6ヵ月で「退職」したネズミ捕り主任猫

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英国首相官邸「ダウニング街10番地」には、過去に代々「ネズミ捕り主任」として仕えた猫たちがいました。しかし1997年に引退したHumphrey以降は、このポストがずっと空席になっていました。
やっと2007年9月になって、メスの白黒猫Sybilがやってきました。当時の首相ゴードン・ブラウン氏と妻は、広報担当者を通じて「Sybilがいることを喜んでいます。この猫は敷地内を自由に歩き回ることができるのです」と声明を出しています。数ヵ月後には大量のファンレターがSybilあてに寄せられるようになりました。
ところがSybilはダウニング街になじめなかったようで、約6ヵ月後に静かな地域に住む知り合いの家に引き取られていきました。その後2009年7月、この猫はロンドンで病気のために亡くなったと考えられています。
首相官邸のネズミ駆除が課題に

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2011年1月、ダウニング街からの夕方のテレビニュースに「ネズミが階段を駆け抜ける姿」が映し出されました。しかも1度だけではありません。官邸のネズミ駆除は喫緊の課題になったのです。
当時デービッド・キャメロン首相の広報担当者は「庁舎内に猫を欲する声が多い」ことを認めました。これを受け、さっそく動物保護団体「Battersea Dogs and Cats Home」が、「里親を待っている猫たちがいる」と名乗りを上げたのです。
当初は乗り気でなかったキャメロン首相でしたが、2011年2月14日公式に猫のスタッフ職員を採用しました。「Battersea Dogs and Cats Home」の候補者リストから選ばれたのはLarryです。最終決定はキャメロン首相の2人の息子が行ったといわれています。
15年間活躍を続けるLarry

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メディアはさっそく猛烈な勢いで取材を開始しました。翌日の午後にLarryがキャリーに入れられてダウニング街に到着し、官邸内に入るようすがテレビで大々的に報道されました。
同団体は取材に応えて「Larryはとても社交的で、注目されて人間とふれ合うのが大好きなので、この仕事はぴったりです。狩猟本能もしっかり残っている猫ですから」と述べています。
Larryは推定3歳から5歳ほどで、その年の1月初旬にロンドンの路上で保護された野良猫でした。路上生活ではしばらくの間厳しい経験をしたようで、「少し乱暴者ですが、とても愛情深く社交的で、建物内の賑やかな生活様式に十分適応できる自信があります」(同団体)ということでした。
Larryは公務員ではなく、「オフィスで飼われている猫」という位置づけなので、餌や獣医治療などの経費は官邸の職員たちが負担しています。官邸周辺のほぼすべての建物に出入りが許され、好きな場所で眠ることができます。さすが、巷で「Larry卿」と呼ばれるだけのVIP扱いですね。
長年報道陣やテレビの注目を浴びているLarryですが、まったく臆するようすを見せずに平静を保ち続けてきました。SNSにもたびたび登場し、人々を笑顔にする活躍ぶりです。
15年間現役を続けるLarry。高齢になった今でも「引退」ということばはまったく眼中にないようですね。