1.時間と回数を決める

猫は「要求すれば得られる」と学習する動物なので、いつでも抱っこに応じてしまわないようにしましょう。
ポイントは、スキンシップの時間と回数にメリハリをつけること。たとえば朝の5分、夜の10分を「甘えタイム」として固定化するだけで、猫は安心して待てるようになります。
タイマーを使って聴覚的に区切るのも有効です。「この音が聞こえたら抱っこは終わりね」と猫が覚えてくれれば、飼い主側も負担が減り、猫にとっても予測可能な安心感が生まれるでしょう。
2.代わりの「温もりスポット」を用意

猫が飼い主さんの膝に乗りたがる大きな理由は「温かさ」です。その欲求を満たす代替スポットを用意すると、膝への依存を減らせます。
たとえば、ひざ掛けを敷いた猫ベッド、湯たんぽ(低温火傷に注意)、電気マット(低温設定)など。人の匂いがついたタオルを置くと仲良くなりやすいでしょう。
設置場所は家の活動がよく見える窓際や、飼い主の作業場所の近くにすると効果的です。
3.適度な運動と遊びで満足度アップ

猫は基本的に抱っこを嫌う動物ですが、飼い主さんに甘えたいという気持ちが募ると、抱っこを求めることがあります。
そのひとつが、遊びが不足していることです。したがって、運動でエネルギーを発散させると、精神的にも満たされやすくなるというわけです。短時間でも、おもちゃを使って「本気」の遊びをするのがおすすめ。1日合計で10〜20分入れると良い結果が出やすいでしょう。
さらに遊び終えた直後に軽く撫でるルーティーンを作ると、「遊んだら落ち着く」という流れが習慣化されます。
4.要求行動におやつで応えない

抱っこや膝に乗るのを避けるために、おやつで気を紛らわせようとする人がいますが、これは逆効果。猫は、おやつがもらえる「きっかけ」となった行動を学習するので、かえってクセになってしまう恐れがあるからです。
たとえば、鳴いたり爪で引っ掻いたりして注目を得たときにおやつを与えると、行動は強化されます。したがって、おやつは決まった時間やしつけなどの目的に合わせて与え、要求行動には応じないルールを家族全員で共有しましょう。
5.「ながら抱っこ」はしない

愛猫があまりにも抱っこをせがむからといって、抱っこしたまま家事をしたり、PC作業をしながら猫を撫でたりするのは、よくありません。猫は「飼い主さんが忙しそうにしていても、自分を優先してくれる」と思ってしまうので、「ながら」はマイナスにしかなりません。
抱っこは座って短時間で行い、短くても「質の高い」スキンシップを心がけ、終わったら静かに膝から下ろす。これにより抱っこの満足度は上がり、頻度をコントロールしやすくなりますよ。
まとめ

愛猫が抱っこをせがむのは信頼と愛情の証です。ただし飼い主の生活とのバランスが崩れると、お互いにとってストレスにもなります。
今回紹介した対策を組み合わせて、猫が安心しながらも飼い主が無理なく続けられる距離感を作っていきましょう。小さな変化を観察しながら、愛猫に合った方法を見つけてくださいね。