猫にとって覚えやすい人間の言葉5選

猫の知能は一般的に1〜3歳程度の子どもに相当するといわれています。そのため、簡単な単語であれば聞き分けることができます。とくに、自分の利益や身の安全に関わる言葉は覚えやすいようです。
1.ごはん・おやつ
「ごはん」「おやつ」は、猫が反応しやすい言葉です。特定のおやつの名前や「マグロ」「カリカリ」といった言葉に反応する猫もいます。食べることは生きることに直結するため、記憶に残りやすいのでしょう。
キャットフードの袋を開ける音や缶を開ける音に駆けつけるのも同じ理由で「ごはん(おやつ)=食べ物がもらえる」と結びついているためです。
ごはん、おやつなどの食べ物に関する言葉は、毎日の暮らしの中で自然と覚える言葉の代表です。
2.自分の名前
ある研究により、猫が自分の名前を認識していることが明らかになりました。実験では、同じアクセントや長さの別の単語と名前を聞かせても、自分の名前にだけ強く反応したそうです。 また、同居猫の名前を覚えていることもわかっています。
猫が自分の名前を覚えるのは、呼ばれるたびに「ごはん」や「遊び」などポジティブな体験が伴うことが多いからだと考えられます。
「名前を呼んでも無視されるよ」という人も多いかもしれませんが、それは覚えていないのではなく「今は気分じゃない」という場合がほとんどのようです。
3.いい子・かわいい
猫は「いい子」や「かわいい」といった言葉の意味を理解しているわけではありません。しかし、声のトーンや雰囲気を敏感に読み取ります。「いい子」「かわいい」といった言葉は、穏やかな高めの声で発せられることが多く、安心感や心地よさを感じやすいようです。
そのためか、褒めるときに決まったフレーズを使っていると、その言葉を聞くと近づいてくる猫も少なくありません。良いことがある言葉として学習しているのでしょう。
4.ダメ・いけない
叱るときに使う「ダメ」「いけない」は、猫が反応しやすい言葉です。これらは強めのトーンで発せられることが多く、ネガティブな意味を持つ言葉として認識されており、不快な体験と結びついたものとして記憶に残りやすい傾向があります。
というのも、猫の記憶は感情と強く結びついており、刺激の強い体験ほど印象に残りやすいのです。そのため叱る際の言葉は、嫌な記憶として定着しやすいと考えられます。
5.病院とそれに関連する言葉
「病院」という言葉を聞くだけで隠れてしまう猫がいます。これは「病院=怖くて痛いことをされる場所」という記憶が強く結びついているからです。
猫は一度経験した嫌なできごとを長い間記憶しています。また、病院という言葉だけでなく、関連する言葉や行動にも敏感に反応します。たとえば、キャリーバッグを出しただけで察して隠れるのもそのひとつです。
そのため「病院」という単語を声に出さないようにしている飼い主さんもいますが、残念ながら準備をしている様子やほかの言葉から察している可能性が高いでしょう。
猫に言葉の意味は通じる?

猫は言葉の意味を人間と同じように理解しているわけではありませんが、声のトーンや飼い主さんの雰囲気から「褒められている」「叱られている」といった状況は判断できます。また、特定の言葉とそのときの体験を結びつけて覚え、そのあとに何が起きるかを予測する力も持っています。
つまり猫は、単語そのものの意味ではなく、その後に起きるできごとのパターンを学習しているのです。
猫が言葉を記憶する理由は?

猫が特定の言葉を覚えるのは、その音のあとになにが起きるのかを予測する手がかりになるからです。聞こえてきた言葉と、そのあとに起きたできごとをセットで記憶しておくことで、同じ言葉を聞いたときに素早く状況を判断できるようになります。
たとえば「ごはん」と聞けば食事が出てくると予測し、強いトーンの言葉を聞けば警戒するなどです。
このことから、猫は生きるため、または自分の身を守るために言葉を覚えていると考えられます。猫にとって言葉は、その後の行動を選ぶための重要な情報として機能しているのです。
まとめ

猫が覚えやすい言葉はいずれも、自分の利益や身の安全、感情と強く結びついているものばかりです。言葉の意味そのものを理解しているのではなく、その言葉のあとに何が起きるかというパターンを学習しています。
猫に言葉を覚えてもらいたいなら、良い体験とセットで繰り返すことが近道です。名前を呼ぶときはポジティブな場面で、褒めるときは穏やかなトーンで。こうした日常の積み重ねが、猫との距離を縮めるきっかけになるでしょう。