猫の『老化が進行』しているサイン5つ 体に表れる変化やシニア期に必要な準備まで

猫の『老化が進行』しているサイン5つ 体に表れる変化やシニア期に必要な準備まで

猫の老化は人間よりもはるかに速いスピードで進みます。2歳以降は人間の約4倍のペースで年をとると言われており、7歳ごろから老化がはじまります。シニア期を穏やかに、そして快適に過ごすためには、日々の小さな変化に気づき、環境を整えていくことが重要です。猫の老化が進んでいるサインと必要な準備について解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

老化が進んでいるときに見られる5つのサイン

クッションの上でくつろぐ猫

猫のシニア期は一般的に7歳ごろからはじまるといわれています。獣医学的な区分では7〜10歳が中高年期、11〜14歳が高齢期、15歳以上が老齢期にあたります。ここでは、行動や外見の変化に焦点を当て、老化が進んでいるサインを解説します。

1.寝ている時間が増える

成猫の平均的な睡眠時間は1日14時間前後ですが、年齢を重ねると少しずつ長くなり、20時間以上眠るようになることもあります。体力の低下によって疲れやすくなり、エネルギー消費を抑えようとするためです。また、聴力の衰えにより音に気づきにくくなり、眠りつづける場合もあります。

ただし、明らかに睡眠時間が増えたり、呼びかけへの反応が鈍い場合は、病気が関係している可能性も否定できません。いつも違うなと感じたときは、体調をよく観察し、異変があれば獣医師に相談しましょう。

2.運動量の減少

老化とともに好奇心や活動性が低下し、キャットタワーに登る、おもちゃに反応するといった行動が減っていくのが一般的です。加齢に伴って関節や筋肉が衰え、高い場所への上り下りを避ける、以前は平気だった段差を避けるといった行動の変化が見られるようになるでしょう。

運動量が減少することで、太ももが細くなる猫や関節炎を患う猫も多くなります。以前より動きが鈍くなったと感じたら、軽視せずに一度獣医師に相談することをおすすめします。

3.毛並みの変化

猫は本来こまめにグルーミングを行いますが、加齢とともに頻度は低下します。関節の痛みや柔軟性の低下で体勢がとりづらくなり、手入れが行き届かなくなるためです。その結果、被毛のツヤが失われてパサつきや毛玉が目立つようになります。

また、加齢に伴う皮脂腺の機能低下や体内の水分量の減少、腎機能の低下なども被毛の状態に影響します。

毛並みの変化は老化に伴う自然な現象ですが、病気のサインとしてあらわれることもあるため注意が必要です。食欲や飲水量などいつもと違う様子がみられないかあわせて観察することが大切です。

4.歯の状態が変化する

猫の老化は歯にもあらわれます。歯の黄ばみや色素沈着が増え、歯周病の悪化が問題になることも少なくありません。とくに、歯周病は2〜3歳以上の猫の約8割にみられるといわれており、高齢になるほど進行しやすい傾向があります。

歯の状態の悪化は口の中だけでなく、全身への影響も指摘されています。歯周病の原因菌が血流に乗って全身に広がることで、腎臓病や心臓病のリスクを高める可能性があるともされています。

また、歯周病の影響で血糖コントロールが不安定になる可能性も指摘されており、糖尿病を患う猫では歯周病との関係に注意が必要です。

5.筋肉量が落ちる

運動量の低下や食欲の減退に伴い、筋肉量も徐々に減少していきます。とくに太ももや背中まわりが細くなってきた場合は、筋肉の衰えが進んでいるサインです。これは自然な老化現象のひとつです。

ただし、食事量が変わらないのに体重が減っている、急激に痩せてきたという場合は、甲状腺機能亢進症や糖尿病、腫瘍などの病気が関係している可能性もあります。定期的な体重測定を習慣にし、変化に気づけるようにしておきましょう。

シニア期を迎える猫のための準備

ごはんを食べている猫

老化のサインが見えてきたら、生活環境と食事の両面から見直しをはじめましょう。

トイレの入り口が高い場合は、跨がずに済むよう入り口が低いタイプへ変更するか、滑り止めのついたスロープを設置しましょう。キャットタワーは落下の危険があるため、高さのあるものは避け、低い段差で移動できる据え置き型のシニア用ステップなどへ切り替えるのが安全です。

食事は7歳ごろを目安にシニア用フードに切り替えます。飲水量が不足しやすいシニア猫には、ウェットフードを取り入れたり水飲み場を増やしたりする工夫も有効です。 よく使う場所の近くに複数の水飲み場を設置するのもおすすめです。

また、健康診断は7歳以降で年2回を目安に受けることが推奨されています。シニア猫にとって半年は人間に換算して約2年に相当します。元気そうに見えても、気づいていない病気が見つかることもありますので、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。

まとめ

カーペットの上に横たわり口のまわりを舐める猫

猫の老化は、シニア期に入る7歳頃から少しずつ進み、少しずつ寝ている時間が増え、高い場所に登らなくなり、被毛の状態や体型の変化を感じるようになります。

このようなサインは毎日一緒にいると見逃しやすいため、小さな違和感を大切にし、気になる点があれば早めに獣医師へ相談することが重要です。 また愛猫の行動をよく観察し、快適で安全に過ごせるよう環境を整えてあげましょう。

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