セレクトバランスとは?
猫用フードの「セレクトバランス」はベッツ・チョイス・ジャパンという企業が日本に住んでいる猫を対象につくられたフードです。
セレクトバランスは室内飼いなど、日本に生活する猫の飼育環境に合わせて栄養素が調節されています。そのためセレクトバランスは低脂肪・低カロリーなため太りにくく、また猫が味に飽きないように嗜好性が高くつくられています。
昔と比べて室内で猫を飼うことになったことで運動不足になりがちにより肥満な猫が増えてきています。猫の肥満は関節の負担がかかる他に糖尿病や尿石症など泌尿器疾患の病気のリスクを高めてしまったり、心臓にも大きな負担がかかります。
海外の猫用フードは油分が多く含まれており、運動できる広い空間で生活している猫は多い油分を摂取しても消費することができますが、運動不足気味な日本の猫にとっては肥満になりやすく、皮膚トラブルをおこしやすくなります。
セレクトバランスの成分
セレクトバランスには猫の年齢ステージに合わせてそれぞれつくられており「キトン/子猫用・母猫用」「アダルト/1才以上の成猫用」「スリム/成猫の体重管理用」「エイジングケア/7才以上の成猫用」の4種類があります。今回は「アダルト/1才以上の成猫用」の原材料や成分をまとめてみました。
原材料
乾燥チキン、米、とうもろこし、鶏脂(オメガ6系脂肪酸・オメガ3系脂肪酸)、コーングルテンミール、ビートパルプ、セルロース、チキンエキス、サーモンオイル(オメガ3系脂肪酸)、ビール酵母、メチオニン、タウリン、クランベリー、フラクトオリゴ糖、L-リジン、コエンザイムQ10
ビタミン類
A、B、E、K、B1、B2、B6、B12、C、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、イノシトール、コリン
ミネラル類
カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クロライド、硫酸亜鉛、鉄、銅、マンガン、セレン、ヨウ素
酸化防止剤
ミックストコフェロール、クエン酸、ローズマリー抽出物
成分一覧
タンパク質30.0%以上、脂肪17.0%以上、粗繊維6.0%以下、灰分6.5%以下、水分10.0%以下、カルシウム0.6%以上2.0%以下、リン0.6%以上1.6%以下、メチオニン0.62%以上1.5%以下、タウリン0.1%以上
代謝エネルギー(ME)
375kcal/100g
タンパク質
AAFCO(米国飼料検査官協会)が規定している最低基準値のタンパク質は「子猫:30.0%以上」「成猫:26.0%以上」であり、基準値を満たしている場合は満点と評価します。セレクトバランス(アダルト/1才以上の成猫用)のタンパク質は30.0%なため、基準を満たしているため評価が満点であります。
またペットフード安全法によりフードに使用されている原材料は全て記載する義務があり、原材料の使用量が多い順番に記載されています。そのためセレクトバランスの原材料の1番頭にチキンと記載されているため、チキン(肉)がメインでつくられているフードということが分かります。
猫は肉食動物なため豊富なタンパク質が必要なので、肉類や魚類がメインでつくられているのが理想なためセレクトバランスは猫の体に合ったフードということが高く評価できます。
粗脂肪
AAFCOが規定している最低基準値の粗脂肪は「子猫:9.0%以上」「成猫:9.0%以上」であり、セレクトバランス(アダルト/1才以上の成猫用)は17.0%以上と記載されているので満点評価となります。
脂肪分も大事な栄養素でもありますが、脂肪分が多いと肥満になりやすく皮膚トラブルもおきやすくなってしまいます。特に日本にで生活している猫のほとんどが室内飼いなため運動量が少ないことからセレクトバランスは脂肪分を少なめに調節しています。
また脂肪分は嗜好性を高めてくれるため、脂肪分を少なくするとどうしても嗜好性が落ちてしまいます。そこでセレクトバランスはその分高い品質の原材料を使い、旨味エキスを配合してつくられているフードなので嗜好性が高く食いつきが良いと評判の声があります。
穀物類
セレクトバランスに記載されている原材料のチキンの次に多く使われているのが「米、とうもろこし」そして「コーングルテンミール」であり、これらは穀物類になります。
タンパク質が多く必要ですが肉や魚だけメインにしてしまうとタンパク質や脂肪分が過剰摂取となり肥満を招いたり、ミネラルバランスが崩れてしまいます。穀物類にはタンパク質や炭水化物の他にビタミン類やミネラル類、繊維質などの栄養素が含まれており、栄養バランスを良くするために穀物類も使われているのです。
しかし肉食動物である猫は唾液に穀物類を消化する酵素のアミラーゼがなく消化管自体が短いため、これらの穀物類を上手く消化・吸収することができません。消化不良を起こしやすく、猫によっては穀物類が原因でアレルギーをおこすことがあります。
ですが穀物類は加熱調理をすることで消化・吸収できることが分かっています。そのためセレクトバランスを含め、キャットフードに含まれている穀物類は加熱調理されているため消化・吸収することができると考えられます。
通常の健康な猫であれば問題はないと思われますが、特に胃腸が弱く消化不良をおこしやすい猫や穀物類に対する食物アレルギーを持っている猫は控えた方がよいでしょう。
繊維質
チキンに続いて多く使われているのが繊維質の「ビートパルプ」「セルロース」が使用されています。繊維質は排便を促すサポートしてくれたり、カサ増しにもなるので満腹感を持続し、肥満防止に繋がります。
ビートパルプはサトウダイコン(甜菜)の葉と絞りカスからできており、砂糖を絞り取る過程で硫酸系の劇薬を使用していることがあるためビートパルプにその薬剤が残っている可能性があります。
またビートパルプにはウンチを固める働きを持っているため便秘を防ぐ効果もありますが過剰摂取になると返って便秘になる場合があります。
セレクトバランスの特徴
コエンザイムQ10配合
セレクトバランスには猫の健康を維持させる「コエンザイムQ10」が配合されています。コエンザイムQ10とはエネルギーをつくる時に必要となる補酵素の1つといわれています。
コエンザイムQ10には強い抗酸化作用があるため免疫力を高め、老化や病気などの原因の活性酵素を取り除き猫の健康を維持させてくれます。また皮膚や被毛を若々しく健康的に維持することができるので見た目の美しさも考慮しています。
クランベリー配合
猫は膀胱炎や尿石症などの泌尿器疾患になりやすい動物です。セレクトバランスは泌尿器系のトラブルを起こしやすい猫のためにクランベリーを配合してつくられています。
クランベリーにはポリフェノールが多く含まれており、尿のphを調節してくれるためその結果、泌尿器疾患の予防が大きく期待できます。
合成酸化防止剤不使用
肉食動物である猫は人よりも多くの脂肪分を必要としています。しかし酸素に触れると酸化がはじまり、猫の体に影響を及ぼしてしまうためキャットフードの中には酸化を防ぐために酸化防止剤が入っています。
その中にはBHAやBHTなど人工的に合わせた合成酸化防止剤があり、猫の体によくないといわれています。ですがセレクトバランスは猫の健康を考慮し「ミックストコフェロール(ビタミンE)」や「ローズマリー抽出物」の天然酸化防止剤を使用しています。
人口添加物不使用
猫はフードの匂いだけで食欲に変化があるためキャットフードの中には香りをつけたり、美味しく見せるように着色しているものがあります。着香料や着色料などのいわゆる人口添加物のほとんどが石油や化学物質でつくられているため、発ガン性やアレルギーなど猫の体に影響をあたえる恐れがあります。
セレクトバランスはこれらの人口添加物を一切使用しておらず、素材の元々持っている味や風味を活かしてつくられているフードです。
皮膚や被毛の健康維持に考慮
セレクトバランスには「鶏脂」「サーモンオイル」が使われています。油脂にはエネルギー以外に脳や眼の成長を補助したり、皮膚や被毛の健康維持させてくれる働きを持っています。
鶏脂・サーモンオイルどちらもオメガ3系脂肪酸やオメガ6系脂肪酸が豊富に含まれているため毛並みや毛艶を美しく維持させてくれます。また鶏脂には嗜好性が高いため食欲に刺激をあたえ、食いつきを良くしてくれます。
腸内環境を整え、高い消化吸収性
猫はフードをほとんど噛まずに丸呑みして食べます。猫は唾液にアミラーゼといった消化酵素がなく、かつ消化管も短いため消化に負担がかかりやすいと考えられます。また猫は便秘になりやすく、特にシニアになると蠕動運動も弱まるため自力で排便することが難しくなることがあります。
セレクトバランスは腸内環境を整えてくれるフラクトオリゴ糖を配合しており、健康的な排便を促すようにサポートしてくれます。またセレクトバランスに使用されている原材料は厳選しているため消化吸収に考慮してつくられています。
セレクトバランスがおすすめの猫
穀物アレルギー以外の猫
人と同様に猫も食べ物によるアレルギーがあり、そのうちの原因の1つに小麦、大豆、トウモロコシなどの穀物類があげられます。
猫は穀物類を上手く消化することができないためアレルギーを起こしやすいと考えられています。セレクトバランスには穀物が使用されているため穀物アレルギーも猫は避けた方がいいでしょう。
食物アレルギーの原因であるアレルゲンを特定する場合は血液検査をする必要があります。しかし検査項目にもよりますが、アレルギー検査にかかる費用は高額なため難しいのが現状です。
一般的に猫に食物アレルギーで見られる主な症状として下痢や嘔吐、体を痒がる(湿疹やかぶれ)、脱毛、発熱などです。食物アレルギーではなくてもフードを変えたことで下痢や嘔吐することがありますが、体を痒がったり脱毛などの皮膚症状も見られた際はアレルギーの可能性があると考えられます。
健康体な猫
セレクトバランスにはそれぞれ年齢別ごとに種類があるため子猫〜高齢猫まで給与することができますが、健康体な猫のみになります。
通常であれば猫は肉食動物なため豊富なタンパク質を必要としますが、腎臓病になった場合は尿素窒素などの老廃物の元であるタンパク質の量を制限する必要があります。タンパク質が多く含まれているセレクトバランスを与えてしまうと腎臓に大きな負担をかけてしまい更に腎臓病が悪化してしまうからです。
そのため特に異常がない健康体な猫はセレクトバランスを与えても問題ありませんが、腎臓病など何かしらの疾患を抱えている猫はその病気にあった専用の療法食にしましょう。
療法食はそれぞれ病気に合わせて栄養バランスを調節しているため自己判断で与えてしまうと病気を招いたり体調を崩す恐れがあるため、その際には必ず獣医師との相談の上で選択してください。
セレクトバランスおすすめ商品
子猫用および妊娠・授乳期の母猫
子猫や妊娠・授乳期の母猫は豊富なタンパク質や高カロリーなど多くの栄養素を必要としているため、セレクトバランスの「キトン/子猫・母猫用」のフードを選びましょう。アダルトと比べてキトンタイプのフードは子猫の発育や妊娠・授乳の母猫のためにタンパク質を多く含まれているのが大きな特徴です。そのためカロリーも100gあたり390kcalと高めにつくられています。
体重減量が必要な猫
成子猫は多くの栄養素や高カロリーを必要としますが、成長期が終わる頃になると体重管理が必要になります。去勢(避妊)手術を受けると性ホルモンにより代謝が落ちるため太りやすくなります。
また日本で生活している飼い猫のほとんどがが室内飼いなため、運動不足になりがちにより太りやすくなります。そのため1才以上の成猫の多くが標準体重よりも超えています。肥満になると糖尿病や尿石症などの泌尿器系疾患などの病気のリスクが高くなる他、関節や心臓にも大きな負担をかけてしまいます。
そのような体重減量が必要な猫はセレクトバランスの「スリム/成猫用の体重管理用」のフードに切り替えましょう。このタイプのフードは猫の必要な栄養素をバランスよく調節しつつ、低脂肪・低カロリー・繊維質を多めにしてつくられており体重管理のサポートをしてくれます。そのためカロリーも100gあたり302Kcalと低く調節しています。
まとめ
セレクトバランスは室内飼いなど日本に生活している猫の飼育環境に合わせて、栄養素を調節し健康をサポートしてくれるフードです。そのためセレクトバランスは低脂肪・低カロリーなため太りにくく、味に飽きないように嗜好性が高いです。猫は肉食動物なため豊富なタンパク質を必要としており、セレクトバランスはタンパク質が高めにつくられています。
その他、セレクトバランスの大きな特徴としては皮膚や被毛の健康をサポートしてくれるコエンザイムQ10や尿phを調節するクランベリーが入っていたり、合成酸化防止剤や人口添加物が入っていません。またフードを丸呑みし消化に負担かかる猫の体に配慮をし、腸内環境を整え高い消化吸収してくれるオリゴ糖もセレクトバランスには入っています。
セレクトバランスには成猫用の他にキトン、シニアなど猫の年齢別にそれぞれシリーズがあるため、幅広い年齢の猫にも対応できるフードです。しかしセレクトバランスには穀物類が入っているため、胃腸が弱く敏感な猫や穀物アレルギーの猫は控えた方がいいでしょう。
また腎臓病など何かしらの疾患を抱えている猫は、病気ごとに栄養素を調節された療法食を与える必要があるため必ず獣医師との相談の上でフード選びをおこないましょう。