猫が「睡眠不足」になる4つの原因

1.環境の変化
猫は自分の縄張りの変化にとても敏感な動物です。引っ越しはもちろん、家具の配置換えや、新しい家族(赤ちゃんやペット)が増えることも大きな刺激になります。
また、家の外で工事が始まったり、近所で大きな音が鳴り響いたりすることも、猫にとっては命の危険を感じるほどのストレスになることもあるので注意しましょう。
安心して目を閉じられる場所が奪われたと感じると、常に周囲を警戒してしまい、深い眠りにつくことができなくなります。
2.ストレス
飼い主とのコミュニケーション不足や、反対にしつこく触られすぎることも、猫の心を疲れさせます。
特に多頭飼いをしている場合、他の猫との相性が悪いと、寝ている間に攻撃されるかもしれないという不安から、十分な休息が取れなくなることも。
猫は本来、単独で行動する生き物なので、誰にも邪魔されない自分だけのテリトリーが確保できない状態が続くと、精神的な疲労が溜まって睡眠の質が著しく低下してしまいます。
3.体の不調
どこか体に痛みやかゆみがある場合、猫はリラックスして眠ることができません。例えば、関節の痛み、皮膚の炎症による激しいかゆみ、またはお腹の不快感などが原因で、何度も寝返りを打ったり、場所を頻繁に変えたりします。
猫は痛みを隠すのがとても上手な動物なので、ただ「寝付きが悪い」だけに見えても、実は病気が隠れていることがあります。
普段より寝相が落ち着かないときは、体に触れて嫌がる場所がないか確認が必要です。
4.加齢
シニア期に入った老猫は、体の機能の変化によって眠りのリズムが崩れやすくなります。視力や聴力が衰えることで、周囲の状況が分からず不安になり、夜中に起きて鳴き続けたり、徘徊したりすることもあります。
また、認知機能の変化によって昼夜が逆転してしまうケースも少なくありません。若い頃に比べて眠りが浅くなったり、小さな音でパッと目が覚めてしまったりするため、体力を回復させるためのまとまった睡眠が取りづらくなります。
見逃さないで!睡眠不足のサインと危険な症状

愛猫が寝不足になると、行動や見た目にハッキリとした変化が現れる可能性があります。まず、普段はおっとりしている猫が、少し触れただけで「シャー」と怒ったり、噛みつこうとしたりするなど、攻撃的になるかもしれません。
これは脳が休まっておらず、感情のコントロールが効かなくなっているサインの可能性があります。また、健康な猫は一生懸命に行う「毛づくろい」をサボるようになり、毛並みがバサバサになったり、フケが目立ったりすることもあります。
食欲についても、極端に食べなくなったり、逆にストレスでドカ食いをしたりと不安定になりがちです。
最も分かりやすいのは、夜中の「夜鳴き」です。家の中を歩き回りながら大きな声で鳴き続ける場合、眠りたくても眠れない苦しさを訴えている可能性があるため、早急な対応が必要となります。
もちろん病気が隠れている場合も十分にありえるので、勝手な判断は絶対しないでください。
飼い主ができる「安眠のための対策」

安心できる場所の確保
猫が誰にも邪魔されず、自分だけの時間を過ごせる寝床を用意しましょう。猫は高い場所から見下ろすことや、狭くて暗い場所に隠れることで安心感を得ます。
キャットタワーの最上階や、ドーム型のベッドを部屋の隅に置いてあげると良いでしょう。
その際、家族が頻繁に通るドアの近くや、テレビの横などは避け、できるだけ静かな場所を選んであげてください。自分専用の避難所があると思えるだけで、猫の心の安定感は大きく変わります。
快適な温度と環境
猫がぐっすり眠るためには、室温の管理が欠かせません。一般的に、猫が快適と感じる温度は「20℃~28℃」程度と言われています。
冬はペット用のヒーターや毛布を用意し、夏はエアコンで涼しい場所を作るなど、季節に合わせた工夫をしましょう。
また、日光が直接当たりすぎる場所や、エアコンの風が直接当たる場所は避けるべきです。湿度が低すぎると喉を痛めたりすることもあるため、冬場は加湿器を併用して、心地よい空間を維持してあげてください。
適度な運動と遊び
日中の活動量を増やすことで、夜の自然な眠りを誘うことができます。特に室内飼いの猫は運動不足になりがちなので、寝る前もしくはどこかの時間で15分程度、おもちゃを使ってしっかり遊んであげましょう。
追いかけっこやジャンプを伴う遊びで程よく体力を消耗させると、満足感とともに深い眠りにつきやすくなります。
また、飼い主と一緒に遊ぶことでストレスが解消され、精神的な満足感を得ることも、質の高い睡眠には非常に効果的です。
静かな環境と清潔さ
寝床の周りは常に清潔に保ち、不快な臭いがしないように配慮しましょう。特にトイレが汚れていると、猫はそれを気にして落ち着いて眠れなくなる可能性があります。
また、夜間は照明を落とし、テレビの音量や足音にも注意してあげてください。人間にとっては気にならない小さな音でも、耳の良い猫にとっては大きなストレスになります。
夜は家全体をリラックスしたムードにすることで、猫に「今は寝る時間なんだ」と正しく理解させることができます。
病院へ行くべき判断基準

もし対策をしても眠る様子がない、あるいは数日間ほとんど目を閉じていないように見える場合は、迷わず動物病院を受診してください。
特に、ただ起きているだけでなく、呼吸が荒い、体が震えている、何度も吐く、下痢をしているといった症状が重なっている場合は緊急性が高いです。
また、老猫が急に夜鳴きを始めた場合、甲状腺の病気や認知症が原因のこともあります。「たかが寝不足」と軽く考えず、生活リズムの乱れが病気のサインである可能性を常に忘れないでください。
プロである獣医師に相談し、検査を受けることで、飼い主の不安も解消され、愛猫に適切な治療を受けさせてあげることができます。
まとめ

猫の睡眠不足は、単なる疲れではなく、心や体のSOSである場合が多いです。日頃から愛猫の寝顔や寝る場所を観察し、少しでも「おかしいな」と感じたら、まずは生活環境を見直してあげましょう。
飼い主が安心できる環境を整えることで、猫は再び健やかな眠りを取り戻せます。愛猫の幸せな一生のために、質の良い眠りを守ってあげてくださいね。