『気性が激しい猫』の特徴4選!上手く付き合う方法は?

誰彼構わず威嚇したり、ちょっとした刺激に反応しては暴れ出してしまう猫。いわゆる"シャーシャー猫"は、どうしてあのように気性が激しいのでしょうか。
実際にお世話をするとなると『怖い』と思うのが正直なところですが、上手く付き合う方法はあるのでしょうか。
ここでは『気性が激しい猫』に見られがちな4つの特徴と、接し方のコツを紹介いたします。
1.警戒心が強すぎる

気性が激しい猫は通常の猫と比べ、警戒心が強すぎる傾向にあります。
おそらく多くの場合は、何らかの過酷な環境が関与しています。例えば虐待や多頭飼育崩壊、野良生活が長く人間との接点が少なかったなど。
このような背景を持つ猫を保護した場合は、安全な環境を整え、安心して過ごしてもらうことを最優先にします。
必要に応じてケージに布をかけ、隠れ家のような空間を作ります。決して無理に触れ合おうとはせずに、必要最低限のお世話を続けましょう。
美味しいご飯と新鮮な水、清潔なトイレを整備する中で、少しずつ『人間は怖くない』と感じてもらえることが最初の目標です。この間も優しく声をかけ続けることが大切です。
そこから徐々に警戒を解き、最終的には撫でたり、直接的なお世話ができるように根気強く関わっていきます。
心を開いてくれるまでにかかる時間は個体差がありますが、それなりに時間がかかる覚悟を持ってください。中には一生涯に渡って抱っこを嫌う猫もいるでしょう。
抱っこ好きの飼い主さんにとっては残念ですが、それもその猫の個性として受け入れてあげてください。
2.母猫から教育された

過酷を極める環境で育った猫が母になった場合、子猫たちに『人間は怖い』『安易に関わってはいけない』『近づいてきたら威嚇しなさい』と教育することがあるのだそう。これもひとえに命を守るため。厳しい世界では正当な教育です。
したがって、母子共に保護した場合はどちらの意識も変えられるように働きかけることが大切です。
既に授乳期を終えている場合は、子猫を敢えて母猫と離す時間帯を設けてみてください。子猫は柔軟性が高いので、楽しく遊んだり触れ合ううちに心を許してくれるようになります。
母猫に対しても優しく語りかけ、特に労いの気持ちを伝えるようにしてみてください。中には若くして母になった猫もいます。年齢が1歳に満たない猫の場合は、本来持ち合わせている"子猫らしさ"を引き出し、積極的に甘えさせてあげると良いでしょう。
このケースも信頼を得るには時間がかかります。根気強く関わり続けてあげてください。
3.『社会化期』における経験値不足

先ほど"子猫は柔軟性が高い"と紹介しましたが、これには『社会化期』と呼ばれる期間が影響しています。
子猫には先入観を持たず誰とでも親しくなれる魔法の時期があります。これを社会化期といい、生後2週間から生後2ヶ月までの間で続きます。
この時期に母猫はもちろんのこと、きょうだい猫との触れ合いや他の動物との関わり、人間とのつながりを持ち、できるだけ多くの刺激を受けることが大切なのです。
逆にこの時期に経験値不足を重ねると、相手との距離感や力加減が掴みにくい猫になってしまいます。
誰彼構わず威嚇することも、噛みグセが抜けないのも、社会化期の経験値不足から来るケースがあるのです。
強い警戒や威嚇に関しては、これまでと同様に、根気強く『人はあたたかいもの』『安全基地になる存在であること』を伝えてみてください。
噛みグセに関しては手足で遊ぶ習慣を作らない、もしくはやめさせることが重要です。遊びにはおもちゃを使い、狩猟本能は蹴りぐるみで満たしてもらってください。
なかなか噛みグセが治らない場合は、舐めると苦みを感じるしつけ用のスプレー活用も検討してみてください。
猫は本来、社会化期に母猫から猫としての適切な行動を学び、きょうだい猫とのじゃれ合いの中で『力加減』を身につけていくもの。
それが不足してしまった場合は一筋縄ではいかないものの、私たち人間が優しく時々クールに補うサポートをしていくことが穏やかな猫生へとつながります。少しずつ気性の激しさも緩やかになるはずです。
4.病気による痛みや不調

これまでは穏やかな性格だった猫が、ある日を境に豹変してしまった場合は要注意です。その気性の激しさの裏には『病気』が潜んでいるかもしれません。いくつか例を挙げておきます。
- 歯周病や歯肉炎による歯茎の痛み
- 口内炎や舌炎による口腔内の痛み
- 腫瘍が原因による疼痛
- 脳腫瘍や認知症による性格の変化など
突然『どうしちゃったの!?』という印象が見られたら、かかりつけの動物病院を尋ねましょう。病気の種類によっては、治療や処置を受けることで再び穏やかな日常を取り戻すことができます。
まとめ

今回は『気性が激しい猫』に見られがちな特徴4つと、その背景にある要因、それぞれに適した関わり方を紹介いたしました。
絶えず"シャーシャー"と威嚇する猫は必死なため、こちらが身構えてしまうものですが、理想を言えば毅然とした態度をとることが大切です。何事にも動じずにお世話を続けることが敵意のない証にもなるので、堂々としていてください。(まずは威嚇の声に慣れるところからスタートしてみてくださいね)
猫にも猫本来の性格(気質)があります。とりわけ父猫の性格を受け継ぐものなので、気性が激しい父の子は、元々気性が荒くなりがちです。
ただこれに関しては、環境面でいくらでもカバーしていけるものなので、それほど心配しなくても大丈夫です。毎日が穏やかに過ごせるように、楽しい経験を積ませてあげてください。