猫の「ティッキング」ってどんな模様?

猫の毛色にはたくさんの種類がありますが、「ティッキング」は非常に繊細で神秘的な模様です。一見すると、遠くからは一色のシンプルな毛色に見えるかもしれません。
しかし、近くでよく観察してみると、一本の毛が根元から毛先に向かって複数の色に分かれて染まっているのがわかります。これを「アグーチパターン」と呼び、野生のウサギやリスなどにも見られる自然に溶け込みやすい色合いです。
単色の猫は根元から毛先まで同じ色ですが、ティッキングがある猫は、一本の毛の中で色が「しましま」になっています。この構造のおかげで、猫が歩いたり体を動かしたりするたびに、被毛が波打つようにキラキラと輝いて見えるのです。
光の当たり方によっても色の深みが変わるため、まるで宝石のような気品あふれる美しさを楽しむことができるのが、ティッキングの最大の魅力といえるでしょう。
ティッキングが美しい代表的な猫種3選

1.アビシニアン
ティッキングを持つ猫の代表格といえば、アビシニアンです。エジプトの壁画に描かれている猫のような、優雅で野生味のある姿が特徴です。
アビシニアンの毛は、一本の毛に3色から4色の異なる色が帯状に入っています。これを「アビシニアン・ティッキング」と呼び、非常に密度が高く、短毛でありながら弾力のある手触りをしています。
性格はとても活発で、飼い主と一緒に遊ぶことが大好きです。その運動能力の高さから、部屋を駆け回る姿はまるで小さなライオンのようだと言われています。
動くたびに、背中や尻尾の毛がグラデーションのように美しく変化するため、見ていて飽きることがありません。初めて猫を迎える方にとっても、その賢さと美しさは大きな魅力となるはずです。
2.ソマリ
ソマリは、先ほど紹介したアビシニアンから生まれた長毛種の猫です。「ロングヘア・アビシニアン」と呼ばれることもあり、その最大の特徴は、長くふんわりとしたゴージャスな被毛にあります。
一本の毛に複数の色が重なるティッキングの性質はそのままに、毛が長くなったことで、より柔らかく幻想的な色の重なりを楽しむことができます。
特に首回りの飾り毛や、キツネのようにふさふさとした大きな尻尾は、ソマリならではの見どころです。歩くたびに長い毛が揺れ、ティッキングによる色の濃淡が優しく混ざり合います。
性格はアビシニアン譲りで甘えん坊な子が多く、美しい見た目とフレンドリーな性格を兼ね備えています。長毛なので日々のブラッシングは欠かせませんが、お手入れをすればするほど、その毛並みの美しさは輝きを増していきます。
3.シンガプーラ
シンガプーラは「世界最小の純血種」として知られる、小柄で愛らしい猫です。この猫が持つティッキングは「セピア・アグーチ」と呼ばれ、温かみのあるアイボリーの地色に、濃いブラウンの色が重なっています。
全体的に柔らかなセピア色のグラデーションに見え、古い写真のようなノスタルジックで上品な雰囲気をまとっているのが特徴です。
大きな瞳と小さな体が可愛らしいシンガプーラですが、その被毛は非常に短くシルクのような滑らかな手触りをしています。毛の一本一本が繊細に色分けされているため、光の下では独特の光沢を放ちます。
おとなしくて愛情深い性格の個体が多く、集合住宅などでも飼いやすい猫と言われています。控えめながらもしっかりとした存在感を感じさせるその被毛は、まさに「小さな妖精」と呼ぶにふさわしい美しさです。
ティッキングがある猫のお手入れと魅力

ティッキングを持つ猫の美しさを保つためには、日々のスキンシップを兼ねたお手入れが重要です。
短毛種であっても、抜け毛を取り除いてあげることで、新しく生えてくる毛のツヤが良くなり、ティッキング特有のキラキラとした輝きがよりはっきりと見えるようになります。
ラバーブラシなどで優しくマッサージするようにブラッシングをして、被毛の健康を維持してあげましょう。
また、ティッキングのもう一つの大きな魅力は、成長とともに変化する色の深みです。子猫の時期はまだ模様がぼんやりしていることもありますが、大人になるにつれて色の帯がはっきりとし、その猫本来の美しい色合いが完成していきます。
季節や体調によっても微妙に色の見え方が変わることがあるため、毎日一緒に過ごす中で、その時々の美しさを発見できるのは、飼い主だけの特権といえるでしょう。
まとめ

ティッキングは、一本の毛に複数の色が重なることで生まれる、自然が生んだ芸術的な模様です。
アビシニアン、ソマリ、シンガプーラといった猫たちは、この模様のおかげで他の猫にはない独特の輝きと上品さを備えています。
一見シンプルに見えて、実はとても奥が深いその美しさは、一度知ると虜になってしまうことでしょう。光の加減で表情を変える美しい被毛は、日々の生活に癒やしと驚きを与えてくれるはずです。
愛情を持って丁寧にお手入れを続けながら、世界に一つだけの輝きを持つ愛猫との暮らしを存分に楽しんでくださいね。