白血病の猫カイとの出会い
今年の春まで、保護猫団体でお手伝いをしていました。保護依頼などの電話を受け、保護しに行き、保護した子たちを育てる。
保護依頼はさまざまで生後0日のへその緒がついた乳飲み子から老猫まで、2年間で150匹育ててきました。皆、人間の勝手な理由で捨てられる猫ばかりです。
女子高生からSOSの電話
去年の秋ぐち、朝の8時に電話が鳴りました。相手は、女子高校生。河原で子猫が鳴いていると言います。「ご自分では飼うことができないのですか?」というと、無理だと言う返事。正直 このとき、我家には子猫が10匹以上いました。
受け入れは難しいかな?とは思いましたが、秋ぐちといってもまだ暑い日があり、受け入れを承諾し、シェルターに連れてきてもらいました。見ればミルクティー色の生まれて3か月は経っているかわいい子猫でした。
子猫は色んな人に助けを求めいていた
人懐こいし、蚤もいないし、飼われていたと一目見てわかりました。女子高生は「河原をウォーキングする人たちに、にゃぁ~にゃぁ~と鳴きながらついていき、相手にされないとほかの人にまた同じことをしていた」といいました。
その光景を想像したら いきなり河原に捨てられ状況が呑み込めなくて どうしていいのかわからなかったんだろうと思うと胸が痛くなりました。
白血病だと分かった経緯
まずは、動物病院へ
シェルターではなく、我が家に連れて帰ってきた子猫は、女子高生がつけた「カイ」という名前になりました。とりあえず、獣医に連れて行き 検便・ノミダニ・体調がよければワクチンを打ちに行きます(月齢によってですが)。
うんちがゆるい?
カイは少し 風邪気味だったので 検便・ノミダニのチェックをしてとりあえず ほかの猫に接触させないようにケージに入れます。ごはんもちゃんと食べ、元気もありましたが、検便では回虫などがいなかったのに便が緩いのが気になりました。
「猫風邪のせいかな?」とも思いましたが、再度獣医に行き、整腸剤をもらい飲ませましたが、治らず、水便になってきました。
白血病の検査
「もしかして、これは・・・」
今迄の保護猫活動の中では経験は無かったのですが、友人の家にいた猫が白血病で水便が続いたというのを聞いていたので、また獣医に連れて行き、血液検査をしてもらいました。
本来は保護して1か月経たないと白血病は正確な数値は出てきません。でも、結果は、白血病でした。だから、捨てられたんだ。悲しい気持ちと許せない気持ちがわきあがりました。
白血病の治療
インターフェロンの投与
白血病には免疫力をつけるためインターフェロンが効果的な治療と言われています。2日おきに3回投与し(注射)それを3~5クール繰り返し、再度血液検査を行うと「陰転」している場合がある。
一縷の望みをかけて、インターフェロン治療とステロイドの入った整腸剤でとにかく水便を正常な便にする治療を始めました。
元気を取り戻したけど…
その間、調子がいいのか カイはそれまでに増して食欲があり、みるみる体重が増えていきました。これも、免疫力をアップさせるためにはすごく大事なことです。
体力がつくことで病気に負けない体になる。それは人間と同じなのです。3クールインターフェロン治療を行った後、再度血液検査をしましたが、残念ながら結果は変わりませんでした。
保護猫カイを我が家の子に
ストレスのない生活をさせる
前記したように保護猫の活動をしていて、仔猫を預かっている以上、この子猫たちに感染させては元もこうもありません。残念ながら病気の子が入れるシェルターはなく、病気の子は代表宅の6畳の部屋がシェルター代わりになります。
でも、狭い部屋に閉じ込められたら、ストレスになって発症してしまうと思いました。なので、現在預かっている子猫の里親が見つかったら、預かりはやめて、我が家の子として育てていこうと思いました。
その間は不自由でも大き目のケージに入れてカイを育てました。獣医たちには今までのデータから「仔猫で発症した場合は3年以内に亡くなる」と言われています。
インターフェロンも成猫にはさほど有効ではないと言うが現実です。なによりの治療は、ストレスがない生活。我家にはすでに3匹の猫がいます。もちろん全員5種を打ってはいても感染するリスクはあるのです。
白血病の猫にできる対策
なので、
- ご飯水に気を付ける
- トイレは毎日洗う
- 部屋の中を清潔に
- 先住猫は毎年血液検査をし、5種を打つ
それを徹底しようと思いました。
白血病の猫が17年、発症せずに生きていたという身近な人の体験談もあり、心強いエールのように思えました。
まとめ
現在は犬猫用 D-フラクション を毎日飲ませています。家の中で好きなように過ごさせ、よく食べ、普通の便をしています。
白血病と聞くと ショックだし、治らない病気と思ってしまいがちですが、あきらめずに何よりストレスのない生活をさせることがこの病気にとっては一番のクスリかもしれません。
万が一のことがあっても、飼い主も猫も後悔しない生活を送ることが一番いいことだと思っています。