1.構ってもらえないとき

飼い主の長時間の留守番が続いたり、家にいてもスマホやパソコンばかり見て猫に視線を向けなかったりすると、猫は飼い主の関心が自分に向いていないことを察します。
特に甘えん坊な猫が、近寄ってきて鳴いているのに、飼い主に良い反応がなければ、無視されていると感じて悲しくなってしまうでしょう。
在宅ワークや長時間のスマホ使用の際も、せめて「ながら」でもいいので時々猫に声をかけたり、撫でたりしてあげましょう。
そしてできるだけ毎日5〜10分は、猫と遊ぶ時間を確保することも大切です。おもちゃで遊ばない猫もブラッシングをしたり、抱っこしたりするだけでも飼い主の愛情を感じられます。
忙しいときは「後でね」と声をかけ、必ず時間を作って約束を守りましょう。猫は意外に人の誠意を気にするのです。
2.飼い主に期待を裏切られる

猫はいつも知らん顔で寝ているように見えますが、実際には割と飼い主の行動を見ていることが多いようです。
おもちゃを見せてフリフリしておきながら、遊んでくれずにそのまま片づけてしまったり、おやつの袋をチラリと見せたのに、何ももらえなかったりすると、期待を裏切られたことに対して悲しい気分になってしまいます。
期待外れの経験がたびたびくり返されると、猫の方も「今回もどうせ…」と、冷めた態度を取るようになるかもしれません。
もし、猫の気を引く行動をしたときには、ニオイを嗅がせるなど確認行動をしっかりとさせた上で「片づけるよ」「おやつはまた今度ね」と言って片づけましょう。もちろん遊んだり、食べさせたりできるのであれば、そうしてあげてください。根本的な信頼関係は、誠実なコミュニケーションが重要です。
3.体罰や強く叱られる

人にとってはいたずらでも、猫にとっては本能からくる「仕事」の一部かもしれません。キッチンの中を探索したり、棚から物を落としたとき、強く叱られたり体罰をされたりすれば猫は悲しくなってしまいます。
叱るタイミングが遅いと猫はなぜ怒られているのか理解できずに、飼い主が「ただ嫌なことをしてくる存在」になってしまいます。
猫のいたずらには大声で叱らず、落ち着いた声で短く「ダメ」と伝えましょう。あるいは何も言わず、抱っこしてその場から離すのも有効です。
根本的な対策は、いたずらしそうな場所に猫が近づけないよう、環境を整えることです。
懲りずに何度もくり返す猫に対して、イライラしてしまう飼い主さんもいるかもしれませんが、同じ行動をくり返してしまうのは、環境整備が不十分というサインです。「行動をやめさせる」よりも「できない場所にする」を中心に対策するようにしましょう。
4.新しい家族に場所を奪われる

多くの猫は、自分の生活環境が変わることが好きではありません。引っ越しをするだけでなく、新しいペットに対しても、自分のテリトリーに無断侵入してきた者として警戒します。
猫の性格によっては、とてもフレンドリーで新しいメンバーともすぐに仲良くできるコもいますが、中には大好きな自分のお気に入りだった場所に見知らぬ存在がいると、具合が悪くなるほど悲しんでしまう猫もいます。
新入りが猫でも犬でも、対面する際はいきなり開放せず、ケージや柵ごしに接する練習から始めましょう。最初は短時間から始め、段階的に時間を延ばしていきます。仲良くする姿を期待して焦らず、数週間から数ヶ月かけてゆっくり慣れさせてください。
また、新入りは自由に行動しがちなので、仲良くなるまでは先住猫のお気に入りの場所を勝手に使わないよう配慮しましょう。
5.同居家族との別れ

人間の力をもってしても、叶えてあげられないことは多々あります。家族との別れもそのひとつです。引っ越しにしても、死別にしても猫にとって重要です。
猫は同居家族のことを、自分のテリトリー内を構成するための重要な一部だと認識しています。そのため、長年一緒に暮らしていた家族がいなくなることは、猫にとっては身体の一部がなくなるような衝撃的な悲しみを受けるのです。
いなくなった家族のニオイを探したり、いつも居た場所をずっと見つめたりする行動が見られることがあります。深い喪失感から、一時的に元気をなくしたり、食欲が落ちたりすることがあります。
もし、猫が落ち着かない様子を見せたら、いつもより多めに声かけやスキンシップを取って、気持ちを紛らわしてあげましょう。数日経っても食欲が戻らない、極端に元気がないなどの症状が続く場合は、動物病院に相談してください。
まとめ

猫の感情を完全に理解することは難しいかもしれませんが、私たち人間が「嫌だな」「これは悲しいな」と感じることは、猫もたいてい悲しい気分を味わっています。
猫は言葉で何が不満で悲しいのか訴えることができませんが、「最近元気がないな」と感じたら、生活の中で何か変化がなかったか振り返ってみるようにしましょう。猫のいたずらを何気なく叱り、その場はいったん終わったものの、実は猫にはショックだったということも考えられます。
ただし、元気がない上に食欲不振や寝てばかりという身体的な変化も見られる場合は、何か別の病気が隠れていることもあるため、長く様子を見ずに動物病院で相談するようにしましょう。