猫の「しっぽ」から読み取れる5つの心理

1.しっぽをピンと立てているとき
猫がしっぽを根元からまっすぐ上へと立てているときは、非常にポジティブな気持ちを表すサインです。これは、猫が機嫌が良く、親愛の情を示しているときによく見られます。
特に、このまっすぐ立ったしっぽの先端だけが少し曲がっていたり、小刻みに震わせていたりする場合は、猫が飼い主に会えたことへの強い喜びや、何か良いこと(ご飯やおやつなど)への期待感で興奮している証拠です。
子猫が母猫に甘える時にしっぽを立てるように、飼い主に対しては「あなたに親しみを感じています」「安心しています」という愛情表現でもあります。
このサインが出ているときは、猫が非常に友好的で、コミュニケーションを求めている状態だと言えるでしょう。
2.しっぽをゆらゆらと大きく振る、だらりと下に垂れているとき
猫のしっぽが力を抜いてだらんと垂れている、またはゆっくりと左右に大きく揺れているときは、猫が周りの環境に完全に慣れて安心しており、心身ともにリラックスしている状態です。
これは、猫が危険を感じていない、ごく自然な姿といえます。警戒心が強い動物である猫にとって、しっぽの力を抜くことは、「ここは安全だ」と心から感じていることの表れです。
このゆったりとした動きは、ただの「無関心」ではなく、「今の状況に満足している」という静かな幸福感を示しています。
しかし、この「だらり」が、何かに怯えて股の間に巻き込まれている状態になると、「不安」や「恐怖」のサインに一変しますので、姿勢全体を見て判断するようにしましょう。
3.しっぽの毛を逆立てて太くなっているとき
猫が「強い恐怖や怒り」を感じたとき、しっぽの毛が逆立ち、まるでブラシのように太く膨れ上がって見えることがあります。
これは、猫が自分をより大きく見せて、相手を威嚇し、危険から身を守ろうとする防衛本能によるものです。このサインが出ているときは、猫の感情が極度に高ぶっており、パニックに近い状態にあることが多いです。
耳も寝かせていたり、背中を丸めていたりする姿勢とセットでこのしっぽの動きが見られたら、猫は非常に切羽詰まっています。
この状態でむやみに手を出したり、刺激したりするのは大変危険です。猫が安全な場所に逃げ込めるように、静かに見守り、刺激となっている原因(他の猫や大きな音など)をそっと取り除いてあげましょう。
4.しっぽをパタンパタンと激しく叩きつけるとき
猫が座ったり伏せたりしている状態で、しっぽを床や体に強く打ち付けるように素早く動かしているときは、猫が不満を感じ、イライラしているサインです。
この動きは、猫が「今は放っておいてほしい」「これ以上関わらないで」と警告している状態を示しています。
例えば、抱っこされている時間が長すぎるとき、遊びを中断させられたとき、しつこく撫でられたときなど、自分の思い通りにならない状況でこのサインが出やすいです。
機嫌が良いときの「ゆらゆら」とした大きな揺れとは違い、この「パタンパタン」という激しい動きは負の感情を表しています。
このサインを見逃さず、すぐに猫から手を離し、距離をとることで、猫とのトラブルを避けるようにしましょう。
5.しっぽを体に巻き付けているとき
猫が座っているときや立っているときに、しっぽを前足や自分の体に対してきつく巻き付けている、あるいは股の間に引き込んでいるような姿勢をとっている場合、猫は周囲に対して強い不安や緊張を感じています。
これは、猫が自分自身の体を小さく見せようとし、少しでも体を隠して守ろうとする心理が働いているからです。来客があったときや、引っ越し直後、病院に行ったときなど、慣れない環境や大きな音にさらされたときにこの動きが見られます。
この状態の猫は、強いストレスを感じているため、無理に触れようとせず、猫が落ち着ける隠れ場所を用意してあげるようにしてください。
猫の安全基地となる場所を作り、安心できるまで静かに見守ってあげましょう。
見逃せないしっぽのサイン

猫のしっぽの動きの中には、喜びや怒りのようにはっきりとした感情だけでなく、複雑な心理状態を示すサインもあります。
例えば、猫がしっぽを小刻みにプルプルと細かく震わせる動きは、興奮している時によく見られますが、これは単に嬉しいだけでなく、期待感が高まりすぎて「早く!早く!」という強い気持ちが体からあふれている状態です。
大好きな飼い主の帰宅や、ご飯の準備を見ている時など、抑えきれない喜びと期待が混ざったサインです。
また、しっぽを左右にゆっくり大きく揺らしながら、同時に体を低くしている場合は、獲物を見つけて狩りの準備をしている、つまり集中力が高まっている状態です。
これはリラックスではなく、次の行動に向けてエネルギーを溜めているサインなので、猫の真剣な気持ちを尊重してあげましょう。
まとめ

しっぽの動きは、猫の気持ちがダイレクトに伝わる感情のバロメーターです。
ピンと立っていれば喜び、激しく叩きつけていれば不満、毛を逆立てていれば恐怖といった、明確なサインを読み取ってあげることが、猫との信頼関係を深める第一歩です。
飼い主が猫のサインを理解し、その気持ちに寄り添ってあげることで、猫は「自分は愛されている」と感じ、より安心して毎日を過ごせるようになりますよ。