猫が地震を怖がる理由と対処法

猫が地震を怖がる理由と対処法

近頃、日本で災害が増えてきていると思いませんか?最近では大阪に続いて、北海道でも大きな地震がありました。地震を怖がるのは、猫も同じなのです。猫が地震を怖がる理由と対処法についてまとめてみました。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

猫が地震を怖がる理由

地震のイメージ模型

音や揺れが怖い

猫が地震を怖がる理由は、人間と同様に激しい揺れや物が落ちたり壊れたりする音でしょう。突然地面が揺れて何が起きたかも把握できず、猫も危険と恐怖を感じてしまうのです。

逃げられる場所がない

突然の地震で、家の中がガタガタと揺れると、猫は机の下に潜ったり、高い場所に避難したりしようとします。
猫は、予期せぬ出来事が起こった場合、怖くなり、逃げられる場所を探して身を潜めます。
逃げられる場所がないと、パニックになり、余計に恐怖心が強くなってしまいます。

地震の前兆が分かる

猫には、地震を予知できる能力があると昔から言われています。
科学的根拠は、はっきりとしていないのですが、地震の前に前兆と思われる行動を見せたと数多く証言されています。
もし猫の第六感が、「何か危険なことが起こる!」と察知しているのであれば、地震が起こる前から不安になるでしょう。

飼い主さんの様子がシンクロする

猫の中には、地震の揺れが小さかったり、ぐっすり寝ていたりすると気づかないと言うこともあります。少しの揺れだと驚かずに、平然としている猫もいます。
しかし、飼い主さんが落ち着かない様子だと、猫にも伝わってしまうのです。
誰しも地震の恐怖はあると思いますが、飼い主さんの表情や行動が、猫にもシンクロしてしまうと思っておきましょう。

猫が地震を怖がったときの対処法

怯えて姿勢を低くする猫

猫に勘違いと思わせる

今話題になっている地震を怖がる猫への対処法をご紹介します。
猫を脇の下から持ち上げ、ぶらぶらと揺らします。
すると猫は、「揺れていたのはこの人のせいか…」と思い、安心するそうです。

逃げ場を確保しておく

猫が怖いと思ったときに、咄嗟に隠れられる場所を作っておきましょう。
地震だけでなく、突然のインターホンの音、雷、救急車など、大きな音や突然の出来事にびっくりした時にすぐに隠れられる安全な場所を確保してあげましょう。
また、猫は高い場所を安全と考えることが多いので、高さのある逃げ場も必要かも知れません。地震が起きても出来るだけ安全な逃げ場を作っておいてあげましょう。

地震の前兆として見られた行動

動物が地震を予知できるのは、電磁波の変化を感じるから、超音波が聞こえるから、などと様々な推測がされています。
多くは地震が起こる数時間~数分前に、猫が以下のような行動をすることが観察されています。

  • 大きな声でなく
  • 外に出ようとする、出たがる
  • いつもより多く顔を洗う
  • 高いところから降りてこない
  • 落ち着きがなくウロウロする
  • 一点を見つめる
  • 飼い主を噛む

この中で最も多いのは「落ち着きがなくウロウロする」で、飼い主さんから離れようとしなくなる猫もいるそうです。また、ある猫カフェでは、地震が起こる何時間か前に、猫がソファにしがみついていたと言うことがあったそうです。不安や恐怖から起こる行動が多いことが分かりますね。
また、このような行動が、地震が起こる何日も前から見られたこともあったそうです。猫のこう言った行動を見たら、地震の予兆かも!?と家の中の安全を確認して、猫を落ち着かせてあげる対処法をとりましょう。
猫を不安にさせないためには、飼い主さんが落ち着いた行動をとるのも大切です。
大きな声を出さないようにして、猫を撫でてあげたり、声をかけてあげたりするだけでも、少しは落ち着くと思います。

まとめ

猫を抱っこして落ち着かせる夫婦

猫が地震を怖がる理由と、対処法について紹介しました。
最近で言えば、6月にあった大阪北部での地震です。あのときは、私の家もすごく揺れて、猫が怖がってしまいました。
人間は地震とわかっているけど、猫は何が起きたのかわからずにパニックに陥ってしまいます。

猫が地震を怖がるのは、まずは大きな揺れや音です。
また、飼い主さんの怖がる様子も伝わってしまいます。
地震が来ても、猫が逃げられる場所を確保することと、飼い主さんが落ち着いて行動することが大切です。
地震に備えて、すぐに避難できる用意をしておくことも大切です。
地震が来て避難する場合、猫が手の届かない場所に入り込んでしまったり家の外に逃げたりしてしまう前に、猫をすぐにキャリーバッグに入れてしまわないといけません。
いかなるときでも、飼い主さんが落ち着いて行動するようにしましょう。

監修獣医師による補足

動物の地震予知能力に関しては、昔から数多くの逸話があり、現在も多くの説が唱えられ研究も行われていますが、まだ解明されていません。

防災につながる地震の予知能力もとても興味深いテーマですが、万が一の場合の猫のための備えもとても大切です。猫を含めたペットの防災にも関心が高まり、各自治体や各地の獣医師会、ペット関連企業などからも多くの情報やアイディアが提供されていますので、ご覧になり十分な備えをして頂きたいと思います。

獣医師:木下明紀子

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