役を食ってしまう。だから出番が少ないのです。猫の出てくるお話が少ないのは、その魅力ゆえにと言うことですね。

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