猫と『キス』すると感染するかもしれない病気4選 甘くみてはいけない理由や対策方法まで

猫と『キス』すると感染するかもしれない病気4選 甘くみてはいけない理由や対策方法まで

猫との暮らしは、飼い主さんに安らぎを与えてくれます。しかし親愛の証であるキスが、思わぬ病気を招くこともあります。大切な愛猫と長く健やかに過ごすために、注意すべき病気と原因となる菌についてご紹介します。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

猫とのキスで注意したい病気

猫を抱き上げる人

1.猫ひっかき病

猫ひっかき病の原因となるバルトネラという菌は、猫の唾液にも含まれています。そのため猫にひっかかれなくても、顔をなめられたり口が触れたりすることで感染する可能性も否定できません。

主な症状としてリンパ節の腫れや発熱が挙げられますが、猫自身には症状が出ないことが多いため、飼い主さんが気づかないうちに感染してしまうケースが散見されます。

2.パスツレラ症

多くの猫が口の中に持っているパスツレラという菌が原因で起こります。キスを通じて飼い主さんが菌を吸い込んだり、顔の粘膜に触れたりすることで、激しい咳や皮膚の炎症を引き起こすことがあります。

特に体の抵抗力が落ちているときは重症化するおそれがあるため、注意が必要です。

3.カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症

カプノサイトファーガという菌が、顔などの小さな傷や粘膜から体に入り込むことで起こる感染症です。多くの猫が口の中に持っている常在菌のため、猫自身が病気になることはありません。

人へ感染し発症すると発熱や頭痛などが現れ、重症化すると命に関わる恐れもあります。万が一のリスクを避けるためにも、口の周りをなめさせる行為は控えましょう。

4.コリネバクテリウム・ウルセランス感染症

喉の痛みや咳など、風邪に似た症状が出るウルセランスという菌による病気です。猫から人へ感染する例が報告されており、重い呼吸困難を招く恐れもあります。愛猫がくしゃみや鼻水を垂らしているときは、顔を近づけるのを控えるのが安心です。

愛猫と健康に過ごすための対策方法

なでられる猫

顔を近づけすぎない

猫との直接的なキスは避けましょう。また、顔を至近距離まで近づけるのも控えたい習慣です。なでたりおもちゃで遊んだりして愛情を伝えていきましょう。

食事のルールを分ける

人間が使っている箸で食べ物を与えたり、同じ皿を共有したりすることは避けてください。食器に付着した唾液から菌が移るリスクがあるからです。猫には専用の食器を用意し、洗う際もスポンジを分けるなどの配慮が必要です。

清潔な環境と猫の爪のお手入れ

猫に触れた後や、お世話をした後は石けんで手を洗うことを心がけましょう。また、猫の爪を短く切っておくことで、意図せず傷を作ってしまうリスクを減らすことができます。

体に傷がない状態を保つことも、感染を防ぐ大切なポイントです。

猫を感染源から遠ざける

猫が菌を持たないように工夫することも有効な対策です。例えば、猫ひっかき病の原因菌を運ぶノミを駆除したり、ウルセランス菌などの感染源となる野生動物との接触を避けるために完全室内飼育を徹底したりすることが挙げられます。

猫を健康に保つことは、飼い主さんの安全にも直結します。

まとめ

人のひざの上に乗る猫

猫とのキスは親密さの証のように思えますが、実は目に見えないリスクを伴います。動物と人間では持っている菌が異なるため、適切な距離感を保つことが大切です。

日頃から正しい対策を心がけることは、飼い主さん自身の健康を守り、結果として愛猫との幸せな生活を末長く守ることにもつながります。

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