猫の鼻が『フガフガ』鳴っているときの原因5つ 病気の可能性から対処法まで解説

猫の鼻が『フガフガ』鳴っているときの原因5つ 病気の可能性から対処法まで解説

猫の鼻から「フガフガ」と音が聞こえる原因を、病気の可能性も含めて解説していきます。この音が心配な飼い主のために、自宅でできる簡単な対処法や、動物病院に行く目安をわかりやすくまとめました。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の鼻が「フガフガ」鳴る5つの原因

リラックスして寝る猫

1.リラックスしてるときや寝ているとき

猫が深く眠っているときや、非常にリラックスしているときに「フガフガ」という小さな寝息や振動音が聞こえることがあります。

これは、人間が寝息を立てるのと同じで、生理現象のひとつであり、病気ではありません。特に、猫が快適で安心できる場所で眠っているときによく聞かれます。

夢を見ているときに、鼻がピクピク動いたり、喉をゴロゴロ鳴らしたりする動作と一緒に出ることがあります。もし、起きた後すぐに音が止まるようであれば、心配はいりません。

2.ホコリや刺激物

部屋のホコリやゴミ、タバコの煙、強い洗剤の臭いなどの刺激物が猫の鼻に入ったとき、それを外に出そうとして「フガフガ」と聞こえることがあります。

これは、人間のくしゃみが出る前の「ムズムズ」や鼻を鳴らす動作に近いものかと思います。くしゃみと共に刺激物が排出されればすぐに治まります。

しかし、頻繁にフガフガ音が聞こえる場合は、生活環境の中に原因となる刺激物やアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)がないかを確認し、部屋の掃除や換気で空気をきれいに保つことが大切です。

3.興奮しているとき

猫が遊びに夢中になっているときや、ご飯をもらう前など、感情が高ぶって興奮しているときにも「フガフガ」という音が聞こえることがあります。

興奮すると、一時的に呼吸が荒く、浅くなるため、鼻の空気の通り道で音が鳴ってしまうのです。これは、一時的なものであり、遊ぶのをやめたり、興奮が収まったりすれば自然に止まります。

この場合の「フガフガ」は、「早く遊びたい」「早く食べたい」という気持ちが強いサインとも言えます。ただし、激しい遊びの後などに長く続いて呼吸が苦しそうに見える場合は、一時的に遊びを中断し、落ち着かせるようにしましょう。

4.アレルギー

特定の物質に対するアレルギー反応によって、鼻の粘膜が腫れたり炎症を起こしたりし、空気の通り道が狭くなることで「フガフガ」音が鳴ることがあります。

アレルギーの原因としては、花粉、ハウスダスト、カビ、特定のフードなどが考えられます。アレルギーの場合、フガフガ音だけでなく、くしゃみが止まらない、目やにが出る、皮膚をかゆがるといった他の症状を伴うことが多いです。

症状が続く場合は、動物病院でアレルギーの原因を特定し、適切な治療や生活環境の見直しを行う必要があります。

5.鼻の中に異物が入っている

小さな草の種、猫砂の粒、おもちゃの破片など、猫が吸い込んだ異物が鼻の奥に入り込んでしまうと、それを外に出そうとして頻繁に「フガフガ」と強く鼻を鳴らしたり、くしゃみをしたりします。

異物が原因の場合、片方の鼻だけからフガフガ音が聞こえる、鼻血が出る、顔をこするといった行動が見られることも。

異物は自力で取り出せないことが多く、放置すると炎症や感染症の原因になるため、すぐに動物病院を受診する必要があります。

特に、小さな猫は好奇心から様々なものを吸い込みやすいので注意が必要です。

飼い主にできる予防と対策方法は?

鼻がかゆそうな猫

日頃から愛猫の健康を守るためには、生活環境の整備と健康状態のチェックが基本です。まず、部屋の掃除と換気をこまめに行い、フガフガ音の原因となりやすいホコリやハウスダスト、カビを減らしましょう。

空気清浄機や加湿器を使って、空気をきれいに保ち、乾燥を防ぐことも大切です。また、猫がリラックスできる安心できる場所を用意し、ストレスを減らすことで、免疫力の低下を防ぎ、風邪などの病気の予防につながります。

遊び道具は、猫が分解して小さな破片を吸い込む可能性のあるものは避け、安全なものを選びましょう。

フガフガ音が鳴ったら、まず一時的なものか、他の症状がないかを観察することが大切です。

こんな症状が出たら病院へ

診察される猫

「フガフガ」という音が頻繁に、または何日も続いて止まらない場合や、呼吸が苦しそうに見える場合は、病気のサインかもしれません。

特に、食欲や元気がなくなった、熱があるといった全身の症状を伴う場合や、くしゃみ、鼻水(特に黄色や緑色のネバネバしたもの)、目やに、咳などの症状が新しく出た場合は、すぐに動物病院を受診してください。

また、鼻血が出たり、口を開けてハァハァと息をしている場合は、呼吸困難の危険があるため、緊急性が高いです。

これらの症状は、猫風邪や肺炎、鼻の奥の病気など、治療が必要な病気が隠れている可能性があるため、早めの受診で愛猫の体を守りましょう。

まとめ

猫の鼻

猫の「フガフガ」音のほとんどは心配のない一時的なものですが、病気のサインを見逃さないための大切なヒントでもあります。

日々の生活の中で愛猫の様子をよく観察し、安心できる環境を整えてあげましょう。異常を感じたら、他の症状の有無を確認し、すぐ獣医師に相談するようにしてくださいね。

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