1.ひも状のもの

細長い形状は、猫にとって「ヘビ」や「小動物」の動きを連想させるといわれています。揺れる・くねる・垂れる動きが狩猟本能を刺激し、「触って捕まえたい!」という衝動を引き起こします。
具体例をあげると、ズボンの腰ひもやパーカーのフードひも、ブラインドのチェーン、紙袋の持ち手の部分などです。
ひも状のものは、猫の狩猟本能をくすぐるので、遊ぶものとしては使えますが、やや注意が必要。体に絡まったり、首が締まってしまう可能性もあるからです。
猫が興味をもちそうなひも状のものは、放置するとケガのリスクがあることを覚えておきましょう。ブラインドのコードは高い位置にまとめて収納し、紙袋の持ち手の部分は切っておきましょう。
2.ひらひらするもの

風や動きでひらひらすると、獲物が逃げるように見えるため。特に視覚的に刺激が強いので、子猫や若い猫ほど反応しやすい傾向があります。
具体例は、カーテンの裾やティッシュ、スカートやストールの裾に、チャームのフリンジなどです。
猫は、人間にとって大切なものでもおかまいなくおもちゃにします。大切なものは、猫の目や手の届かない場所に保管しましょう。また生活に欠かせないティッシュをいたずらしてしまう場合は、箱ごとカバーをしたりフタ付きのケースを選ぶのがおすすめです。
3.紙やビニール袋

猫は、スーパーの袋や包装紙などが大好きです。それはシャカシャカした音、カサカサした触感、踏んだときの音などが、猫の好奇心を刺激するから。
またビニールや紙袋は中に入れるので「安全に隠れる習性」から興味をもつことが多いです。さらにビニール袋は触れるよりも舐める猫もいます。これはビニールやプラスチックの製造過程で使われる油脂のニオイが残っているからという説もあります。
もし愛猫がビニールや紙袋に強く興味をもつようなら、誤飲しないように注意しましょう。破れた紙や袋の端を口にいれないようにチェックし、遊び道具として使うなら「段ボールハウス」や「トンネル」などおもちゃを用意するとよいですよ。
4.ぶらさがっているもの

洗濯ものや洗濯干しについている洗濯ハサミ、観葉植物の葉やアクセサリー、ピアスなど、ぶら下がっているものはすべて猫の興味を惹きます。それは、揺れる=獲物の動きに見えるためです。高いところから垂れているものは特に「狙いたい欲」が強くなるでしょう。
したがって、猫がいるお部屋には、壊されて困るような高価なインテリアは届かない位置にのみ飾るのが安全です。また観葉植物の中には、猫に危険な種類もあるので(有毒植物など)、猫が噛んだり触れたりしても安全な種類を選ぶようにしましょう。
5.小さなもの

猫は「小さくて動く物体」を追いかける本能があります。小さくて軽いものですと、猫が前足でちょいちょい触るだけで動かせるので、「触りたい」衝動に駆られるのでしょう。
具体的なものをあげると、ボタンやヘアゴム、リップやキャップ、スーパーボールなど。転がしたり、動かしたりして楽しい遊びになります。
小さなものは猫が遊べる反面、誤飲サイズであるため誤飲の危険も伴います。机や床に置きっぱなしにするのは危険です。遊ばせるなら、直径3センチ以上の「おもちゃ」を用意してあげましょう。
6.動くもの

動くものを「追いかけて捕まえたい」という狩猟行動そのものです。したがって猫は、動くものを「触れたい」と感じ、その本能は強いため、止めにくいです。
たとえば、テレビやPCの映像(魚や小動物)を見て、画面を触ろうとするのはそのためです。またロボット掃除機の下で回転している「ハケ」が気になって追いかける猫もいます。
ロボット掃除機はしっぽを巻き込まれないように注意が必要ですし、テレビやPC画面も人間と同様に目が疲れたり興奮しすぎたりするので気をつけてあげましょう。
7.やわらかいもの

猫はやわらかい感触のものを「ふみふみ」する本能があり、猫にリラックスを与えます。これは母乳を飲むために、子猫が母猫のお腹をもんでいた名残りともいわれています。
猫が触りたくなるような柔らかいものは、毛布やぬいぐるみ、クッション、脱ぎっぱなしの衣類などです。一見、安全そうに思えますが、飾りボタンやほつれた糸などは、誤飲の可能性があるため気を付けてあげましょう。
まとめ

猫が触りたくなるものを整理すると、その多くは「野生の名残り」や「狩猟本能」に根ざしていることがわかります。いずれも、五感を刺激される「遊びのきっかけ」となっている場合が多いのですが、誤飲や引っかき傷、機器の転倒などの危険も潜んでいます。
猫の本能を否定せず満たしてあげつつ、危険なものは届かない場所に片付ける・代わりに安全なおもちゃを用意する・遊ぶときは見守るといった対策が必要です。
猫が何かに触ろうとしたとき、それは単なるイタズラではなく、「刺激を求めている合図」であることを把握し、好奇心を満たせる環境づくりを意識してあげてくださいね。