猫がみせる『気遣い・遠慮』をしているような行動5選 優しい素振りに隠された本音とは?

猫がみせる『気遣い・遠慮』をしているような行動5選 優しい素振りに隠された本音とは?

私たち人間は、相手を思いやることから遠慮してしまうことがありますが、飼っている猫にもこのような気遣いや遠慮する素振りが見られることがあります。猫たちのそのような行動は私たちのように思いやりからきているのでしょうか?今回は猫の気遣いから見られる本音について解説します。

1.場所を譲ってくれる

ソファの端に座る猫

猫がいるときに座ろうとするとスッと移動したり、寝ようと布団に入ったとき、上で寝ていた猫が足元の方に移動したりして場所を空けてくれることがあります。まるで飼い主の行動の邪魔にならないように、気遣ってくれているようにも見えます。

愛猫との関係が親密であれば、もしかしたら猫も「どうぞ」の気持ちで譲ってくれたのかもしれません。一方で、その背景には「場所の共有をしたくはない」「いまはベッタリ寄り添わずに距離を保ちたい」という気持ちがあることも考えられます。

猫の気遣いと本音は紙一重なのかもしれません。

2.アピールが小さな鳴き声や軽いタッチ

飼い主に呼びかける猫

動物は自己欲求を強く持っていると思われがちです。しかし、飼い主が別の作業をしているときには、ごはんの催促もおもちゃ遊びの要求も小さな声で鳴くか、ちょんちょんと前足で触れるだけの動作で呼びかけることがあります。

この行動は、とても遠慮がちに感じられますが、実際には、過去の行動が大きく影響しています。

ふだんは猫が何も言わなくても飼い主さんが率先して用意してくれる場合、その信頼から、猫は過剰なアピールは不要だと理解しているのでしょう。平和的に気持ちを伝えたいだけなのです。

3.甘えたいのを我慢する

赤ちゃんを見る猫

壁や椅子の脚に頬をスリスリして甘えたそうにしているのに、膝に乗ってくることもなく、少し距離を置いて座り込むときがあります。特に飼い主が何かの作業中のときには、甘えたいのを我慢しているように見えます。

ところがこれは飼い主への「遠慮」「気遣い」というよりは、猫の性格からくる慎重さです。幼少期に母猫に甘えたいときに、すぐに甘えることができなかったような猫は「甘え行動」を全開で見せることが苦手なのです。

ひときわ甘えん坊な猫なら、甘え行動を全面に出して「邪魔」することが多いものです。自分をコントロールできる猫は、ちょっとだけ寂しい過去があるのかもしれません。

4.元気がないときに寄り添ってくれる

隣に居る猫

飼い主の元気がないとき、猫がそっと寄り添ってくる姿は、まるで元気付けてくれているかのようで、心が温かくなる行動です。風邪などで体調を崩したときだけでなく、精神的に疲れてしまっているとき、愛猫のなぐさめは嬉しいものです。

ところが実際の猫は飼い主の異変に気づいて、いつもと違うことに不安を感じている可能性があります。猫は人間の声や動き、ニオイ、生活リズムの変化にもとても敏感です。

猫は不安があると、本能的に安心できる場所を求めて、自然に飼い主に寄り添う形になってしまうのです。とはいえ、猫は親密な相手を思いやる気持ちを持っていますので、寄り添う行動も猫なりの愛情表現のひとつなのです。

5.お土産を持ってきてくれる

おもちゃを持ってきた猫

愛猫が別の部屋からわざわざおもちゃをお土産に持ってくることがあります。小さな体で一生懸命持ってくる姿は妙に健気に見えることから、何か特別に気遣われているように感じるかもしれません。

猫の行動学的には、親猫が離乳した子猫の自立に向けて、わざと弱った獲物を持ち帰り、まだ狩りのできない個体に「とどめを刺す」練習をさせるという教育的な行動だといわれています。

人間的な気遣いとは少し違っていますが、食べていく技術を共有しようとする行動からは大事な相手だからこそするという点が共通しているのです。

まとめ

子供にやさしい猫

愛猫の一歩後ろに下がったようなその姿に、愛おしさを感じることもありますが、猫の行動は、人間とまったく同じ解釈をするとは限りません。

たとえ、愛猫がお気に入りのおもちゃを持ってきてくれたとしても、無償の愛のプレゼントではなく、「これを獲物だと思ってやっつけなさい」という親心からのプレゼントなのです。

猫の行動には、その子自身の性格や育ってきた環境など、さまざまな要素が影響しています。そのため、私たち飼い主が受け取る意味とは異なることもあります。ただ、お互いの信頼関係の中で見られる行動である点を考えると、気遣いや遠慮にも通じるような効果を持っているのかもしれませんね。

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